取材協力/パパコーポレーション  記事元/モトメンテナンス編集部
※この記事は雑誌『モトメンテナンス』123号 P14~15に掲載された内容を再編集したものです
※記事の内容は雑誌掲載当時のものです(モトメンテナンス 123号 2015年12月16日発売)
掲載日/2016年4月13日

バイク好き、自動車好きのあいだで話題のケミカル「スーパーゾイル」シリーズ。数多くの愛用者がリピーターになっている事実こそが、同シリーズ商品の性能や効果を実証していると言っても過言ではない。新車はノーメンテナンスではなく「新車だからこそメンテナンス実践」することで、後々のマシンコンディションに大きな違いが出るものだ。このコーナーでは、高性能ケミカルを利用しメンテナンスすることで、マシンコンディションをさらに良くしようと考えている。最近、エンデューロレースに参戦したKLXは、降雨に泥んこなど関係無く元気良く走っている。ここでは、走り込み直後のバイクをメンテナンス。ホイールベアリングへのグリース封入の重要性を改めて知ることができた。さぁ、あなたも自分自身の手で「バイクいじり」を楽しもう!!

日常メンテナンスのひとつとして極めて重要なエンジンオイル交換。ビギナーライダーでも愛車家ならば、誰もがその重要性を理解していると思う。一方、車体関係のメンテナンスでは、ドライブチェーンへの注油や遊びの調整が知られており、タイヤ溝の減り具合を日頃から確認しているライダーも多いはずだ。

しかし、グリースアップに関しては、その言葉は知っていても、実際に体験したり、実践したことがあるビギナーライダーは少ないのではないか?(ベテランでも実は?) 車体各部にある摺動部のほぼすべてがグリースアップポイントだが、ここで質問、「あなたはどの部分にグリースアップしたことがありますか?」。オイル交換は極めて重要な作業だが、バイクを長年に渡ってコンディション良く保つという意味では、オイル交換と同等、いゃ、状況によってはそれ以上に重要なのがグリースアップだと断言できる。

SUPER ZOIL GREASE
スーパーゾイルグリース
ソフトチューブ入り100g◎税別2200円

高性能グリースに添加されたゾイル成分が耐摩耗性に優れた金属化合物を形成し、1000kgに及ぶ摩擦圧力の中でも潤滑性能を維持するスーパーゾイルグリース。摂氏マイナス35℃~130℃の高温下でも使用でき、酸化・劣化が少なく湿潤性能でもA級にランクされる。長期に渡って安定性能の維持が期待できる。

ホイールベアリングのメンテナンスに関係無く、タイヤ交換時などでホイールを取り外したときにはダストシールのコンディション確認が重要だ。リップ内部にまでドロが侵入していてはNG!!

ここでは前後ホイールのハブベアリング(ホイールベアリング)にグリースアップを行うが、今回「ホイールベアリングにグリースアップしなくては!!」と思った理由は、ここ数ヶ月で、何度か雨中林道ツーリングやエンデューロレースにエントリーしていたとマシンオーナーから聞いていたからだ。その間に前後タイヤはエンデューロ仕様に交換されていた。しかし、どうやらハブベアリングやアクスルシャフト周辺へのグリースアップは実施されていないようなのだ。

早速、メンテナンススタンドで前後ホイールを持ち上げて効率良く取り外すと、案の定、ホイールカラーはダストシールに対してスポスポ状態。ダストシールリップの抵抗感がほぼ無い状況だった。さらにダストシール内部を確認すると、ベアリングの抜け止めサークリップにはサビが発生。ダストシールの中にも乾燥したドロが詰まっていた。

ダストシール本体もこのアリサマだ。明らかに潤滑不足=防錆不足である。前回のメンテナンス時から作業までのあいだに何度かドロンコ走行していたそうだが、その影響である。

汚れを除去したダストシールにカラーを差し込むと接触感が無くスルスル回る。オフ車のダート走行が多いオーナーさんは、定期的なグリースアップと交換用ダストシールをストックしておこう。

ダストシールに刺さるサイドカラーのコンディションも確認してみよう。カラー外周側面にダストシールリップのゴム片が焼き付いていたとすれば、それは潤滑性低下の証と考えよう。

シール性低下の予測は当たり。ベアリングの抜け止め用サークリップが真っ赤にサビ始めていた。雨中走行やダート走行後はホイールをバラしてダストシールにグリースアップしよう。

