掲載日:2010年12月27日 バイク用品インプレッション
12月下旬ともなれば寒さは本番、ずっしりと重いヘビーウインタージャケットに袖を通す度に冬の到来を実感しているライダーも多いことだろう。冬場は防寒アイテムを中心に装備品が増え、重たいジャケットは疲労や肩凝りの原因にもなる。そんなことから、この季節のツーリングを好まないライダーも多いが、食べ物は美味しく、澄んだ空気と美しい景色が楽しめるこの時期は案外快適なツーリングシーズンでもある。
さて、今回テストしたのはRSタイチの「ヒートジェネレーター・インナージャケット」である。ヒートジェネレーターとは身体から発散される僅かな水分を熱に変換する新素材。それを中綿としつつ、生地には蓄熱素材「サーモトロン」を採用しているのが最大の特徴である。表面は非常に薄くサラサラとした感触で、製品自体も非常に軽量。単独で着用すればふわっと膨らみ、かなりのデッドエアーを蓄えてくれるのでとても温かい。また、アウターを重ね着した状態では適度に空気が抜けるため、比較的タイトなウェアを重ね着しても着膨れすることもない。襟元は起毛素材なので冷たさを感じにくく、ハンドウォーマー兼用のポケットも装備。外観にはスポーティなデザインが施されているので、単独着用していてもこれがライディングジャケットのインナーだと気付く人は少ないだろう。
今回のテストでは比較的薄手のオールシーズン用ライディングジャケットのインナーを取り外し、その代わりにヒートジェネレーター・インナージャケットを着用。通勤時とツーリングを合わせて300kmほど走行したが、1枚のインナージャケットが冬場のライディングをこれほど快適にしてくれるとは思ってもみなかった。まずはその温かさ。ヒートジェネレーターは身体から発散される僅かな水分を熱に変換するため、10分ほどライディングしていると徐々にポカポカと温かく感じるようになる。そして蓄熱素材サーモトロンの効果か、一度温まると極めて冷めにくいのだ。このスピーディに温かさが感じられ、それが持続する感覚はこのアイテムならでは。保温性能に頼っている従来型のインナーとは明らかに異なるものだ。また、単独着用可能というのもヒートジェネレーター・インナージャケットのメリット。冬場のツーリングでもライディングジャケットを脱ぐ機会は多いものだ。飲食店や宿泊施設の中、観光地を散策する場合などを想定して軽めのアウターを別途携行するのが常だが、このヒートジェネレーター・インナージャケットを着用していればその必要はない。少しでも荷物を減らしたいキャンプツーリングなどでも、かさばる冬物のアウターを1着省略することができるのでパッキングの自由度はかなり広がることだろう。ヒートジェネレーター・インナージャケットの表面はサラサラとしているので、アウタージャケットに袖を通す際の抵抗も少なく、ライディング中のツッパリ感やごわつき感も軽減される。さらに、軽量なジャケットと組み合わせても十分な防寒性能が確保されるため、疲労感や肩凝りも少ない。冬場のツーリングは苦手という方にはオススメの1着である。
単独で着用した姿はスポーツウェアのよう。シンプルだがデザインされた外観なので、観光スポットなどを徒歩で散策していても違和感がない。
発熱素材を採用している上に、デッドエアーを蓄えてくれるのでとても温かい。アウターを重ね着すると適度に空気が抜けるので着膨れとも無縁。
襟元は起毛素材で冷たさを感じにくい。また、非常にソフトなので首の周囲にしっかりとフィット。寒風が侵入するのを防いでくれる。
袖口はアウタージャケットとの相性を考慮。袖を通しやすく、適度な伸縮性があり手首周辺の自由度を阻害しないデザインとなっている。
旅先のアウターとして着用されることを想定して、ハンドウォーマーを兼ねたポケットを装備。当然、ヒートジェネレーターによりとても温かい。
極薄のサーモトロンは摩擦抵抗が少なく、縫い目の段差も小さい。このためアウタージャケットとの馴染みも良く、疲労や肩凝りも軽減される。
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