

掲載日:2013年09月20日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合宏介
リード125は、ハンドル幅は少し狭めでアップライトなポジションだ。eSPエンジンとのマッチングも良く、PCXで好評だったアイドリングストップのON・OFF機能も搭載されている。ONにしている場合は、暖気が終了した状態で一定時間停止しているとエンジンはアイドリングをストップさせ、わずかなアクセルONにより、驚くほどにスムーズに再始動してくれる。まるで「エンジン始動」と「走り始める」動作がひとつになったような感覚でスタートできるのである。エンジンセッティングは、主な活躍地でもある街中で、もっとも使用頻度が高い低速から中速の回転域で扱いやすい味付けといえるだろう。ドカンとした加速もないが鈍くなる谷もそれほど感じられず、するすると加速する印象だ。振動や風でブレることなく後方視界を確保しているミラーも頼もしく感じた。
フロントタイヤは12インチなので直進安定性が良く、路面の継ぎ目やペイントを通過してもハンドルがグラつかない。特に道路脇にある側溝との継ぎ目を縦方向にタイヤが踏んでも、ハンドルはグラつかなかった。さらに、燃料タンクが足元に配置され低重心に貢献しているせいか、極低速のハンドルフルロックUターンでも充分な安定性が確保されていた。そんな安定したハンドリングと、存在を感じないほど自然な効きのコンビブレーキがあるので、どの速度域でも安心してライディングできた。
リード125の筆頭ライバルを挙げるなら、おそらく同じエンジンを積んだPCXと言えるだろう。リード125よりも車重が13キロ重く、ラゲッジボックスの容量が12リットル少ないが、価格が13,650円高い。つまり、足元のフラットスペースにこだわらず、ゆったりしたライディングポジションとデザインが気に入ればPCX。積載性とコンパクトさ、そして価格を重視するのならリード125を選ぶのが賢明かもしれない。リード125は、見た目はスクーター然としたフォルムだが、中身には最新鋭の技術が詰まっている。それでいて乗り方にワザを要求しないので、肩の力を抜いて気軽に走れる1台といえる。
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