掲載日:2009年10月02日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
1993年の東京モーターショーに参考出品された1台のバイクは、来場者の大きな注目を集めました。250ccという小排気量ながら本格的なドラッグスタイルを体現し、クラスを超えた存在感を持つバイク「Vツインマグナ」がそれです。マグナシリーズとしてはすでに750ccモデルがリリースされていましたが、この小排気量モデルはよりカスタムテイストを強めてロー&ロングフォルムを実現、翌年には市販モデルとしてデビューしました。当時のバイクシーンにはスティードをはじめとする車検付きのアメリカンバイクはあったものの、250cc以下ではビジネスモデルや一般的なネイキッドを手直ししたものがほとんどで、本格的なものは皆無。Vツインマグナは圧倒的な人気を持って迎えられ、2007年に排気ガス規制のあおりを受けるまで、10年以上に渡り生産されるベストセラーモデルとなりました。
この人気を支えたもの、それはやはり「SPIRIT OF PHENIX」の指針に基づく、個性的なスタイルです。これは当時ホンダが打ち出していたアメリカンバイクに対する考え方で、アメリカで磨かれてきたバイクのスタイルをさらに磨き上げ、日本やヨーロッパのライダーにも共感できるカスタムマシンを作りあげるというもの。Vツインマグナではホンダならではの独自の価値観を追求し、これまでになかった要素を多く盛り込まれています。それはエンジンのバフ仕上げにはじまり、切削仕上げのディッシュホイールや、筋肉質なタンクやエクステリア、地を這うような低いロー&ロングフォルムとして結実しているのです。
仕様諸元としてはデビューから生産終了まで大きな変化はありませんでしたが、1999年にシート形状やステップが変更され、マフラーを環境規制対応品に変更、2004年には盗難防止イモビライザー対応などその時代に応じた改良を加えられています。なかでも最終モデルは全体をブラックアウトした上質なルックスとなっており、90年代のシーンをリードしたモデルの完成形ともいえる仕上がり。今もって古くならないスタイルは、多くのバイカーから支持を集め続けています。
ホンダ伝統の水冷Vツインエンジンベースを中低速向きにリセッティングし、空冷フィンの装飾を施したエンジンを、ロー&ロングフォルムの車体に搭載。ホイールベースはなんと1,620mmという長さだ。ワイドなタンクやディッシュホイール、各部のメッキパーツなど、当時はまだ珍しかったパーツを積極的に採用しており、250ccながらワンクラス上の存在感と個性的なルックスで一躍人気モデルとなった。
あまり知られていないが、Vツインマグナには車名に「S」が付く特別仕様車が存在している。発売時期は1996年から1998年までとなり、リアだけでなくフロントにもディッシュホイールを採用している他、サスペンションセッティングの変更、ハザードの装備、こだわりのクロームパーツを多数奢るなど、非常に豪華な仕上がりとなっている。また、1997年には特別カラーを採用したVツインマグナSスペシャルエディションも発売されている。
Vツインマグナは2007年の排気ガス規制の強化によって生産を終了した。最終モデルはホンダの特別仕様車に多いグラファイトブラックを採用。各部のメッキパーツとあわせて非常に精かんなスタイルに仕上げられている。フレームや車体だけでなく、エンジンまでブラック塗装されているモデルはこの年式のみとなり、生産台数の少なさもあって若干レア傾向。現在マグナの後継となる車種は無く、未だ高い人気を保っている。
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