取材協力/ヨシムラジャパン  取材・文/石橋 知也  写真/柴田 直行  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2017年1月31日

たった125ccの単気筒エンジンのミニバイク。けれども、このかわいいバイクに高性能なマフラーと電気デバイスを組んだだけで、走りは一変。ヨシムラがリリースしたZ125PRO用機械曲R-77SマフラーとBAZZAZでエンジンフィーリングは格段に良くなり、素晴らしくスムーズな加速を見せる。小さいだけに効果は抜群。ビッグバイクとは一味違った楽しい世界を体感させてくれる。

FEATURE

音質と抜けの良さはさすが。R-77Sはマスを集中化と
深いバンク角を狙ったコダワリの位置に装着

誰もがそう思う通り、カワサキ・Z125PROは、ホンダ・グロムの強力なライバルだ。すでにヨシムラはグロム用にマフラー、BAZZAZ(EFIの燃料調整などを可能にするサブコンピュータ)、キャブレターコンバージョンキットなどをリリースしていて、高評価を受けている。

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

ライバル車のZ125PROには、今回マフラー(フルエキ)とBAZZAZを用意した。ミニバイクにはビッグバイクとは一味違ったコアなファンが多く、このZ125PROに期待しているユーザーも多い。カワサキは独特のブランドでもあり、カワサキのスポーツネイキッドシリーズのデザインは、日本だけでなく欧米でも支持されている。

「このマフラーのサイレンサーはグロムと同じR-77Sです。もちろん内部構造は専用で、音や抜けの良さには自信があります。Z125PRO用では、出来るだけ内側に、そしてショートになるように取り付けました。バンク角を充分に確保し、マスを集中させるためです。」

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

マフラー開発担当の長谷部済さん(写真左)とBAZZAZ担当の磯野光朗さん(写真右)。「ビッグバイクでもミニでもやるべき事は同じです」と口を揃える。

車体が小さいから、重量物のちょっとした配置でハンドリングは変化するし、その影響はビッグバイクよりも大きい。R-77Sの取り付け位置は見事で、車体に沿い、なおかつ長くもなく、スタイリングが決まっている。

「本当はボルトオンが望ましいのですが、この車両では最適位置へのマフラー取り付けを優先し、ステーを出すためにフレームカバーの一部を加工しました。もちろん加工が誰にでも出来るようにテンプレート(型紙)を同梱してあります。」

ミニにもBAZZAZ。マップ変更で加減速は超スムーズに
トラクションコントロールやオートシフターも装備可能

そしてサブコンのBAZZAZだ。今やEFI車をチューニングする上で必須の電気デバイスだ。STDマップとBAZZAZが提供するマップを比較すると……

「A/F(空燃比)はSTDマップがやや濃いめで、BAZZAZマップは13.0:1近辺でチューニング用としては最適値ですね。パワーカーブを見てもトルク谷などがなく、下から上までスムーズな出力特性で、R-77Sマフラーとのマッチングは良好です。」

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

BAZZAZはUSBケーブルでPCに接続し各セッティングが細かく出来る。オプションのZ-AFMを購入すれば、走行中のA/F値を記録し、それをマップに生かすセルフマップ機能で自分だけのマップ作製も可能。キャブと違って手を汚さずセッティング出来る。

BAZZAZのマップはホームページから簡単にダウンロード出来る。ミニバイクにサブコンはちょっと贅沢という声もあるが、キャブのセッティングに当たるEFIでのA/F調整は最良の状態を出すには必須だ。

この良さは乗ればすぐに体感出来る。R-77Sサイクロンの素晴らしさはSTDマップでもわかるが、BAZZAZマップだとさらに良さが引き出だせるのだ。このA/Fセッティングは、BAZZAZを使いこなせば、それこそマップの種類は無限にあるといっていい。Z125PROがさらに楽しくなってくること間違いなしだ。

IMPRESSION

スムーズな加減速特性に。高回転域で一段と伸びる!!
お薦めはBAZZAZマップ

ともかく実際に乗ってみなければ話にならない。アイドリング時からマフラーの小気味良い音にニヤリとする。やはりSTDとは違う。たった125ccなので極低回転域のトルクの細さを心配したが、発進もスムーズ。気を遣う必要はない。

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

トルク&パワーのアップは数値上では僅かなのだが、発進から加速に移り、エンジン回転上昇が非常にスムーズだ。スロットルを開けた分、どんどん加速していく。交通の流れの乗るどころか充分にリード出来る。Z125PROは4速ミッションで、4速は少しオーバードライブ気味とSTD車では感じるのだが、ヨシムラ車では4速に入れても加速も充分してくれて楽だ。何よりどのギアのどの回転域でもスムーズでトルクを感じる。

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

マップの違いも明確だ。R-77SサイクロンはSTDマップでもSTDマフラーより音も加速も良いが、BAZZAZマップだとさらにスムーズで、その良さが生きる。特に3、4速での高回転域での車速の伸びがBAZZAZマップは良い。これはパワーカーブ通りのパワーアップを実感する所だ。加速ばかりではなく減速特性もBAZZAZマップの方がスムーズでエンジンブレーキも効き過ぎないし、変なアフターファイアーもない。この違いを知ると、BAZZAZは絶対に欲しくなる。

