取材協力/パパコーポレーション  記事元/モトメンテナンス編集部
※この記事は雑誌『モトメンテナンス』124号 P14~15に掲載された内容を再編集したものです
※記事の内容は雑誌掲載当時のものです(モトメンテナンス 124号 2016年2月16日発売)
掲載日/2016年8月31日

バイク好き、自動車好きのあいだで話題のケミカル「スーパーゾイル」シリーズ。数多くの愛用者がリピーターになっている事実こそが、同シリーズ商品の性能や効果を実証していると言っても過言ではない。新車はノーメンテナンスではなく「新車だからこそメンテナンス実践」することで、後々のマシンコンディションに大きな違いが出るものだ。このコーナーでは、高性能ケミカルを利用しメンテナンスすることで、マシンコンディションをさらに良くしようと考えている。エンデューロレースやオフ走行を楽しんでばかりのKLX125は、当コーナーでメンテナンスしてはいるものの、何しろ走る頻度が多いため、明らかなメンテナンス不足と言わざるを得ない。マシンを押し歩き、ブレーキレバーを握った時にステアリングからは違和感が……。度重なる転倒によって、ステアリングステムベアリングが緩んでいるのかも知れない。増し締めがてら、グリースアップしてみようと思う。

前回のメンテナンス時には、前後ホイールのハブベアリング(ホイールベアリング)にグリースアップを行った。その作業中に気が付いたのが「ダストシールリップの完全摩耗」だった。メンテナンス当日に、ダストシールの予備部品があるわけなく、マシンオーナーには「頻繁にタイヤ交換しているみたいだから、次のタイヤ交換時には前後ハプのダストシールを交換しないとダメだぞ」と申し送りしておいた。いくら高性能グリースを使ってグリースアップしても、ダストシールが摩耗していてドロ水が容易に入り込みやすい環境だと、本来の潤滑性能は当然ながら維持できない。僅か数百円の出費とメンテナンス時間を割かなかったために、山奥の林道でホイールロック!! なんてことも考えられる。林道系サバイバルツーリングが大好きなバイクファンの車両各部を見れば、メンテナンスが行き届いている様子を窺い知ることができる。獣道を走ってきても無事帰宅できるのには、必ず理由があることを忘れてはいけない。林道であれアスファルトであれ、ツーリングが大好きだと自称するライダーなら、まずは定期的なメンテナンスを確実に実践することである。

ここでは、普段は見落としがちなステアリングのベアリング、通称「ステムベアリング」へのグリースアップを実践しよう。その前に、エンジンオイルが汚れていたことに気が付いたのでオーナーに訊ねると、前回のオイル交換から3,000km弱走ったそうだ。そのためオイル交換も行うことにした。エンジンオイルはマシンオーナーから10W40のバイク規格用商品を預かったので、そのエンジンオイルにスーパーゾイル・エコを添加し利用した。オイル交換タイミングには諸説色々あるが、普通車よりも軽自動車の方が頻繁にオイル交換した方が良いのと同じように、水冷の大型車よりも空冷の原付2種の方がしっかりオイル管理しておきたい。小排気量が故に普段からエンジンを回して使い、街乗りがメインなので信号待ちが多い=ゴーアンドストップを多用するため、エンジンオイルの劣化は小排気量車の方が確実に早い現実があるのだ。

特に、通勤ユースで4ストエンジンのスクーターを利用している場合は、気が付いた時にはエンジンオイルがほぼ空っぽ!? ドレンプラグを抜いたのに数滴しか出て来なかった!? なんてケースが意外にも多い。こんな状況には十分な注意が必要である。オイル交換時には一気に指定量を注入するのではなく、指定注入量の8~9割程度入れてからエンジン始動し、その後、オイル量をゲージで確認して不足分を注ぎ足すのがベターなやり方である。

ドロンコ汚れは固着する前に洗い流してしまうのが一番だが、なかなかそうは行かないのが現実だろう。高圧洗浄機を利用することでエンジン下回りや足周りのドロ汚れは効率良く落すことができる。

エンジンオイルも汚れていたのでこの機会(ついでに)交換しておいた。「ついで」のメンテナンスがバイクコンディションを保つ鍵である。KLXのオイルドレンは左側にある。

スーパーゾイル・エコはオイル要領に対して5%の添加でエンジン内部をトリートメントする効果がありパーツの長寿命化に大きく貢献する。エンジンオイルは10W40を使用した。

通常のオイル交換時のオイル量は約900ccなので、その5%だけスーパーゾイル・エコを注入。今回の添加量はおおよそ45cc。エーパーゾイル・エコの200mlボトルなら4回は利用できる。

オイル注入量の8~9割程度入れてからエンジン始動。30秒程度アイドリングさせたらエンジン停止しオイル量を確認。カワサキはフィラーを締め込んで点検しよう。不足分を追加注入。

【ここに注目!!】

メンテナンス時の車体姿勢によってはバイクが安定しないことがある。そんなときには不要になったタイヤチューブを輪切りにして強い輪ゴムを作り、ブレーキレバーを引いた状態で固定しよう。ステアリング周りのメンテナンス時には有効だ。

