取材協力/SP忠男 上野タイヤセンター 取材・撮影・文/淺倉 恵介 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部掲載日/2013年9月25日

バイクで走り続ける限り、どうしても避けられないのが消耗部品の発生。なかでも重要なのがタイヤだ。安い物ではないし、
どうしても失敗したくない買い物…。そんな悩みを解消してくれるショップ、それが 『SP忠男 上野タイヤセンター』 なのだ。

タイヤは単なる消耗品ではない!

タイヤのラインナップは膨大だが、SP忠男 上野タイヤセンターでは取り扱う全てのタイヤを、スタッフが実走してインプレッション。よりユーザーに近い立場から、タイヤを評価しているのだ。

バイクの世界で、ここ10年最も進化したパーツと言われるのがタイヤ。走りのキャラクターを左右してしまうパーツだけに、タイヤ選びは慎重に行いたいもの。けれど、タイヤほど選択に悩むパーツもない。見た目からでは、そのキャラクターはわからない。そんな時、頼りになるのがプロのアドバイス。『SP忠男 上野タイヤセンター』 では、取り扱う全てのタイヤを実車に装着し、スタッフが実際に試走を行う。そのタイヤがどんな特性を持つのか、どんなライダーに合ったキャラクターなのかをリサーチしているのだ。自分の走り方に合うのはどんなタイヤなのかを、的確にアドバイスしてくれる。

何しろ、SP忠男 上野タイヤセンターは、タイヤに対する考え方からして違う。多くのライダーにとってタイヤは消耗品。“擦り減ったから換える” という場合がほとんどだろう。だが、それでいいのだろうか? タイヤはバイクにとって重要なファクター。その選択次第で、走りの楽しさは大きく変わってくる。もはや、タイヤは消耗品の域を超えたパーツと言える。

SP忠男 上野タイヤセンターでは、タイヤをスペシャルパーツのひとつとして定義し、単なる消耗パーツではなく “バイクをより楽しむため” のスペシャルパーツとして、タイヤ選びを提案してくれるショップなのだ。

SP忠男 上野タイヤセンター

高性能マフラーを中心に、多くのバイク用パーツをラインナップするSP忠男。その直営店であるSP忠男 上野タイヤ
センターは、タイヤ交換をはじめチェーンやブレーキパッド、オイルなどバイクのメンテナンスに必要なパーツを各種取り揃える。価格もリーズナブルで、作業は親切丁寧。ユーザーがバイクを楽しむことを第一に考えてくれているショップだ。

 

■住所/東京都台東区北上野1-7-5
■電話/03-3845-2010
■営業時間/11:00~19:00
■定休日/毎週水曜日、毎月第3火曜日

メーカー・銘柄を問わないワンプライス

SP忠男 上野タイヤセンターでは、ラジアルタイヤの価格を前後セット交換工賃込みで3段階に分けて設定。これは、タイヤのメーカーやグレードを問わない共通価格。これなら価格に惑わされず、本当に自分に合ったタイヤを選ぶことができる。そして、設定されているワンプライス自体 “爆安” なのが嬉しい。しかも、交換前タイヤの溝が 1.6mm 以上残っていれば、1本あたり 1,500 円で下取りしてくれるので更におトク。

自分のバイクでタイヤを試乗できる

タイヤの特性は、自分のバイクに装着して実際に走ってみなければわからない。そこで、SP忠男 上野タイヤセンターでは、タイヤ試着サービスを実施中。基本的に、より特性が解りやすいというフロントタイヤのみの試着となるが、特に希望する場合は前後タイヤの試着も可能。試着後にそのタイヤを選んで交換を行うなら、試着についての費用は無料。試着のみでタイヤ交換を行わない場合、タイヤ交換工賃が必要になる。

タイヤが気に入らない場合、
走行後でも銘柄変更O.K.

