【カスタムアーカイブ】ホンダ フォルツァをベースにした正統派カチ上げマフラーの元祖

音質とパワー、ルックスだけではなく
音量も考慮したエムソウルのカチ上げスタイル

ビッグスクーターが大流行していた時代は、スクーター関連企業だけではなく、一般的なバイクショップやバイクメーカー、そしてクルマ関連企業までもが参入し、矢継ぎ早に新しいブランドが誕生していった。各部位ごとに今では想像もできないほどのパーツが毎月のように生み出されていたわけだが、今回はマフラーブランドとして一時代を築いた、エムソウルが製作したフォルツァをご紹介したい。

エムソウルは1993年に創業し、当時からカワサキの空冷Z系を得意とするショップとして名を馳せていた。しかも、空冷Zにボルトオンで装着可能なターボキットを開発。現在の空冷Zブームが生まれる遥か昔から、このジャンルで絶対的な地位を築いていたのだ。その同店がビッグスクーターに参入した際に、着目したのがマフラーだった。当時はルックスと爆音重視という、ある意味アウトロー的なマフラーが注目されていた時代に、音質とパワーの獲得だけではなく、音量も守りながら、さらにユーザーが喜ぶカチ上げスタイルでこの世に誕生したのだ。ブランド名は武蔵改（MUSASHIx）。SPEC-Rと名付けられたそのマフラーは、高級感溢れる外観も伴って、瞬く間に大人気商品となった。その後、マフラーは度重なる近接排気騒音法の変更と、ビッグスクーターブームの終焉に伴い生産終了となってしまったが、武蔵改（MUSASHIx）は間違いなくこのジャンルを支えてくれた一大ブランドだったことを覚えておいてほしい。

なおエムソウルは、基幹業務である空冷Z系はもちろんだが、PCXやマジェスティS、TMAXなどのパーツを取りそろえるレベル10ブランドを取り扱い中。当時のようなドレスアップ系とは趣向を変え、チューニングや実用性重視のスクーター遊びを提案し続けている。

詳細写真

フロントはフォルツァ用チョップフェイスの中でも絶大な人気を誇ったカスタムガレージフリーダム製。目尻のシャープさ、真横からみたボリューム感、ほどよく付き出した鼻先といった絶妙なバランス感が魅力だった。サイドとアンダーはウイルズウィン。買いやすい価格設定が魅力で、現在も購入可能。

程よいカチ上げ具合と極太のエキパイ、そして高級感溢れる質感など、SPEC-Rにはたくさんの魅力が詰まっていた。このフォルツァに装着されているのはブラックメタル仕様と呼ばれるもので、サイレンサー本体が煌めくブラックカラーに彩られていた。50本限定だったが、発売当日に売り切れとなった逸品だ。

ハンドルもエムソウルのオリジナルパーツであるルーズハンドルをセット。この商品は、ハンドルのみではなく、メッキブレーキマスターシリンダー、ステンレスメッシュホース、ステンレスメッシュスロットルワイヤー、メッキコルゲートチューブと必要なパーツが全てメッキ加工されてセットとなっており、さらにハンドルスイッチ固定穴も設けられている車種別専用品として販売されていた。現在は生産終了。

左コンソールボックス内には、オーディオデッキをビルトイン。信頼性あるカロッツェリア製で、臨場感あふれるサウンドを手に入れるための必需品。

そして、シート下にオーディオデッキと同様のカロッツェリア製ウーファーをセット。車体にはスピーカーが合計４発装備され、このウーファーと共に重低音と共に迫力の音を奏でるようにセットアップされている。