取材協力:SP忠男 取材・文・写真/淺倉恵介 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

掲載日:2012年8月22日

愛車のカスタマイズで、まず手を付けたいのはやはりマフラー。スクーター用マフラーも様々なキャラクターを持つ製品が存在しているわけだが、その決定版とも噂される究極の一本がSP忠男からリリースされた。それが、今回紹介する「ピュアスポーツ・ゴールドエンブレム」だ。

 

ゴールドエンブレム最大の特徴は、エキゾーストパイプにバイパスパイプが設けられていること。エキゾーストパイプ同士をバイパスパイプで繋ぎ、意図的に排気干渉を起こさせることでマフラーの特性をコントロールするのは、マフラーの設計手法として一般的。バイパスパイプの設置は、トルク特性の向上に有効な手段として知られている。だが、それはあくまで4気筒エンジンなどマルチシリンダー用と考えられてきたものであり、小排気量スクーターの単気筒エンジンに使用された例は見当たらない。しかし、SP忠男ではバイパスパイプ付きマフラーの開発に挑戦。その結果、かつてない優れた出力特性を持つマフラーの開発に成功したのだ。常識にとらわれない自由な発想力が生み出した、SP忠男ならではのマフラーと言えるだろう。

スペシャルパーツ忠男

元モトクロス全日本チャンピオン“忠さん”こと、鈴木忠男氏が率いる老舗パーツメーカー。主力商品であるマフラーは、性能アップするのは勿論だが「実際に走って、どれだけ楽しいか?」を考えて作られており、乗り手の感性に訴えかける乗り味の高さが好評。

住所/東京都台東区北上野1-7-5
電話/03-3845-2010
営業時間/11:00~19:00
定休日/毎週水曜日、毎月第3火曜日

 

これがゴールドエンブレムの心臓部ともいえるバイパスパイプ。SP忠男の独自機構、エキゾーストパイプが輪を描く「ループエキゾースト構造」があって初めて実現した構造だ。

インプレッションライダーは原付RIDEスタッフが担当。実際の使用条件を想定し、市街地及び幹線道路を使用しての試乗を行った。走行ルートは固定として、なるべく同条件下で公平な評価を心がけた。

今回は、実際にピュアスポーツ・ゴールドエンブレムを装着した車両で実走インプレッションを行った。テスト車両はホンダのPCX。完全新設計となったeSPエンジンを搭載したニューモデルである。まずは、ノーマルを試乗。新型エンジンが搭載となったわけだが、外観上は従来モデルとの違いは殆ど判らない。エアクリーナーボックスに追加された「eSP」のロゴマークが、新型であることをわずかに主張しているくらいである。では走りはというと、先代と変わらずキビキビと加減速し、十分に道路の流れをリードすることができる。好評のアイドリングストップ機能も健在、やはりベストセラーのモデルチェンジだけあって完成度が高い。ただし、40km/hから50kmhといった速度域でトルクの谷が存在するようで、車速のノリが若干悪くなるところが気になった。

 

次は、マフラーをゴールドエンブレムの”S”タイプに交換しての試乗である。ゴールドエンブレムは「S」と「サイレントバージョン」の2つ異なったサイレンサーを選択可能。”S”タイプは、スポーティなコンパクトタイプのサイレンサーを装備するバージョンである。静止状態からスロットルを開き、回転が上がりクラッチが繋がった瞬間からトルクアップしていることが体感できる。とにかく回転上昇がスムーズで速度のノリが良い。さらに60km/hから上の高回転域も明らかにノーマルを上回るパワーを発揮している。軽快なPCXの走りを、さらに軽やかにしてくれる。これは愉快だ。またノーマルで感じられたトルクの谷だが、平地では意識していないとその存在を忘れてしまう。さすがに上り坂ではトルクの谷に気付かされたが、それでもノーマルから比べるとかなり改善されているのだ。マフラーを交換しただけで、吸気系をリセッティングしたわけでも、駆動系に手を入れたわけでもない。それで、これだけ変わるのだから驚かされる。

 

さらに「サイレントバージョン」を試してみる。これは、ネーミングに”サイレント”とある通り排気音量を抑えた仕様。日常のアシとして使われることも多い125ccクラスのスクーターだけに、煩いマフラーは敬遠したいという人も少なくないだろう。特に通勤・通学などで早朝や深夜に走ることがあるのなら、静粛性は重要な選択基準になる。とはいうものの、実は”S”タイプが煩いマフラーというわけではない。アイドリング時は、ノーマルとほとんど変わらない音量だ。ただ、音質が単気筒エンジンらしいパルス感の利いたものなので、スロットルを大きく開いた加速時には、やはりスポーツマフラーらしいサウンドとなる。それでも、音量は当然、法規制の範囲内に抑えられた政府認証マフラーである。

