ソケットツールのバリエーション その4

掲載日:2010年12月28日 バイク基本整備のイロハ工具の使い方実践    

ソケットツールのバリエーション その2

ドライバーの使い方の基本は「押して、回す」です。その詳細は今後解説することとして、ここではソケットツールのバリエーション、ラチェットレンチの一種としてドライバーを取り上げてみよう。こいつを上手く使いこなせば楽しくバイクいじりを実践し、トラブルを未然に防ぐテクニックも身に付くはずです。

手首の「かえし」だけで、連続的に
ねじを回せるラチェットドライバー

ある一定の角度でレンチを往復させるだけで、レンチに差し込んだソケットが回転するラチェット機構。スパナやめがねレンチのように、レンチの掛け替えの際にボルトやナットが工具と離れることがなく、スピーディな作業が可能になることは、これまでの連載を通して理解いただけたことと思います。スパナやめがねレンチにこだわる人がいるように、ソケットツールにも作業性や手触り、ブランドイメージなど、いろんなポイントでこだわりを持つ人は少なくありません。

 

そんなラチェット機構を採用した工具に「ラチェットドライバー」があります。ドライバーを使用する際、ガッチリ締まったビスを緩める瞬間には“押しながら回す”動作を心がけなくてはなりませんが(ドライバーの使い方の詳細は別の項で取り上げます)、一旦緩まったビスを抜く間、あるいは締め動作の際に締まり切る手前までは、それほど抵抗感も大きくなく、ただ“クルクル”とビスを回しているだけになります。

 

ストレート社製ラチェットドライバー ハイトルクタイプは本体全長190mm、ソケット全長20mm、ビット全長25mmを組み合わせて使います。本体は金属製でグリップ部分は握り心地の良いラバー巻きになっています。ラチェット機構はグリップの先端部分に組み込まれていて、リング部分を回すことでビット部分の右回転/左回転/固定を選択できます。

ストレート社製ラチェットドライバー ハイトルクタイプは本体全長190mm、ソケット全長20mm、ビット全長25mmを組み合わせて使います。本体は金属製でグリップ部分は握り心地の良いラバー巻きになっています。ラチェット機構はグリップの先端部分に組み込まれていて、リング部分を回すことでビット部分の右回転/左回転/固定を選択できます。

このとき、グリップエンドを手のひらで包み込むようにして指の腹でグリップを回したり、グリップを横から握ってバイクのスロットルを開閉するように回転させるなど、ドライバーの回し方には作業者によって様々な作法があるようですが、その“クルクル”をスピーディかつスマートに行おうというのが、ラチェットドライバーの狙いです。

 

ラチェットドライバーを構造的に見ると、ラチェットヘッドとグリップ部分が直線上に配置された形になっています。首振りラチェットレンチのハンドルを90度折り曲げてラチェットヘッドの直上にくっつけたようなイメージです。そのラチェットヘッドにドライバービットを差し込めば、ラチェットドライバーの完成です。

 

ラチェット「ドライバー」というと、どうしてもドライバーのイメージが大きくなってしまいますが、ラチェットレンチの派生モデル、バリエーションの一つと考えれば、その働きや動きも納得できると思います。

 

“ドライバーにわざわざラチェット機構なんて付けなくても……”という人もいるでしょうが、スパナに対するラチェットレンチがそうであるように、ラチェットドライバーも使ってみるとその便利さがよく分かる工具です。代表例として取り上げているのはストレート社のラチェットドライバーですが、ヘッド部分のリングでソケット部分の回転方向を決めてグリップを捻ってやれば、先端部分は一方向に回転します。それだったら通常のドライバーでも同じでしょ、と思われるかも知れませんが、ラチェットドライバーには「握り換え」の動作が不要な点が特徴になります。バイクのスロットルのように、グリップを握ったまま捻るだけという動作は、実際にラチェットドライバーを使ってみると分かりますが手に加わるストレス、とりわけ指先への負荷はずいぶん小さく、疲労が少なく感じるものです。