もし、装着したタイヤが気に入らなかった時は、タイヤ交換から一週間以内、走行距離 150km 以内の場合に限り、タイヤの銘柄変更が可能。その場合でも、かかる費用は交換工賃のみで、タイヤ自体は無償だ。

丁寧極まりない作業と行き届いた心遣い

タイヤは重要な機能部品。それだけに、交換作業は信頼できるプロに任せたいもの。SP忠男 上野タイヤセンターでは、どこまでも丁寧な作業と、ユーザーサイドに立った細やかな心遣いに驚かされるばかり。

作業を担当するメカニックはこう語る「車両をお預かりした時より、絶対に良い状態にしてお返しすると決めています。タイヤを新品に変えれば走りが良くなるのは当たり前ですから、それにプラスαしてバイクが良くなるように心がけています」とのこと。タイヤ交換の真髄がここにある。

まずは前後にスタンドをかける。万が一のトラブルも無いように、慣れた作業であっても慎重に行う。

外したブレーキキャリパーは専用のカバーで保護。バイクを傷つけないための心遣いだ。

車体から取り外し、タイヤを外した状態のホイールをバランサーにかける。ホイールの重量点を計測するためだ。

黄色いシールが貼られた部分が、ホイールの重量点。本来は、エアバルブの部分が重量点になるはずだが、このようにズレている場合がほとんどだという。

新品タイヤをホイールに組む。作業はタイヤチェンジャーを使用するが、ホイールを傷つけないよう、実に慎重に行われる。

ホイールにタイヤを組み付けたら、リムに水を吹きかけて、空気漏れがないかチェック。

タイヤを組んだ状態でバランスを計測。タイヤの軽点を、実際に計測したホイールの重量点に合わせているので、バランスウェイトは少なくて済む。このホイールとタイヤの組み合わせでは、バランスウェイトは不要だった。

これはホイールベアリングの状態を確認しているところ。回転に異常がある場合は交換する。

ホイールベアリングをグリスアップ。他にも必要な部分には、全て注油を行う。

10これはリアホイールのアクスルシャフト。グリスの塗布が甘かったためか、錆が出ている部分がある。

11錆は放っておくと、どんどん広がっていく。ワイヤーブラシを使用して、アクスルシャフトをクリーニング。錆が出ていない場合でも、前後アクスルシャフトのクリーニングを行い、十分なグリスアップを施す。

12ホイールは、車体に取付ける前に入念に清掃。汚れやすい上に、掃除しにくい部分だけにありがたい。

13スイングアームの内側など、ホイールを取り外さなければ掃除できない部分も清掃してくれる。

14ホイールを組み付ける。トルク管理が必要な部分は、しっかりとトルクレンチを使用している。

15最後はチェーンの張りを調整し、チェーンの清掃と注油を行って作業完了。

16タイヤ交換時にエア漏れが起きていなくても、エアバルブは必ず新品に交換。しかも費用は無料で行っている。

17リアアクスルの弛み留めの割ピンも新品に交換。こちらも費用は無料だ。

本当に自分に合ったタイヤと出会える

まずは、スタッフに自分の要望を伝えて相談。対応してくれたのは、SP忠男 上野タイヤセンター店長の小山内(おさない)さん。自らタイヤのインプレッションを行い、タイヤ交換作業もこなすプロフェッショナルだ。持ち込んだ車両は記者自前の 2001 年式カワサキ ZX-6R。スーパースポーツタイプではあるが、10 年以上前の車両。日常のアシとして使っているため、あまり減りが早いタイヤでは困る。そこそこのスポーツ性は欲しいが、マイレージも重要という欲張りなタイヤが記者の希望。面倒なオーダーに対する小山内さんのお薦めは『ミシュランのパイロットロード3』。

「耐久性の高さは抜群です。長距離を走られる方、タイヤの寿命を重視される方だと、リピーターの多いタイヤですね。接地感が強いので、乗っていて安心感が高いのが特徴です。それでいて、ハンドリングもなかなか軽快なところが良いです。ウェットグリップは最高レベルですから、雨の日も楽しいタイヤですよ」とのこと。

小山内さんのお薦めに従い、パイロットロード3のフロントタイヤを装着して試乗。なるほど、粘るような接地感があり、安心感が強いところが好感触。とても気に入ったのだが、せっかくだから他のタイヤも試してみることにした。もう少しスポーツ性が高いタイヤを希望したところ、薦められたのがダンロップのロードスポーツ。