 

さて、そこでサイレントバージョンである。アイドリングは”S”同様に静か。そして興味深いのが加速時である、さすがにノーマルよりは若干音量が大きめになっているが、排気音が角の取れたまろやかな音質に変えられているもので、耳に優しく感じられる。かなりジェントルなので「サイレントバージョン」の名は伊達ではないということか。また、パワー特性についてだが、”S” とサイレントバージョンで性能の差はないとのこと。

 

上がサイレントバージョンのサイレンサーで、下が”S”のサイレンサー。見ての通り、サイレンサー径が大きく異なり、シェル長も若干サイレントバージョンが長い。容量の差は外観からも歴然だ。

だが、サイレンサーの容量が異なるので、厳密には同一ではない。実際に乗り比べての感触は、高速域のピックアップには”S”に軍配が上がり、中速域のスムーズさはサイレントバージョンが勝るといったところ。だが、その差は僅かなので、どちらが高性能ということはない。個人的には静かでスムーズなサイレントバージョンが気に入った。これなら深夜の帰宅も、ご近所への騒音を気にせずに済む。これは素晴らしい。

ユニークな構造を持つゴールドエンブレムだが、なぜこのような常識外れというべきマフラーが生まれたのだろうか? SP忠男でマフラー開発を担当する大泉氏にゴールドエンブレム誕生の経緯を伺うことができた。

 

「ある単気筒スポーツバイクのマフラーを開発していた時、ノーマルマフラーの完成度が高くて何をやってもノーマルを超えられないということがありました。エキゾーストパイプの径を変えたり、長さを変えたり、サイレンサーの構造や容積を変更したり… 思いつくことは全部やりましたがそれでも性能が上がらない。ほとんどヤケになって『バイパスでも着けてみれば?』ということになったのですが、それが大当たりだったんですね。単気筒エンジンのマフラーにバイパスパイプが有効だとは、私たちにとっても新しい発見でしたね。」

 

また、SP忠男にはエキゾーストパイプが輪を描く、独自のパイプレイアウト「ループエキゾースト」がある。このループエキゾーストの存在がゴールドエンブレムの製品化を後押ししたようだ。

 

「SP忠男のスクーター用マフラーの特徴となっているループエキゾーストも、元はと言えば苦肉の作だったんです。エンジンがユニットスイング式のスクーターは、一般的なバイクよりエンジンの搭載位置が後ろにあります。そのため、エキゾーストパイプの管長を十分にとるのが難しい。あるスクーターのマフラーを開発している時に、性能を上げようと様々なパイプレイアウトを試していたら、エキゾーストパイプが車体後方に飛び出すくらい長くなってしまったんです。長いパイプのままではパワーは出ても走れない、エキゾーストパイプを短くすると性能が落ちる。『じゃあ、丸めてしまえ!』と考えて生まれたのがループエキゾーストだったんです。パイプが輪を描いているおかげでバイパスパイプも作りやすかったわけですし、ループエキゾーストの存在が無ければゴールドエンブレムも生まれてこなかったかもしれませんね」

 

SP忠男のマフラーは、常に日常での楽しさを追求しているという。スクーター用マフラーでも、そのポリシーは変わらない。

 

「ゴールドエンブレムの開発コンセプトは『通勤を楽しくしたい』なんです。125ccのスクーターは日常のアシに使われることが多いですよね? そんな毎日乗るものだからこそ、走りを楽しくしたい。憂鬱な通勤路も、バイクで走っている時間だけでも楽しく過ごせれば良いなあ、と思いませんか? そういう走るのが楽しいマフラーに仕上げたつもりです。またこれはユーザーさんからいただいた情報なのですが、ゴールドエンブレムを装着すると燃費が良くなるそうなんです。これは低中速域のトルクが太く、スピードの乗りが良いため、無駄にスロットルを開かなくなることが理由のようです。造り手としては想定外の効果ですが、経済性の面でも喜んでいただけているのは嬉しいですね。」

 

