ホンダ PCX
 ホンダ PCX

ホンダ PCX – 世界市場を視野に入れたニュースタンダード

掲載日:2010年04月01日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ホンダ PCXの特徴

ホンダ PCXの画像

流麗で美しいスタイルと利便性
オーナーを満足させるクオリティ

何よりも実用性が重視されるこのクラスのスクーターだが、PCXはそこにバイクとしての質感をプラスしているのが大きな特徴だ。近年のホンダ製スポーツバイクをほうふつさせるフロントマスク、極力継ぎ目を無くしたボディカウル、車体と一体化したタンデムグリップやメッキ仕様のバーハンドルなど、一見しただけでも質感の高さを感じさせてくれる。これらのディティールが構成するラインは流麗で、実用本位のスクーターではなく洒落たシティコミューターと言いたくなるほど。ここ最近発表されたスクーターとしては、特にデザインにこだわっている印象だ。また、生産がタイということで、もしかすると不安を覚えるユーザーがいるかもしれないが、これについて心配は無用だ。現地生産の時点でジャパンクオリティを基準としており、日本国内の形式認定を取得している。実際の車両を見ても国外生産というビハインドは皆無と言って良い。

ホンダ PCXの画像

もちろん、ただ美しいだけではなく、スクーターらしく実用性の面についてもしっかりと作り込まれている。便利なシート下収納スペースの容量は25リットルで、フルフェイスヘルメットが入るだけでなく、形状を工夫することで別途レインウェアやグローブなどを収めやすいように配慮。フロントには1.5リットルのグローブボックスを備えており、ちょっとした小物ならここだけでも十分だ。また、シート下収納やフューエルリッドの開閉はキーシリンダー横のシーソースイッチで行うのだが、使ってみるとこちらも便利。タンデムライドを考慮した設計も特徴で、パッセンジャーの視界を確保するために、タンデム側のシートが高くなっているのも、このクラスとしては珍しい。ともすれば洗練されたデザインにばかり目が向いてしまうが、使い勝手の面でもPCXは非常にハイレベルな仕上がりだ。

ホンダ PCXの画像

そしてもう一つ言及しておきたいのが、フロントに3ポットキャリパーを採用するブレーキシステム。こちらはホンダ自慢の前後連動ブレーキシステムを備えているのだが、この完成度の高さも忘れられない。ブレーキの基本として前後同時にかけるべきなのだが、試乗中にリアだけでブレーキングを行ったところ、フロント側への制動力配分が絶妙で、とても安心できる操作感となっていた。普段走っている時にはあまり気にならない部分かもしれないが、PCXの走りの良さに一役買っていることは間違いない。PCXはスタイル、利便性、パフォーマンスとも、近年稀に見る完成度を誇る1台と言えるだろう。

ホンダ PCXの詳細写真は次ページにて

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