取材協力/エッチングファクトリー(冨士精密工業株式会社)  取材・文/佐賀山 敏行  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2015年7月15日

ラジエターやオイルクーラーにとって重要なパートである「コア」。アルミ製の薄いフィンで構成されており、走行中の飛び石や虫などでじつはとても潰れやすいという。これら冷却パーツの性能とルックスを維持するためにも、エッチングファクトリーのコアガードが重要な役割を果たすのだ。

Waht’s COREGURAD?

車両を購入した際に、まず
取りつけて欲しい必須パーツ

水冷エンジンを冷やすための必須パーツといえば、ラジエターである。ラジエターとは循環してきたエンジン冷却水を走行風を当てて冷やすためのパーツであり、ボディ前方に装着するのが定番。エンジンオイルを冷やすオイルクーラーも同様だ。しかし、この場所はラジエターやオイルクーラーにとっては、じつに過酷な環境にあるという。

 

ボディ前方、つまりフロントタイヤ後方にあることで、タイヤが巻き上げた石やタイヤカス、ときには虫など、あらゆる“ゴミ”がラジエターやオイルクーラーにぶつかってくるのだ。これら冷却パーツの大半を占めるのは「コア」と呼ばれるアルミ製の細いフィン。走行中に飛んできたゴミはコアをいとも簡単に潰してしまう。「まさか純正パーツがそんなに簡単に壊れることはないだろう」と思うライダーは多いだろう。しかし、現実としてコアは簡単に潰れてしまうものだし、運が悪ければ数kmの走行で大きな石がヒットして、水漏れをはじめとする致命的な故障となることもあり得るのだ。

 

さらにコアは潰れてしまうと、元に戻すのは非常に手間が掛かる。細いフィンひとつずつを手作業で戻さなければならず、当然、新車時のように美しい状態にするのは難しい。そう、フィンを美しく保つには、潰れてからでは手遅れ。ラジエターやオイルクーラーのコアを守るために対策をおこなうとすれば、新車購入時が最適だといえる。新車の最も美しい状態のときにこそ、コアをしっかりガードして、その美しさをキープして欲しい。

 

ラジエターやオイルクーラーはエンジンの冷却という、とても重要な役割を果たすパーツ。熱伝導率の高いコアが走行風(もしくはファンからの風)によって冷やされ、冷却水やエンジンオイルを冷やす。そのコアが潰れてしまったら、冷却性能に影響するということは容易に想像できるだろう。だからこそ、先述のとおりこれらのコアは新車時からしっかりとガードしたい。

 

そのためのアイテムこそが、エッチングファクトリーがリリースする「コアガード」である。もともとレーサーであった同社代表によって生み出されたコアガードは、まさに“必要”が生んだ逸品。その製造技術は非常に高く、モトGPに参戦するヤマハワークスマシンの専用ガードも手がけているほど。つまり、8耐やモトGPで培った技術が公道マシンに応用されているのだ。

 

その製品の特徴については、これまで何度か紹介したとおり。なかでも最大の特徴といえるのが、ガード中央と両端で網目の細かさが異なる点にある。タイヤからの巻き上げが多い中央部は網目を細かくしてゴミをしっかりとシャットアウト。両端は走行風がしっかりと当たるように粗くなっている。

 

エッチングファクトリーのコアガードには、ほかにも同社ならではの工夫と技術が採用されている。それが0.8mmという厚さ。

 

網目は粗くしすぎるとガードとしての役目を果たさず、細かくしすぎると製品自体の強度が弱くなってしまう。そこで網目を細かくしつつ強度を上げるには、ラジエターガード自体を厚くすれば良いのだが、厚い板に細かい穴を開けるのは高い技術を要すること。0.8mmのステンレス板にこれだけ細かな網目が入っているのは、じつは製造元である冨士精密工業で作られたものだけなのだ。ちなみに同社のレース用ラジエターガードの厚さは0.5mm。サーキットを数時間走るレース用とオーナーによっては数十年も乗り続ける公道用とでは、明確に仕様が分かれている。

 

アルミ製フィンは潰れやすく、洗車の際にゴミをゴシゴシと洗い流すことができないのだが、コアガードなら虫や泥はねなどをしっかり洗うことが可能。これも多くのライダーに喜ばれているポイントだ。

 

ラジエターやオイルクーラーはエンジン性能を守る、まさに縁の下の力持ち。だからこそ、エッチングファクトリーではそれらパーツを大切に守り続けてもらいたいと願っている。その想いを具現化したアイテムこそが、同社の技術が詰まったコアガードなのである。

PICKUP PRODUCTS

コアガードが“ある”と“ない”では
コンディションはここまで変わる!!

ラジエターやオイルクーラーには常にたくさんのゴミや飛び石などがぶつかってくる。そこでここでは実際にコアガードを装着している車両と装着していない車両を見比べてみたい。コアのコンディションが大きく変わっていることが確認できるはずだ!

2015年式YZF-R1のラジエターとオイルクーラーにコアガードを装着。タイヤの真後ろにあたる中央部分に多くのゴミが付着している。

コアガードを外した状態。タイヤカスと見られるゴミが付着しているが、コアが潰れている様子はない。しっかりガードされている。

先ほどと同じ2015年式YZF-R1で、こちらはコアガード未装着車両。ラジエターコアのあちこちが潰れているのが確認できる。

潰れたコアを再生するには、ひとつずつを手作業で修正しなけれなならない。手間が掛かるが、当然、新車時のような美しさには戻らない。

汚れたラジエターに光を当てて透かしても、光はほとんど入ってこない。コアにゴミが入ってつぶれ、均一でなくなっていることが分かる。

スーパースポーツなどのフルカウルモデルはラジエターが露出していないのだが、カウルの隙間からステンレスの高級感が存在感を放つ。

コアガードは整った網目の美しさも特徴のひとつ。ただのガードとしてでなく、ドレスアップ効果も十分に果たしてくれるのだ。

ラジエターやオイルクーラーが露出したVMAXでは、ドレスアップ効果はさらに顕著に現れる。“機能美”という言葉が相応しい逸品だ。

タイヤ後方はしっかりとコアを守り、両サイドは走行風を妨げない。2パターンの網目がコアガードの美しさを際立たせている。

10ラジエターガードとオイルクーラーガードはすべて車種専用。精度も高く、マシンフォルムを崩さずに取り付けることができる。

BRAND INFORMATION

エッチングファクトリー
冨士精密工業株式会社

住所/大阪府東大阪市金岡3-22-32
電話/06-6721-1509
営業時間/10:00-17:00
定休日/土曜日、日曜日、祝日

1974年創業。元々は電子部品に向けてのエッチング製品を製造していたが、現代表の竹見氏が現役のレーサーだったこともあり、バイク関連の製品を手がけるようになった。エッチングを用いたラジエター&オイルクーラーコアガードの先駆け的な存在。