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

左スイッチ横に装着されたトラクションコントロール調整スイッチ(左。10段階調整)とマップ切替スイッチ(右。上下に動かし2種類選択可能)。どちらもオプションだが、あると非常に便利。特にマップ切替スイッチは走行中でもマップが選択出来るので実戦的だ。

オートシフターは残念ながらSTDステップには取り付けられないが(シフトスイッチが付かない)、今回のマシンのように、シフトスイッチを取り付け出来る長さのシフトロッドを持つステップキットならO.K.だ。Z125PROは大型スーパースポーツのようなクロスミッションではないから、点火間引きの間隔を大きめにセッティングしてあったが、それでも気になるシフトショックもなく、クラッチ操作の無いシフトアップは気持ち良く決まる。

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

STDステップにはシフトロッドがないため取り付けできないが、写真のようなステップキット(社外品)ならオートシフターが装着できる。BAZZAZオートシフターのシフトスイッチは高精度のひずみゲージを使用。シフトフィーリングはダイレクト感があり最高だ。

また、トラクションコントロールもメインユニットがZ-Fi TCならば使える。滑りやすい路面での安心感はもちろん、上手くセッティングすれば曲がるため(二次旋回加速時)にも有効。スポーツライディングやサーキット走行では武器になるはず。

こうして乗ってみるとヨシムラチューンのZ125PROの面白さに魅了される。やはりマフラーと燃調だ。パワーも車体も小さいミニバイクだからこそ、この違いが大きい。何よりヨシムラマフラーを装着したスタイリングの良さと音質は格別。思わずニヤリなのだ。

DETAILS

写真のマフラーは
●SMC (メタルマジックカバー/カーボンエンド:6万7,500円・税抜)
●SSC (ステンレスカバー/カーボンエンド:5万9,500円・税抜)
●STC (チタンカバー/カーボンエンド:6万4,500円・税抜)
●STBC (チタンブルーカバー/カーボンエンド:6万9,500円・税抜)
の4種類。

マフラー取り付けステーはフレームカバー後端の一部(タンデムステップ前側)を切り取って装着する。この加工を簡単に正確に行えるようテンプレートがマフラーに付属する。この加工はZ125PROの構造上仕方がない。これでマフラー本体が理想的な位置に来る。

フルエキのエキパイはステンレス製。走行中の空燃比を測定するZ-AFMを追加装備することで、自分の自走に合ったA/Fマップを作ることが出来る。A/Fを記憶出来るのは3,000rpm以上、スロットル開度5%以上だ。Z-AFMを使用する場合は、付属のA/Fセンサーを装着(A/Fセンサーボス別売。エキパイへの取付加工が必要)。

BAZZAZのメインユニットはシート下に収納可能。写真はZ-Fi TC(燃料調整・トラクションコントロール・オートシフター機能付き:11万円・税抜)。オートシフターだけ使う場合はQS4 USB(オートシフター機能のみ:5万4,100円・税抜)もある。もちろんお薦めはZ-Fi TCだ。

ヨシムラのPRO-GRESS1メーターはコンパクトなテンプメーターで、このZ125PRO場合はドレンボルトにセンサーを装着して油温を表示する。これは見やすくて便利な装備。メーター関係が大型化している最近のバイクには、このサイズなら取り付け場所に困らない。

メーター上のブルーライト(LED)はTCアクティブブルーライトで。トラクションコントロール作動時に点灯。トラクションコントロールは手元スイッチ以外に、PC上(BAZZAZソフト)で点火カットレベルをスロットル開度、エンジン回転数、ギア毎で設定可能だ。

LINE-UP

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

KAWASAKI Z125PRO(2016)
機械曲R-77S サイクロンカーボンエンド EXPORT SPEC 政府認証

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

KAWASAKI Z125PRO(2017)
Z-Fi TC
 

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

PRO-GRESS1 テンプ・ボルトメーター

125ミニを変貌させるヨシムラのマフラーとサブコンの威力

PRO-GRESS2 マルチテンプメーター

MOVIE

Z125PRO R-77Sサイクロンカーボンエンド
スタイリングとサウンドを動画でチェック

Z125PRO R-77Sサイクロンカーボンエンドのサウンドとスタイリングを動画で見てみよう。

BRAND INFORMATION

ヨシムラジャパン

1954年に活動を開始したヨシムラは、日本を代表するレーシングコンストラクターであると同時に、マフラーやカムシャフトといったチューニングパーツを数多く手がけるアフターマーケットメーカー。ホンダやカワサキに力を注いだ時代を経て、1970年代後半からはスズキ車を主軸にレース活動を行うようになったものの、パーツ開発はメーカーを問わずに行われており、4ストミニからメガスポーツまで、幅広いモデルに対応する製品を販売している。

住所/〒243-0303 神奈川県愛甲郡愛川町中津6748
電話/046-286-0321