結論としては、ダストシールの賞味期限切れ=摩耗により、ダストシールの役割をせず内部にドロが入り込んでしまっていたのだ。今回は手元に交換用ダストシールが無かったのでグリースを多めに塗布し復元したが、今後過走行になる前の近日中に、前後ダストシールは要交換である。オーナーにお話すると、近々、ドライブチェーンを交換する予定なので、その際にダストシールも交換するように申し送りした。

さて、今回はハブベアリングへグリースアップを施そう。エンジン内部のベアリングはエンジンオイルで常に潤滑されているが、車体周りのベアリングは積極的にグリースアップしない限り、音が出たり、ガタが出たり、最悪で焼き付くなどのトラブルが起き、その段階で始めて交換するもの? なんて考えているライダーがいるのも事実のようだ。特にツーリングなどの出先でベアリングが焼き付くと、自走できなくなってしまうことが多い。それが林道などの人里離れたところで…… 考えただけでもゾッとする。

グリースアップを定期的に行うことで、実は、半永久的に長持ちするのがベアリングでもある。このハブベアリングにはシールベアリングが採用されている例が多く、シール部分がスチール製ではなくラバー製であれば、セットされたシールを外部から外してベアリング内にグリースアップすることもできるのだ。

分解前にはサビの状況を要確認

ラバータイプのシールベアリングなら先端が平らなピックアップツールや精密ドライバーの先端を利用することでスムーズにシールを取り外すことができる。定期的に点検しよう。

純正ベアリングには極めて少量のグリースしか塗布されていなかった。常にメンテナンスするレーシングマシンならこれで十分だが、市販車のオフ車ならしっかり塗布しておきたい。

スーパーゾイルグリースに付属のノズルを取り付け、先端をニッパで切り取ってからグリース封入。球の隙間にグリースが入り込むようにノズルを押し付けながら塗布した。

ある程度全体にグリースを盛ることができたら、指先でさらにグリースを押し付けながら内輪を回転させてグリースを行き渡すようにする。走行中にさらにグリースが馴染む。

この作業をしつこく2~3回繰り返し行うことで、ベアリングの内側へもグリースが回り込んでくれる。出先でホイールベアリングトラブルに見舞われないように要注意!! 特にオフ車!!

グリースが行き渡ったことを確認したらシールラバーを復元しよう。変形しているときには指先で凹を押し出してから復元。メンテナンス次第でホイールベアリングは長持ちするものだ。

今回使ったスーパーゾイルグリースは、耐圧性能や水分に極めて強い湿潤A級にランクされているのが特徴だ。高性能なリチウム石けん基ベースのグリースにスーパーゾイル成分を添加。そのゾイル成分が摩擦熱と反応することで金属表面を改質再生し、ただれ気味だった摺動面のコンディションを高め、耐摩耗性の向上や摺動抵抗の低減に寄与する高性能グリースとして知られている。数多くのリピーターに支えられているのもこの商品の特徴だ。ソフトチューブ入りで使いやすく、付属のノズルを利用すれば隙間にもグリースを押し込みつつ塗布することができる。残り僅かになるまでスムーズに押し出せるのがソフトチューブの特徴で、無駄なく使いきれる点はアルミ製チューブとの大きな違いだろう。

これから数ヶ月間はウインターシーズン。バイクで出掛ける機会も少ないので、このタイミングで愛車のメンテナンス&リフレッシュに積極的にチャレンジしてみよう。そんなメンテナンス時に高性能ケミカルを併用すれば、充実のメンテナンス実践になること間違いない。

前後ホイールを取り外したときには必ずアクスルシャフトをウエスで拭き取り(汚れが酷いときにはパーツ洗浄液を併用)、スーパーゾイルグリースを塗布しよう。カジリ防止と防錆効果が一気に高まる。

ホイールベアリング以上にメンテナンスしやすいハンドル周りも点検。特にレバーピボットのグリース切れは操作感の悪化を招いてしまう。軸部、摺動部ともにグリースアップ。

クラッチレバーの遊びを調整するアジャストボルト部にもゴミや雨水が入りやすい。ドロが噛み込むと調整しにくく、イライラしてしまうことに。定期的なグリースアップが必須であり、それにより作動性が良くなる。しかし塗り過ぎは禁物!!