

掲載日:2013年06月17日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合宏介
シグナス-X(2013)は、従来のモデルと比べてパワーユニットや車体構成に変化はない。そのため走り出すと、シグナス-Xらしいソフトな乗り心地やマイルドで安定した走り、そして静かなマフラーなども、新型に引き継がれていることが分かる。
従来と異なる点は、放熱性とスポーティさを高めるウェーブ形状のディスクブレーキと、それに合わせて新しくなったキャリパーだ。原2バイクはクルマの流れに乗って走行するため、それに見合うブレーキ性能が求められるものだが、シグナス-X(2013)のフロントのブレーキレバーの感触はカッチリしていて制動力も実に頼もしい。リアブレーキもフロントほどの効きではないが、マイルドに効く感じで減速中の車体の安定に貢献してくれる。こうした組み合わせが生みだす「確かな減速力」があることで、巡航速度の高いバイパスやブレーキ負荷の大きいタンデム走行時でも、安心して走ることができると感じた。一方で、少し気になったのは、アクセルを戻した時にエンジン回転が落ちるのが遅く、エンジンブレーキの効きが少なく感じたことだ。そのため、試乗中は全般的にブレーキに大きく依存する走り方になってしまった。
シグナス-X XC125SR(2013)専用の装備として、3段階のイニシャル調整機能の付いたリアサスペンションがある。この機能があれば、たとえばライダーの体重に合わせて、もしくはタンデムや極端に荷物が多い時に調整することで、車体の姿勢を最適化することができる便利な機能だ。ちなみに3段階の真ん中(標準位置)で、身長163センチの筆者だと、両足の土踏まずが接地するかどうかの足付きだった。
信号では無理のない程度のすり抜けをして先頭に並び、スタートでは即全開という乗り方で、都市部を中心に約60キロ走って、燃費はリッター約41キロだった。燃費を意識してもっと丁寧な乗り方をすれば、まだまだ燃費は伸びると思う。シグナス-X(2013)は、主に通勤や通学などに使う便利な道具かもしれないが、たまには街をクルージングするのも似合うかもしれない。
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