ホンダ スーパーカブ110(2012)
ホンダ スーパーカブ110(2012)

ホンダ スーパーカブ110(2012) – 使い方やシーンを選ばないマルチな走りが魅力

掲載日:2012年05月15日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/河合宏介

ホンダ スーパーカブ110(2012)の試乗インプレッション

ホンダ スーパーカブ110(2012)の画像

軽快さと安定感のある満足できる乗り心地
力強く扱いやすい低・中速域のトルク特性

ハンドルロック一体式のメインスイッチをONにしてセルを回せば、エンジンは何の抵抗もなく目を覚ます。その始動性は、前モデルのカブ110同様にすこぶる良好だ。サイドスタンドの出し入れやギアの状態に関わらず始動可能な点は、配達現場で鍛えられたカブシリーズならではの機能といえるだろう。テスター(身長163cm)が座ると、両足がかかとまで接地して、両膝が軽く曲がるくらいのシート高。このシート高は前モデルと変わっていない。着座して手を伸ばせばそこにハンドルグリップがあるという自然なポジションだ。

ホンダ スーパーカブ110(2012)の画像

シーソー式のシフトペダルを前にひとつ踏むと1速に入り、その状態でエンストすることなくスクーター感覚でスタートできる。走り出したらシフトペダルを前に踏むたびに2速、3速、4速へシフトアップ。新型のカブ110(2012)は、このシフトフィーリングが前モデルに比べて軽快になったように感じたが、個体差の範囲と言えなくもない。同様に、前モデルとのわずかな違いを感じたのが加速性の良さだ。その分、最高速の伸びが頼りない気もしたが違いは些細なもので、乗り手の心情的要素が大きいのかもしれない。ちなみに、メーターの最高速表記が変更されたのに伴って、シフトチェンジの目安表記速度も変更されたが、表記通りシフトチェンジするとエンジンが回り過ぎてしまう。少し回し気味の加速でも、1速で時速20キロ前後、2速で時速40キロ前後、3速で時速60キロ前後、それ以上は4速が良いだろう。なお、前モデルに比べてフロントブレーキサイズが若干小さくなっているが、ストッピングパワーは充分だと感じた。

ホンダ スーパーカブ110(2012)の画像

ハンドリングは若干のホイールベースの延長があったためか、安定度が増したようにも感じる。旋回動作中も素直なステア特性で、バンク途中で不用意に切れ込むこともなく安定したターンができるのは、前モデルの良さをしっかりと引き継いでいる点だった。試乗して改めて感じたことは、トコトコした乗り心地を楽しみながら移動でき、単調な定速走行でも飽きがこない味のある走りが受け継がれているということ。国内はもちろん世界に愛され、多くのファンがいるカブシリーズ。そんなカブ独特のライディングを、このカブ110(2012)でも存分に楽しめることだろう。

ホンダ スーパーカブ110(2012)の画像

ホンダ スーパーカブ110(2012)の詳細写真は次ページにて

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