惜しまれつつも、排ガス規制の強化によって絶版となってしまったカワサキ ゼファー750/1100。
鉄フレームにツインショック、空冷マルチエンジンと、ジャパニーズスタンダードとも言える構成だ。
そのスタイルを、さらにノスタルジックな路線へと深化させるための、4本出しマフラーが登場した。
カワサキZ用の4本出しサイレンサーをゼファー750/1100に
レーサーレプリカが主流だった1989年に、カワサキから登場したのがゼファー(400cc)だった。鉄の丸パイプフレームにリアの2本ショックユニット、そして馬力が抑えられた空冷エンジンと、時代錯誤と言おうか、あるいは気の抜けたとでも言おうか、特筆すべきスペックを持っていなかったのだ。
だが、それが当時のライダー達の心を捉え、大ヒット作となったのである。それは他メーカーにも影響が及び、カウルを持たない“ネイキッド”が新たなジャンルとして定着する契機ともなったのだった。
カワサキ自身もゼファーの大ヒットを受け、また多くの要望もあったことから、より排気量の大きなバイクを送り出すことになった。それがゼファー750であり、ゼファー1100だったのだ。ゼファー750は、車格としては比較的コンパクトに仕上がっており、その点が男性のみならず、女性ライダーからも支持を得た。またパワーと車体のバランスがとれていたことから高い運動性能を持ち、ジムカーナの世界でも愛用者が多かったのである。ゼファー1100は、オーバーリッターバイクとして相応しい堂々としたスタイリングを持ち、また重量増に合わせてフロントブレーキが強化されるなど装備の充実も図られ、750、1100共にヒット作となったのだった。
いずれもカラーリングの変更や小改良を加えながらロングセラーとなり、また国内向けとしてはカワサキ最後の空冷ヨンパツでもあった。それはジャパニーズスタンダードとも言える形式であり、その源流となっているのが、カワサキZ1/Z2である。そのスタイリングを象徴する部分のひとつともなっているのが4本マフラーだ。威風堂々とした印象を受けるの大きな要素になっているのである。
カワサキZ1/Z2の雰囲気をゼファー750/1100にも与えるために企画されたのが、エムテック中京の『MRS』ブランドからリリースされた4本出しマフラーである。エキパイ部分をそれぞれの車種に合わせて製作し、サイレンサー部分は同社のZ1/Z2用が使われているのだ。ISO9001の認証を受けており、そのクオリティは純正以上。ノーマルマフラーと置き換えるだけで、スタイリングの変更が楽しめるのだ。
マフラーの数はノーマルの倍になるが、重量に関してはほぼ同等である。そのため、取り回しにおいても余計な力が必要となることはない。奏でられるサウンドも、重低音が強調された、いわゆる空冷ヨンパツらしいものとなるのも特筆すべき点だろう。
今後はこれまでのZ用パーツで培ってきたノウハウを活かし、MRSブランドとしてゼファーシリーズ用の『ノスタルジックパーツ(仮称)』を展開していく予定とのこと。マフラー以外でも、スタイリングの変化を楽しめそうだ。
MRSのブランドでZ1/Z2系やCB750系といった旧車系のリプロパーツを展開。ベテランの職人さんによる手作業から、3次元ベンダーによる最先端加工に至るまを手掛けている。
住所/三重県鈴鹿市矢橋町471-1
電話/059-383-8449
定休日/日曜日、祝祭日、土曜日のみ不定休
営業時間/9:00~18:00
装着車両の全方位スタイリングと細部チェック
実際に、ゼファー750にMRSの4本出しマフラーを装着するとスタイリングはどうなるのか? ここでは8方向から撮影した画像で見ていただこう。違和感なく収まっており、この状態がノーマルだと思っても決して不思議ではない。材質はスチールにメッキ仕上げ。ステーやバンド、ボルト類などが付属する。尚、センタースタンドの装着は不可となっており、マフラー装着状態でのオイル交換は可能だが、オイルフィルターの交換にはマフラーを取り外す必要がある。
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| KAWASAKI MRS 4本出しマフラー 価格/14万1,750円 BikeBros. ゼファー750シリーズ |