掲載日:2016年08月16日 メンテナンス
※この記事は『モトメンテナンス vol.127』に掲載された内容を再編集したものです
バイクいじり第一優先のサンメカは、どうしても作業そのものに注目しがちだ。だが足元がサンダルではスタンドの上げ下げに踏ん張りが利かないし、爪先がサイドスタンドの下に入ったり誤ってステップを蹴ってしまった際のダメージも大きくなる。足をしっかりホールドできない履き物では、長時間にわたる作業時の疲労感も増すし、オシャレなスニーカーにグリスやオイルが着けばブルーになるだろう。作業時には作業靴を履くことで、安全で快適に作業できるのはもちろん「これからバイクをいじるぞ!!」という意識の切り替えができる効果がある。そんな観点から足元にも注目したい。
イタリアンブランドLOTTO(ロット)の名を冠した作業用シューズは、鮮やかな色使いとセンスを感じるデザインが魅力。スニーカータイプの中では重量感のあるタイプだが、軽すぎる靴を心許なく感じるユーザーには安心感がある。サイズ表記は国産ブランドに比べてゆったりしているようで、アシックス製の27.5cmがジャストサイズのスタッフがLOTTOの27.0cmを履いたところ、あと0.5~1cm下のサイズでもいいぐらいの余裕があった。
ワイズ(足囲)と呼ばれる親指と小指の根元部分の周長に余裕があり(特別な表記はないが)、EEEやEEEEといったワイズが広い足でも余裕を持って履ける。紐は2段仕様で爪先と足首で最適なホールド感を得られる。
爪先のガードは強度と柔軟性を両立する樹脂製で、ノンスリップ素材のソールも特殊樹脂によって釘などの踏み抜きを防止。衝撃吸収素材を内蔵するかかとはドライビングシューズ風の形状を採用。
カジュアルシューズとしても通用するデザインで、表皮は快適で通気性も良い合成皮革とメッシュ素材の組み合わせ。柔軟性良好なので、長時間履いても安心。着脱式インソールは単体で洗浄できる。
スポーツシューズで実績のある機能性と品質で、安全性が重視される作業靴を開発するアシックス。ウィンジョブは作業現場や工場、モータースポーツなど多くのフィールドで愛用されている。そのシリーズ中、FIS41Lの特徴は3本の面ファスナー(マジックテープ)。靴紐と比較して年配者向けといったイメージを抱くサンメカもいるだろうが、爪先から足首まで部分ごとの締め付け力を個別に簡単に調整できる点では面ファスナーの方が優れているのは、一度履けば理解できる。
ローカットデザインの安全靴は脱げやすいという印象を持っているユーザーもいるかも知れないが3本のテープをしっかり止めれば、決してスポッと脱げてしまうことはない。
日本保安用品協会が定めた樹脂製の保護先芯を入れながら、長時間はき続けても快適な軽さを実現。靴底は耐滑ゴム製で、土踏まず部分の自然なアーチによって疲労感を軽減。
かかと部分のホールド性を確保して足首を安定させるのもスポーツシューズメーカーならではの配慮である。靴底には耐衝撃製ゲルを内蔵して作業者の安全を守ってくれる。
柔らかいシリコン樹脂素材で、折りたたまれた蛇腹を伸ばすと深さが増すため背の高い部品やかさの大きな部品も保管できる。ボルトやナットを金属製のバットに入れると傾けるたびにジャラジャラと騒々しいが、これなら余計な騒音を抑制できる。蛇腹の折り曲げ部分には白い筋が入っているが、これはシリコン素材の性質によるもの。
右のワイドタイプは幅194×奥行122で深さは30mmと89mmに調整できる。左はショートタイプで幅180×奥行114で深さは20mmと35mmに調整できる。灯油やガソリンの付着は避けて使用する。
自分でタイヤを交換する際に必ず必要なタイヤレバーとリムプロテクターのコンビを、初めからひとつにまとめたセット。タイヤとリムの隙間に差し込む際にビードやチューブを傷つけないよう、レバーの先端は薄く丸く仕上げられ、スプーンのような反り返しによってタイヤを確実にリムから取り外すことができる。
握りやすいグリップがついたレバーの全長は300mmで、ビードを起こす際の力を無理なく伝達できる。スプーン状の先端の仕上げは滑らかで、タイヤやチューブを傷つけない。
リムプロテクターは柔軟性のあるポリウレタン製で、レバーを押し当ててもリムを傷付けることがない。2個のプロテクターの距離を適度に離すことで、2本のレバーでビードを起こすことができる。
デイトナ製エアバルブプーラー(バイクブロス価格 税込1,184円)は、チューブのエアバルブをリムに通す作業を助けてくれる。ワイヤー先端のアタッチメントをバルブにねじ込み、リムの穴から引っ張り出すだけでOKだ。
ドライバーの先端にソケットが合体したような構造のボックスドライバーは、スパナやメガネでは届かない深い場所にセットされたボルトにも容易に届き、ラチェットレンチのハンドルが振りづらい場所でもスリムなグリップを回すだけで作業できるのが特徴。使用頻度の高いサイズを持っておくとスピーディな作業に役立つ。
軸径の細いボルトを柄の長いスパナやラチェットハンドルで締め付けると、ついオーバートルクになりがちだが、ドライバーグリップには過度なトルクが加えづらい利点もある。
硬度が異なる2種類の樹脂を用いたハンドルが手になじみ、6ポイントのソケット部はボルトやナットをしっかりホールド。六角断面の軸部はスパナやモンキーを掛けられる。
キャップボルトの早回し作業を効率的に、快適に実践するための工具が六角ドライバーだ。文字通りドライバーグリップを装備することで、L型レンチの早回しを大幅に上回る作業性を実現。ここで紹介するのはボルトに対して傾けた状態で回せるボールポイントタイプだが、強いトルクで回す際に強度的に有利なストレートタイプもある。
一般的なL型のヘキサゴンレンチで早回しする際は長軸を指でつまんで回すが、ドライバーグリップならもっと回しやすい。使用頻度の高いサイズは手元にあると重宝する。
グリップの断面は手のひらに収まりやすい三角形で本締め、早回しも快適に行える。価格がリーズナブルなのも特徴で、すでにヘキサゴンレンチセットを持っているサンメカにもお薦め。
バルブクリアランス調整や、旧車や絶版車に多いコンタクトポイントのギャップ確認で用いるシクネスゲージは、測定内容や測定場所に応じて使いやすい形状を選択したい。KTC製のこのゲージは、先端から13mmの位置であらかじめ折り曲げられており、4気筒エンジンのタペットクリアランス測定で使いやすい。
セット内容は0.04/0.05/0.06/0.07/0.08/0.10/0.15/0.20/0.30mmの9枚。測定範囲に応じてリーフと呼ばれる金属板の幅が異なる製品があり、さらにインチサイズもあるので気をつけよう。
緩すぎずキツすぎず、わずかな抵抗で抜き差しできる金属板の厚みで隙間を求めるのがシクネスゲージ。この製品は狭い空間での使いやすいよう、先端が折り曲げられている。
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