「グリップ力はかなり高いですし、ハンドリングも軽快。ライフも、グリップレベルを考えれば良いタイヤです」と、小山内さん。

タイヤの試着は、基本的にフロントで行っているのだが、ロードスポーツはリアに装着。その理由を訊ねてみた。

「リアから旋回していく感じが面白いタイヤなんです。トラクションをかけるのが楽しいので、このタイヤはリアでの試乗をお薦めしています」

なるほど、実際にタイヤの試乗を行い、タイヤそれぞれの特徴を把握しているから出来るアドバイスなのだ。ロードスポーツを試乗してみたところ、小山内さんのコメント通りの特性。コーナリングの面白さに惚れ込み、今回はロードスポーツの装着を決めた。タイヤを変えれば、バイクの走りは大きく変わる。バイクとの相性問題も重要。自分のバイクに、購入候補のタイヤを装着して試乗できることのメリットは実に大きい。

【今回かかった費用】  
タイヤ試着(フロントタイヤのみ交換工賃) 2,100円
タイヤ交換(ダンロップ ロードスポーツ F:120/70-17 R:180/55-17) 47,800円
合計 49,900円

全ては、乗り手が感じる”気持ちイー”のために

ワンプライスやタイヤの試着サービスといった、SP忠男 上野タイヤセンターの打ち出した前代未聞のサービスはどのようにして生まれたのか? 店長の小山内さんに、その理由を訊ねてみた。

「お客様には、本当にご自分の使い方に合ったタイヤを選んで欲しいんです。タイヤを選ぶ時は、どうしても価格が大きなファクターになってしまいます。“本当はこちらのタイヤを履いてみたいのに、値段が安い他のタイヤを選んでしまう…” そういうことをなくしたかったんです。価格が同じなら、タイヤのキャラクターだけでタイヤを選んでもらえますから。そのためにワンプライスを導入しました」

タイヤの仕入れ価格は、それぞれのメーカー、銘柄とサイズによって異なるもの。それを統一価格とし、しかも低価格で提供するためには、並々ならぬ苦労があっただろう。それを実現したのは企業努力なのだが、なぜそこまでするのだろうか?

「SP忠男のモットーは、ライダーに “気持ちイー” と感じていただくことなんです。それはマフラーだけではなく、タイヤの販売でも同じです。当店でタイヤを交換していただいたお客様には、走り出して最初の交差点を曲がる時から “気持ちイー” を感じてもらいたい。それには、本当にご自分の走り方に合ったタイヤを選んいただくことが必要です。ワンプライスもタイヤの試着サービスも、そのためのものなんです。バイクを最良の状態にして、思い切り走りを楽しんでもらいたい。ひとつ申し上げておきたいのですが、“思い切り走りを楽しむ” のは “限界走行に挑む” とは違うということです。命を削るような走り方は、私たちの考える “気持ちイー” 走りとは違います。なにより大切なのは安全、そして楽しく気持ち良く走っている方が、さらにバイクを楽しめるようにお手伝いをしたい。それが私たちSP忠男 上野タイヤセンターの望みです」

全てはユーザーの “気持ちイー” のために。それがSP忠男 上野タイヤセンターなのだ。

『SP忠男 上野タイヤセンター』 の最新情報は、同店のBLOGでチェック!

SP忠男
上野タイヤセンター 店長
小山内 綾さん


2008年より、SP忠男 上野タイヤセンターの店長を務める。バイク用タイヤに精通し、メカニックとしても腕を奮う。子供の頃、郵便配達の赤いカブをカッコいいと感じたのがライダーとなるきっかけ。高校時代に手に入れた初めての愛車もスーパーカブ。そして次の愛車となったのは、トライアンフの1960年代の名車『T90』だと言うから、10代の女性としたらかなりマニアック。現在の愛車はトライアンフのボンネビルT100にMZ、ニンジャ250を新旧を1台ずつ。今、欲しいのはセロー250だとか。


  • SP忠男 上野タイヤセンターは、タイヤだけでなくアシ周り全体のメンテナンスに対応。チェーンやブレーキパッドは、常時大量在庫を確保。

  • メンテナンスに欠かせない、エンジンオイルを初めとした各種油脂類も常備。多くのメーカー、銘柄を揃え、ライダーそれぞれの要望に応える。

  • 店内にはSP忠男の主力商品であるマフラーも大量展示。もちろん、販売や取付け作業も行っているし、限定エンブレムなどの特典も見逃せない。

  • SP忠男 上野タイヤセンターでタイヤ交換を行うと、オリジナルのリムストライプ(2,625円)の貼付け工賃が無料になるサービスを実施中。

  • タイヤ交換時には、窒素ガスを無料で充填してくれる。窒素ガスはエア抜けしにくいため、空気圧調整のメンテナンス頻度が下げられる優れもの。