SUPER ZOIL ECO for 4cycle
200ml◎6,800円税別  320ml◎9,800円税別

エンジン各部に発生する摩擦熱に反応し、摺動面に金属化合物を成形するのがスーパーゾイルの特徴だ。これにより金属表面改質再生効果が現れ、エンジンパーツのライフアップに貢献。優れた油膜特性によって摺動抵抗が低減される。顕微鏡レベルで見ると、ただれていた金属表面がツルツルに改質再生される様子がわかる。摩擦熱の発生が抑制されるため、エンジンオイルの劣化速度も低下。オイル交換サイクルを延ばすことも可能になる。

ステムベアリングのグリースアップに関しては、今回はベアリング交換する訳ではないので、足周りを全バラにせず、なるべく分解しないでグリースアップできるような作業手順を試みた。オフ車用のメンテスタンドにバイクを載せて前輪ブレーキを固定することで、写真解説のようなグリースアップが比較的容易に実践できるようになる。特に注意すべきポイントは、グリースの塗布時にベアリングローラーの上っ面だけに塗るのではなく、リテーナーの隙間にグリースを押し込むように作業することだろう。常時回転する場所ではないが、グリース切れによる影響を受けやすく、ハンドリングに多大な影響を与える部分なので、しっかり確実にグリースアップしておきたい。

スーパーゾイル・グリースなら、耐圧性能や水分に対して極めて強い湿潤A級にランクされているので、特に、オフロードユーザーにはお勧めの商品だ。比較的柔らかいグリースだが、乳化しにくいためグリースが洗い流されにくい特徴を持っている。高性能なリチウム石けん基ベースのグリースにスーパーゾイル成分を添加しているため、摩擦熱と反応しで金属表面を改質再生する効果を発揮する。耐摩耗性の向上や摺動抵抗の低減に大きく寄与する高性能グリースで評判が高い。

今回のグリースアップ作業は、入門レベルの内容ではないかも知れないが、バイク仲間に手伝ってもらうことでメンテナンス中のバイクが安定し、間違いなく作業性が良くなる。パイクメンテはステップアップすることで、また違う世界を楽しめるようになるのだ。難しいとは思わず、工具を準備してステムベアリングのグリースアップにチャレンジして頂きたい!!

今回はベアリング交換ではなくあくまでグリースアップを目的にするため、フロント周りはASSY分解してみる。果たして可能なのか否かは、この段階ではまだわからない……。

フロントブレーキレバーを輪ゴムで固定してからエンジン下のオフ車メンテスタンドを支点にリア周りを持ち上げて前輪を確実に接地させる。こうすることで安定作業が行える。

トップブリッジを締め付けるボルトを弛めてナットを外し、ハンドルグリップを持ち上げてトップブリッジをASSYで抜き取る。継ぎにアジャスタブルフックレンチでステムナットを弛める。

フロントブレーキで前輪を固定していれば動き出してしまうことなくアッパーベアリングを抜き取ることができる。グリースは最低限必要量のみ塗布されていた。不利すぎも良くないが……。

ロックされている前輪をゆっくり前へズラすことで、三つ叉のステムシャフトが下がってロアー側のベアリングが無卆する。上下ともにテーパーローラーベアリング仕様だ。

パーツクリーナーでグリースを洗い流し、新たにグリース塗布することにした。走り込んだバイクはベアリングリテーナーの隙間に汚れが詰まっているので徹底洗浄しよう。

目視確認できないのでロアー側、下向きに圧入されているベアリングのアウターレースは指先で打痕の有無を確認しよう。拭く現時にはアウターレース側へもグリースを塗布する。

ロアー側テーパーローラーベアリングはステムシャフトに圧入されているのでグリースの塗布が難しい。指先でローラー表面に塗るだけではなく、リテーナーの隙間に押し込むように塗ろう。

アッパーベアリングは単品なのでしっかりグリースを押し込もう。グリースパッカーという専用工具があると確実かつ作業は楽だが、無いときには手のひらにグリースを載せ、ベアリングをしごくように隙間へ押し込もう。

アッパーベアリングのアウター摺動面をウエスで拭き取り点検しよう。一切のキズは無くコンディションは良好だ。打痕があるときには迷わず新品ベアリングに交換しよう。

グリースを塗布したら復元開始。今回は単なるグリースアップでベアリング交換していないので問題はないが、新品レースに打ち替えたときにはまず40Nmで強めにベアリングを締め付ける。

一度強く締めてからトップブリッジを差し込み(ボルトは締め付けないフリーのまま)、ステアリングが左右のストッパーまでスムーズに作動するところまで序々にステムナットを弛める。

SUPER ZOIL GREASE
スーパーゾイル・グリース(リチウム石けん基)
ソフトチューブ入り100g◎税別2,200円

-35~+130℃の幅広い温度条件下で安定性能を発揮。水分に対して乳化しにくい特性のため劣化に強く長時間安定した潤滑性能を保持する。スーパーゾイル成分によって金属表面を平滑にし、グリースが強く付着保持されるため、消音効果と同時に泥や水の侵入も防ぐ効果を持つ。それらの特性により高い防錆効果も同時に発揮する頼もしいグリースだ。

激しい走り!? という訳ではなく、おそらく定期点検では間に合わないほど走っているため、今回もドライブチェーンからはキコキコ音が聞こえた。サイドスタンドのピボット部分もグリース切れが続くとあっと言う間にガタが出て、停車時の車体の傾きが大きくなってしまう。グリーススプレーを吹付けておいた。