

掲載日:2007年12月26日 試乗インプレ・レビュー
「アメリカンはとにかく大きくないとイヤ」という人には、750ccという排気量は中途半端に感じられるかもしれない。しかし、全長2510mmというサイズやクロームメッキ仕上げが美しい各部のパーツを見れば、リッター超のビッグクルーザーに勝るとも劣らない風格を備えているのを納得いただけるはず。また750ccは絶妙な排気量でもある。かつて750ccは“ナナハン”と呼ばれ、大型バイクの最高峰だった時代があった。現在ではリッタークラスのバイクが無数にあるものの、750ccという排気量は日本にはあった排気量だといえる。一般道から高速道路までパワーに過不足なく走ることができ、取り回しは中型バイクとそれほど変わらないバランスのいい排気量なのだ。ツーリング先でこの排気量の恩恵を受ける機会があるのも見逃せない。フェリーの料金で、750cc未満と750cc以上で料金が違う場合があるのだ。シャドウ750をはじめほとんどのナナハンの排気量は749cc以下なので、400ccなどと同じ料金でフェリーに乗れてしまうのである。そういう意味でも、ジャパニーズ・アメリカンとしてシャドウ750は実用的な選択のひとつだといえるだろう。
兄弟車であるシャドウ400と変わらないサイズに750ccのエンジン。ここのところ何度か400ccアメリカンに乗る機会があった僕にとって、正直なところこの750ccという排気量がもたらす違いが思いのほか大きく感じられた。大きなマスが加速していくエネルギー感、マフラーが奏でる野太いサウンドなど、400ccとは違うマッチョさが確かにある。アメリカンモデルの魅力である“ゆったりとした走り”、“力強いエンジンの鼓動”を感じるのに“大きいことはいいこと”なのかもしれない。また、クラシック・アメリカンというテイストでくくると、どのモデルもどうしてもディティールが似通ってきてしまいそうなのだが、シャドウ750には他とは違う個性が与えられているのも面白い。趣味のバイクであればこうした個性はとても重要なこと。パッと見では気が付きにくいこうした個性こそ、オーナーのバイクに対する想いをかきたててくれるのではないだろうか。
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