ゴールドエンブレムは新型PCX用以外に、旧型PCX用、アドレスV125S用がラインナップ。また、シグナスX用が近日発売予定だ。

スペシャルパーツ忠男
大泉 善稔さん

SP忠男のマフラー開発を統括。絶対性能より感覚的な走りの楽しさに重きをおいた独自のマフラー開発哲学を持ち、数々の名作マフラーを世に送り出してきた。かつてはモトクロスやエンデューロに熱中。もちろんオンロードバイクへの造詣も深い、SP忠男マフラーのキーマン。


 

スズキ アドレスV125S 2010~モデル対応
PURE SPORT-S SUS ゴールドエンブレム
\68,040~

アドレスV125S用ゴールドエンブレムは、サイレントバージョンやチタンブルーサイレンサーもラインナップ

 

ヤマハ シグナスX125 2008~モデル対応
PURE SPORT SV ゴールドエンブレム
\68,040~

シグナスX125用ゴールドエンブレムは、"S"タイプやチタンブルーサイレンサーもラインナップ

SP忠男のビッグバイク用マフラー スーパコンバット ピュアスポーツは気密性に優れた一体構造が特徴。その流れをくむゴールドエンブレムも、エキゾーストパイプは複雑な形状を持ちながら一体構造を採用。部品点数が少なく、精度も高いので装着は比較的難易度が低い。メカいじりに興味があるなら、マフラー交換にチャレンジしてみるのも面白い。楽しいDIYカスタマイズの世界に飛び込もう!

 

これはPCX用ゴールドエンブレムの全構成パーツ。マフラー交換に必要な部品は、エキゾーストガスケット以外の全てが揃っている。

 

これはSP忠男でPCXのマフラー交換を行う時に使用する工具。10mmと14mmのボックスレンチ、8mmと6mmのヘックスレンチ、10mm/12mmのメガネレンチ、ラチェットレンチやユニバーサルソケットは、あると作業性がが大幅に向上する。

SP忠男ではインターネット上でダイレクトストアを展開中。ネット購入者だけのおトクな購入者特典も多いので、SP忠男製品を手に入れるのなら、SP忠男ダイレクトストアがオススメだ!

   

SP忠男ダイレクトストアでSP忠男製マフラーを購入すると、なんと取付け工賃が無料。しかも、世界中どこでもSP忠男のメカニックが出張取付けに対応してくれる。出張取付けを希望する場合は、マフラー購入時に「出張取付け希望」と申し出ること。なお、出張取付け時の交通費はユーザーの負担となるので注意しよう。   マフラーを交換すると、ノーマルマフラーが不要となってしまうが、SP忠男ダイレクトストアでマフラーを購入した場合、不要になったノーマルマフラーを無償で回収してくれるマフラー出張取付けを依頼すればマフラー交換時に回収してくれるし、それ以外はSP忠男上野店にマフラーを送ればいい。その際の送料はユーザー負担となる。  
   
   

SP忠男ダイレクトストアでのマフラー購入者限定サービスとして『ダイレクトストア限定エンブレム』が用意されている。カラーは赤と青の2タイプ、プレミア感抜群のエンブレムで差をつけろ。

 

 

   

 

アドレスV125 ~2008モデル対応

 

アドレスV125 2009~モデル対応

 

アドレスV125S 2010~モデル対応

 

PCX125 ~2011モデル対応

PURE SPORT-Sチタンブルー
\94,290~

PURE SPORT-Sステンレスサイレンサー
\62,790~

サイレントバージョン ステンレスサイレンサー
\62,790~

 

PURE SPORT サイレントバージョン ポリッシュSUS
\62,790~

サイレントバージョン チタンブルー
\94,290~

"S" ポリッシュSUS
\62,790~

"S" チタンブルー
\94,290~

 

PURE SPORT-S チタンブルー
\94,290~

PURE SPORT-S ステンレスサイレンサー
\62,790~

サイレントバージョン ステンレスサイレンサー
\62,790~

 

PURE SPORT
サイレントバージョン チタンブルー

\94,290~

 

PCX125 ~2011モデル対応マフラーは、ゴールドエンブレムと通常のピュアスポーツの両方がラインナップ。サイレンサーの仕様も選べるので、詳しくはSP忠男ダイレクトストアで

シグナス X 2008~モデル対応

 

BW’S125 2008~モデル対応

 

アクシス トリート 2008~モデル対応

   

PURE SPORT-S ポリッシュSUS
\62,790~

 

シグナス Xは現行モデル用で各種仕様有り。また、台湾モデルや~2007モデル用マフラーも豊富にラインナップ。詳しくはSP忠男ダイレクトストアで

 

PURE SPORT サイレントバージョン
\62,790~

 

PURE SPORT-S ポリッシュSUS
\62,790~