

掲載日:2007年12月26日 試乗インプレ・レビュー
「スピリット・オブ・ザ・フェニックス」というHondaアメリカンのコンセプトどおり、雄大なアメリカ大陸を横断したくなるような伸びやかなフォルムがシャドウ750の特徴。最近のクルーザーの定番デザインとも言える、クラシック・アメリカンテイストを持ったデザインだ。大型のメーターにオフセットしたフューエルリッドを持つティアドロップ型タンク、鞍型のどっしりとしたシート、ファットなタイヤに深々と覆い被さる前後のフェンダーなど、シャドウ750をクラシック・アメリカンたらしめる装備はすべて揃っている。しかしシャドウが他のミドルクラス・クルーザーと大きく異なるのが、リヤ周りの造作だ。他のクルーザーがハーレーのソフテイルファミリーのような、リジッドシャシー風のルックスを与えられているのに対して、シャドウはダイナーファミリーのように左右のショックユニットが露出したデザインになっている。
他のアメリカンモデルとは一線を画す特徴は車体の随所に見られる。クラシック・アメリカンといえば、ライダーの足元はフットボードにシーソ式のチェンジペダルというのが多いが、シャドウ750はフォワードコントロールに近いポジションに削り出しのステップバーを装備。マフラーは2本出しではなく2in1の集合タイプ。太くて長いサイレンサー部を利用し2本出しマフラーと同じサウンドを奏で、中低速から高速域までフラットで力強いトルクを生み出すように設計されている。エンジンはスティードから継承された52°のバンク角を持つV型2気筒OHC3バルブユニット。アメリカンのV型2気筒ユニットのシリンダーバンク角は、各社がその個性を発揮する見せどころ。シャドウ750の52°というバンク角がもたらす振動が、心地よいエンジン音を生み出してくれる。なお、今回借り受けた広報車にはバックレスト(背もたれ)、レザーポーチ、ナビが取り付けられているが、これは純正オプション装備となっている。このような純正オプション装備は他にも豊富に用意されているため、納車時から人と違うスタイルを手に入れることができるのもシャドウ750の特徴と言えるだろう。
バフ仕上げのクロームメッキ処理が美しい狭角V型2気筒エンジン。ロングストロークと大容量の吸気系などによって、たっぷりとしたパワー感を与えてくれる。
右からのリヤビューに迫力を与える集合式マフラー。この筒の内部を前後に分割し、2本マフラーと同等以上の効果を与えることで心地よいサウンドを奏でる。
リヤサスペンションはスイングアームに左右2本のショックユニットを備えるコンベンショナルなタイプ。駆動方式はシャフトでリヤ周りをすっきり見せる。
660mmという低い位置にある鞍型のシートは、前方が絞り込まれさらに足付き性を高めつつ、どっしりとした形状でライダーをしっかりホールドしてくれる。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!