最近、バイクのラインナップを見ていてちょっと不満に思ってしまうことはありませんか？ 一昔前に比べると車種は少なくなっているし、仕方が無いとはいえ価格も上昇気味。欲しいものがなかなか見つからないな…と思ったら、視線を絶版バイクに移してみるのはいかがでしょうか。その中でも1990年代と言えば、国産バイクが名実共に世界トップクラスに登りつめた黄金期。現在のハイスペックなマシンたちも、源流をたどればこのころのモデルに行き着くことも少なくありません。しかも、全国的に絶版バイクの人気が高まっている中、90年代のバイクはチャンスとも言えるお買い得プライスになっています。あのころ胸をときめかした先進のスポーツバイクたちも、今なら手に入るのです！ 今回の特集ではそんな憧れの90’sを中心に、中古車平均相場50万円台のモデルをピックアップ。今こそ憧れの1台を手に入れる絶好の機会。さっそくチェックしてみましょう！
乗りやすさが魅力の
スポーツVツイン
90年代後半に流行したVツインスポーツの代表格。適度なパワーとバランスの良さで、絶妙なコーナーリングが楽しめます。ポジションもきつ過ぎず、ツーリングや街乗りでも使いやすいのも特徴です。2001年のマイナーチェンジでタンク容量が拡大されるなど数箇所に改善が加えられており、それ以降のモデルも予算次第で狙い目。また、国内仕様と逆輸入車があり、価格的には国内仕様の方がこなれています。
ハンドリングを愉しむ
コーナーリングマシン
エキサイティングなビッグツインとして、鋼管トレリスフレームに世界初の270°位相クランク並列2気筒エンジンを搭載。90°Vツイン同様の鼓動感を持つ、ストリートスポーツバイクです。路面のトラクションをつかみやすいライディングフィールが特徴で、乾燥重量188kgという軽量コンパクトなボディとの組み合わせにより、軽快なライディングが楽しめます。フロントブレーキにはブレンボを採用しているのもポイントです。
ハイパワーツインの
快感を堪能する
逆輸入車では125psを発生するハイパワーツインユニットを搭載したスポーツツイン。ちょうど1990年代後半はツインエンジンブームでしたが、その中でも群を抜いてパワフルなマシンといえば、TL1000Sだったのです。もちろん走りも強烈で、どちらかというと上級者に好まれた1台でした。エンジンの優秀さは折り紙付きで、後にイタリアのカジバ社へTLのエンジンを供給していた実績があるほどです。
世界最速の
スーパーツアラー
公道最速をテーマに開発された、カワサキのフラッグシップスポーツ。147psという強烈なパワーと、空力特性を徹底的に追求したフルカウルボディで300km/hという驚異的なスピードを叩き出しました。また、最高速モデルとしてだけではなく、ハイスピードツアラーとしての実力も高く、大柄な外観からは想像できないほどハンドリングもスムーズで扱いやすい。当時は高価でしたが、現在は半額前後で手に入ります。
迫力と力強さを体現する
ビッグマシン
開発プロジェクト名でもある「BIG-1」という愛称で呼ばれる、リッターネイキッドの代表車種です。バイクの迫力と力強さを体現した大柄なボディに、中低速を重視する設定の水冷DOHC4気筒エンジンを搭載。オーソドックスなスタイルとエキサイティングな走りで人気を博しました。現在発売されているCB1300SFの先祖と言うべきモデルで、乗りやすさや信頼性はさすがCBシリーズというべきもの。おすすめの1台です。
マッチョなボディの
パワー系ネイキッド
CB1300スーパーフォアの水冷直列4気筒エンジンを搭載したマッチョなネイキッドスポーツ。12.3kg-m/5,000rpmという強烈なトルクが生み出す加速が話題を呼びました。スタイルも既存のネイキッドとは違う筋肉質なイメージとなっており、同系統のエンジンを採用しながらも、CBとは違うワルっぽさが魅力。近年よく見られるスマート＆ハイパワーではなく、ゴツくてパワー派という男らしさが今見ても新鮮に映ります。
誰もが楽しめる
ナナハンCB
CB750と言えば、教習車としてお世話になった方も多いのではないでしょうか。最近CBシリーズ最後の空冷モデルとして、CB750の注目度が高まっています。扱いやすいマシンというイメージが先行していますが、空冷エンジンを積んだオーソドックスで美しいスタイルも再評価されはじめています。今は50万円代でも手に入りますが、高年式車では以前より価格が上昇傾向。今が気軽に手に入る最後のチャンスかも。
男らしさがほとばしる
スタイル
「男カワサキ」を強くイメージさせるリッターネイキッド、ZRX1100。GPZ1100をベースとした水冷DOHC4気筒エンジンは、全域でゆとりのあるパワーを発揮しスポーティなライディングを楽しめることで定評があります。1980年代前半のAMAスーパーバイクレーサーをほうふつさせるスタイルは、後継モデルであるZRX1200Rでも人気です。また、カスタムパーツのラインナップも多く、カスタムをしたいなら最適な1台です。
濃厚なBUELLワールドへ
誘ってくれる入門
少し予算を超えてしまいますが、50万円台の中古在庫が多いBUELL サイクロンM2は要注目。必要十分な装備を与えられたエントリーモデルとして、多くのライダーをBUELLの世界へと誘った1台です。リアショックにはWP製を採用し、パワーは抑えられているとはいえ83psを発生。国産車にはないライディングフィールは濃厚なもの。既存のネイキッドスポーツは一味違う、個性的なルックスも魅力です。
スポーツ性と
快適性を両立
BMWのフラットツインの中でも最も注目したいモデルとも言えるのがR11000RS。価格はほぼ底値となっていますが、性能的には現在でも十分通用するもの。高速巡航とワインディング走行のどちらもこなせる万能的な1台として、密かな人気があります。性質上走行距離が長くなっている車両が多いですが、純正パーツ供給は問題なし。エンジン寿命もかなりのロングライフを誇るので、まだまだ楽しめまるでしょう。
さて、いかがだったでしょうか。今回紹介した以外にも、「このバイクがこんな価格で！？」ということは多々あります。新型車が物足りないように思えたら、思い切って絶版バイクに注目すると、世界が大きく広がります。さらに寒い季節は全体的にバイクの価格が下がる時期。もしかすると、今こそチョイ古なビッグバイクを手に入れる絶好の機会かも知れませんよ。このチャンスに、欲しかったあのバイクを手に入れていませんか？