 

握り換えをしない場合、ひと捻りで回せる角度は90度ほどしかありませんが、繰り返し捻り動作を行うことでビットが回り続けるのがラチェット機構の利点であり、結果として作業スピードも向上します。このドライバーはグリップ部分が最大90度に折れ曲がるので、きつく締まったビスやボルトに対して通常のドライバーグリップよりも大きなトルクを加えることもできます。

 

また、ラチェットドライバーの中には、ここで紹介しているストレート社製のように、グリップ内部にドライバー先端のビットを収納できるものがあります。この手の構造を採用するドライバーだと、プラスとマイナスだけでなくヘックスやトルクスなど、1本のグリップで何本分ものドライバーとして使えるという高い汎用性も獲得できます。このドライバーの場合、ドライバービットに加えてソケットまで付属していますから、まるでドライバーとソケットレンチが合体したような働きをしてくれるわけです。

 

従来、この種の便利工具というとアイデアに力を注ぎすぎて使い勝手や強度面で心配というのが定説のようになっていましたが、今では日常使いの工具としても十分な実用性を備えたアイテムが多くなっています。ラチェットレンチの便利さが理解できたら、こうした工具を手に取ってみるのも良いかも知れませんね。

グリップのエンドキャップを捻って外すと、中からツリー状のビットホルダーが現れます。このホルダーにはNo.1、2、3のプラスビット(No.2は2個)、5、5.5、6mmのマイナスビット、3、4、5mmのヘックスビット、T15、T20のヘクサロビュラビット、ビットとラチェットヘッドをつなぐビットホルダーが付いていて、これだけでドライバーとしてかなり充実した内容となります。また、このビットは差し込み部分のサイズが電動工具用ビットと同じなので、作業内容や必要に応じてビットを入れ替えることもできます。

グリップのエンドキャップを捻って外すと、中からツリー状のビットホルダーが現れます。このホルダーにはNo.1、2、3のプラスビット(No.2は2個)、5、5.5、6mmのマイナスビット、3、4、5mmのヘックスビット、T15、T20のヘクサロビュラビット、ビットとラチェットヘッドをつなぐビットホルダーが付いていて、これだけでドライバーとしてかなり充実した内容となります。また、このビットは差し込み部分のサイズが電動工具用ビットと同じなので、作業内容や必要に応じてビットを入れ替えることもできます。

作業手順を見てみよう!

ヘッドの角度を変えるには、グリップ中間のボタンを押しながらヘッドを折り曲げます。ヘッドとグリップが一直線になる0°と直角になる90°、その中間の45°でクリック感があり、ヘッドが固定されます。差込角1/4インチの付属ソケットは5、6、7、8、9、10、11、12、13mmサイズがあり、締め付けトルクが大きい場合はグリップを90°に折り曲げるとしっかりと力が加えられます。

ヘッドの角度を変えるには、グリップ中間のボタンを押しながらヘッドを折り曲げます。ヘッドとグリップが一直線になる0°と直角になる90°、その中間の45°でクリック感があり、ヘッドが固定されます。差込角1/4インチの付属ソケットは5、6、7、8、9、10、11、12、13mmサイズがあり、締め付けトルクが大きい場合はグリップを90°に折り曲げるとしっかりと力が加えられます。

ドライバー本体とソケットホルダーに収まるをソケット、これらが一緒に入るバッグがセットになってお値段は2500円(税込)。機能を考えればなかなかお買い得といえるのではないでしょうか。ツーリングに出かける人なら車載工具としてもかなり魅力的です。

ドライバー本体とソケットホルダーに収まるをソケット、これらが一緒に入るバッグがセットになってお値段は2500円(税込)。機能を考えればなかなかお買い得といえるのではないでしょうか。ツーリングに出かける人なら車載工具としてもかなり魅力的です。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索