掲載日:2019年12月18日 プロが造るカスタム
取材協力/トップモスト
取材・写真・文/ガスグラフィックス
大径化された前後のホイールや、極限まで延ばされたホイールベース。フロントフェイスはドゥカティ1098をスワップしたスーパースポーツミックスで、美しいグラフィック。
書いてしまえば、よくあるハードカスタム車と同様の内容に思えるかもしれないが、このスタイルを生み出すためには高度な技術は前提で、思い描いたスタイルを形にする知識と想像力が必要であることを、このスカイウェイブは証明している。
秀逸なのはそのリアの造り込みだ。一般的なロングホイールベース車は、フレームを加工して延長。さらにそこから伸ばしたい場合は、過去に製品化されてきた延長スイングアームキットを流用していた。しかし、この車両ではその延長スイングアームのパーツに、純正で片持ちデザインが採用されていたホンダVFR400Rを活用。
ビッグスクーターのリアホイールは、その構造上、普通のバイクのような両持ちではなく片持ちとなるのがほとんど。それを逆手にとったアイデアが秀逸であることは当然だが、さらに、強度やアライメントを含めて、乗り物として完成させる技術力にも着目しなければならない。
ビッグスクーターのカスタムスタイルは異様であるため、バイク好きからは敬遠される傾向にあるが、こういった技術やアイデア的な見地で触れていただければ、この世界観が何気に凄い技術をもっていることを、多少なりともご理解いただけるのではないだろうか。
スカイウェイブノーマルの機関部から、VFR400R用スイングアームで延長。駆動はチェーンで対応。このスイングアーム装着のために造り込まれた後部フレームワークの造り込みやチェーンカバーのデザイン性も素晴らしい。
4輪用ホイールを装着するためには、ノーマルの一軸のままでは不可能なため、5穴ボルト用変換ハブに換装し対応。ホイールは、存在感あるリム部分は色味を押さえたゴールドに。リアキャリパーも車両と同色のオレンジとし、カラーバランスにもこだわっている。
ハンドルはオリジナル構造を持つセパレートタイプに変更。スクーターのマストアイテムであるオーディオはキッカー製スピーカーを4発装備。さらに、車両のデザインをスポイルしないように、メーター左右にはワンオフのミラーが埋め込まれている。
フロントシートの前部を加工し、エアサスなどのスイッチやメーター類を移設。一般的には、車体のメーター回りやグローブボックス、インナー部分に装着することが多いため、このシート加工によるインストールは極めて稀なアイデアだ。
フロントは、ハードカスタムの人気技法、スーパースポーツ系スワップを敢行。切れ長のヘッドライトがスポーティで人気が高いドゥカティ1098に、片目3連ずつの合計6連プロジェクターを装備した。各部ウィンカーなどもカウル内にワンオフ加工で埋め込んでいる。
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