ホンダ CBR125R
ホンダ CBR125R

ホンダ CBR125R – 小さな本格的ロードスポーツモデル

掲載日:2013年08月21日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/淺倉恵介

ホンダ CBR125Rの試乗インプレッション

ホンダ CBR125Rの画像

すべてがイージーでフレンドリー
シンプルに“走る楽しさ”を感じられる

エンジンは、5千回転も回っていれば、クルマの流れに乗るのは十分。一般道でアンダーパワーを感じることはないだろう。ピークパワーを活かした走りをしたいのなら、7千回転から上をキープしたい。このバイク、速く走らせようとすると、面白い感覚を覚える。良い意味で、実際のスピードと体感する速さが乖離しているのだ。自分がかなり速く走っているつもりでも、メーターを見ると車速はそれほど乗っていないのである。より安全な速度域で、エキサイトメントを感じることができるし、何よりマシンが遅いというストレスを感じないところがいい。どうして、こう感じるのか不思議でしかたないのだが、“ホンダ・マジック”としか言いようがない。ハッキリと言えるのは、CBR125Rは乗っていて楽しいということ。これは確かだ。重箱の隅をつつけば、バックトルクが強めなことが挙げられるのだが、これは単気筒エンジンの味と受け取るべきだろう。気になる人は、クランクケース内圧コントロールバルブなどでカスタマイズしてもいいだろう。

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また、低速域のトルク特性の調教は、見事と言わざるを得ない。言ってしまえば排気量は125cc、“ズ太い”とか“豊かな”といった形容詞はつけられないのだが、低速トルクは不思議なほどにスムーズ。発進する時も、意識して高回転を使う必要はなく、ミドルクラスのように走り出してしまうのだ。エントリーユーザーにとって、エンストに注意せねばならない発進は、バイクを楽しむ上でひとつの壁だろう。その不安が少ないCBR125Rは、バイクの楽しみ方を、より身近なものにしてくれるはずだ。

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フレンドリーなのはエンジン特性だけではない。車体のキャラクターも、実に取っ付きがいい。ハンドリングはすこぶる軽快。コーナリングは実にイージーで、ペタペタとバンクし、クルクル曲がってしまう。小回りが効くので、シティユースでの便利さも特筆ものだ。それでいて、適度なスタビリティを併せ持つのが素晴らしい。まっすぐ走らせたい時は、しっかりとした直進安定性が感じられ、コーナーでも意識せずとも旋回してくれる。どちらかといえば安定性を重視した車体なのだが、マシンがコンパクトなため、旋回性も犠牲にされていない。そのバランスが素晴らしい。特筆すべきはフロントブレーキ。指1本で充分な制動力を発揮してくれるし、フィーリングが実にリニアで精密なコントロールが可能。高級なブレーキパーツを使用しているわけではないのだが、パッケージとしての完成度の高さは秀逸だ。

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「走る、曲がる、止まる」すべての面で、ライダーにフレンドリーなCBR125R。これからバイクの世界に足を踏み入れるエントリーユーザーには、こういうバイクに乗って欲しい。単純に走る楽しさを感じられる一台だ。きっと、バイクが好きになる。また、ベテランであっても、サーキットでスポーツ走行を始めようとしている人にお薦め。CBR125Rでミニバイクサーキットを走るのは、サーキット入門に最適なのだ。

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ホンダ CBR125Rの詳細写真は次ページにて

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