総額いくらかかるのか!? 不動スクーター【ホンダ・ジョルノ】を激安再生!! 第12回

掲載日:2018年10月22日 メンテナンス    

文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部
記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事はモトメンテナンス増刊「バイクメンテビギナーズ」に掲載された内容を再編集したものです。

ガソリンが来ていてプラグの火が飛んでいるのに
エンジンがかからない謎のトラブル。原因はプラグだった

好調エンジンの3要素は「良い圧縮」「良い燃料」「良い火花」となる。どれかひとつが欠けてもエンジンは不調に陥り、時には不動となってしまう。

古いプラグはカーボンが付着していたものの、電極も減っていないようだったので、とりあえずエンジンは始動できるかと考えていたのだが、そうはいかないのがスパークプラグの怖いところ。

プラグコードとキャップの接続部分が甘くなると電気が通らなくなることもあるコードの端を少し切って、再度キャップをねじ込むと抜けにくくなり、しっかり電気が流れるようになる。

ジョルノは燃料経路も綺麗にしたし、ガソリンはフレッシュなので「良い燃料」はクリア。圧縮は計測していないけど、プラグホールに指を当ててキックしてみるとしっかりあるみたいなので「良い圧縮」もクリア。

プラグは新しくしたかったけど、とりあえず中古プラグをキャップに付けて先端を車体にアースさせてキックしてみるとばっちり火花は飛んでいる。つまり3要素はいずれもOKなはずなのにエンジンがかからないのだ。

古いプラグをキャップに付けてプラグ先端を車体にアースさせてキックを踏んでみると、しっかり火花が飛んでいる。これならエンジン始動すると判断。しかし、一向にエンジンがかからない。

ここで頭を抱えてしまったのだが、疑わしいプラグを新品にしてみるとすぐにエンジンがかかった!! これはたまにあるトラブルで、プラグが劣化して弱ってくると大気圧では火が飛ぶのに、シリンダー内の高圧縮下では火を飛ばせなくなってしまうことがあるのだ。とにかくかかって良かった!!

プラグは濡れているので燃料は来ているし、圧縮もある。火花も飛んでる。いろいろ思案して仕方なく新品プラグを買いに行って装着。セル0.5秒で即エンジン始動した!! やはりプラグは新品にかぎります!!

バッテリーはネット販売されている純正互換タイプの新品を装着。お値段なんと1,020円(税込み)。新品なので補充電しとこうと思ったらまさかの満充電だった。けっこう信頼性ある!?

シャシーブラックで適当に塗った燃料タンクだが、ちらっと覗く程度ならなんとなく綺麗!?燃料ホースもリフレッシュしたので、これで燃料供給は安心できそうだ。 古いガソリンは抜き取っておいた。

ガソリンは腐った香りがしなくても、半年もたてば劣化して燃えにくくなってしまう。不動車を再生する際は、古い燃料を抜いて新しいガソリンを入れておいたほうがエンジン始動しやすくなる。

プラグを交換したことで、すぐにエンジンが始動した。始動直後は白煙を吹いていたが間もなく落ち着いてきたようだ。熱が入ってマフラーの耐熱塗料も焼けて良い感じに……。

エンジンが温まってきたらまずはアイドリング回転を調整し、次にエアスクリューをアイドリングが最も高まるところに調整する。仕上げにアイドリングを再調整してキャブの調整も完了だ。

エアクリーナーの蓋に設けられたサービスホールからキャブレター調整ができる。上側のマイナスがアイドリング(スロットルストップスクリュー)で下側がエアスクリューとなる。

2スト車は必ずオイルポンプの作動確認をしておきたい。確認時は必ず燃料タンクに2ストオイルを少量混ぜておく。エンジンがかかった状態でオイルポンプを指で全開にしてみる。

外したオイルホースから2ストオイルが脈打つように出てくればオイルポンプの作動は正常だ。オイルポンプが壊れていると、エンジンは当然、焼き付いてしまう。オイルホースは新品に交換。

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