保存版!! ワンランク上のセルフ洗車テクニック

掲載日/2016年7月21日  

愛車が蘇る! セルフメンテナンス!

洗車といえば外装のみで、リム、フレームのネック、エンジンフィンなど細かい箇所はやらないという人も多いハズ。

今回は湘南ジャンクヤードの小川さんを講師に迎え、道具の使い方やプロのテクニックを学んだ。普段手をつけない部分を中心に作業をしたのでチェックしてほしい。洗車したのは走行距離2万キロのスズキ・グラストラッカー。油汚れや埃が付着したこのバイクをどこまでピカピカにできるのか?

通常の方法を羅列するのではなく、あえてワンランク上の洗車テクニックを掲載した永久保存版的な内容である。

洗車をする前の注意点

直射日光のある場所で作業をすると、水で流す前に洗剤が乾いてしまい垢が残る恐れがある。できるだけ日かげで作業をするのが良い。特に足周りは汚れがヒドく手間のかかる箇所だ。後にまわすとフューエルタンクなど、外装に汚れが飛び散る可能性がある。洗車は足周りから取りかかろう。

転倒を防ぐためにもサイドスタンドをたてての洗車は避ける。タイヤやリムを洗うので、ジャッキやメンテナンススタンドを用意しておくと便利だ。

あると便利なお役立ちアイテム4点。右上から時計回りで、ナイロンタワシ、セームタオル、馬毛ブラシ、スチールウール。これらすべてホームセンターやインターネットで購入ができる。

足周り・フロント編

フロントの足周りは、特にリムやディスクローター部分に汚れが溜まる。放置をしていると砂やサビなどが付着し、なかなか取り除くことができない。月に1回はチェックしよう。

中性洗剤を入れたスプレーをディスクローターに吹きかける。スチールウールを使用すると傷がつくので、サビ落としに有効なナイロンタワシを使う。

ハブとキャリパーに中性洗剤を吹きかける。スポンジでは手が届かないので馬毛ブラシを使って汚れを浮かす。キャリパーは回転させられないので四方八方から擦る。

タイヤは接地面以外もブラッシングすること。また、リムを磨いた際に浮き出た汚れが乾いて残る可能性があるので、水で流す前に再度洗剤を吹きかけておこう。

水で流した後にもう一度汚れがないか細部をチェックする。特にディスクローターは汚れが残りやすく落ちていないことが多い。馬毛ブラシを使って残った汚れを擦り取る。

タイヤを回しながら中性洗剤をつけたスチールウールでリムを擦る。スポークとリムの接地面は固着した泥やサビが溜まりやすい箇所なので取り除こう。

足周り・リア編

スイングアームやスプロケットには砂や埃、さらに油汚れなどが多く付着している。リアホイールを洗う際に一緒に洗うと効率が良い。

スイングアームはスポンジと馬毛ブラシを駆使して洗車しよう。細かい箇所も洗うため、リア周りで使うスポンジは少し小さいものを用意しておくと良い。

スプロケットにはチェーンオイルや砂などが付着しているので中性洗剤を吹きかけて馬毛ブラシを使う。油汚れは落ちにくいので放置しないようにしよう。

フェンダーの裏側にもたくさんの汚れが付着している。中性洗剤を吹きかけスポンジで拭きとろう。見えにくい部分だが、確認をしながら作業すると効率的だ。

洗車でよくあるのが洗剤の流し忘れや磨き忘れである。適当に水で洗い流すのではなく、手入れした箇所をしゃがんで目視し最終的なチェックをしよう。

ダンパーはスチールウールを使って汚れを落とす。

ジャッキなどを使ってテンションがかかっていない状態でスプリングを回せば、汚れがとりにくい裏側部も擦れる。

下穴上部の付け根はスチールウールでは届かない。中性洗剤をスプレーで吹きかけた真鍮ブラシを使って磨く。

エンジン周り編

エンジン周りは特に汚れが付着しやすい。特に自分でオイル交換をする人はドレンボルトやその周辺が汚れていることが多いので確認しておくこと。

エンジン周りはオイル漏れや砂汚れなどが付着し特に汚れやすい箇所だ。普段から気をつけて確認をするようにしよう。

真鍮ブラシは細かい部分に適した道具だが、エンジンのフィンやクランクケースなどは傷がついてしまう。馬毛ブラシを使おう。

エンジン周りと同様にキャブレターも馬毛ブラシを使うと簡単に汚れが落ちる。メッキのナットやボルトはスチールウールで磨くと輝きが戻る。

ボルト部分は擦っても汚れが落ちにくい。一度水で流したらもう一度汚れがないか確認し、残っていれば馬毛ブラシを使って再度磨こう。

傷んだままスチールウールを使用し続けると、磨く面に傷をつけてしまう。100円ショップでも購入できるので新しいものをドンドン使おう。

水は汚れが溜まったらこまめに交換しよう。砂利などが混じり傷がつくため、外装用とはバケツを分けておくと良い。

ヒドい汚れがある場合は、直接中性洗剤を馬毛ブラシに吹きかけると良い。特にエンジン周りは油などのしつこい汚れが付着しているので効果的だ。

エンジンに中性洗剤をかける場合、そのまま放置をすると水垢が固まり落ちにくくなる。乾いてしまう前に再度洗剤を吹きかけるか、水で洗い流そう。

外装・その他編

足周りやエンジン周り以外は、簡単そうに見えて実は確認すべき点が多い。目につきやすい場所なので入念に洗車しよう!

スチールウールは、レバーのアジャスター部分やヘッドライトのレンズカバーなどにも使える汎用性の高いアイテム。アルミパーツには傷がつくので使わないように!

フューエルタンクの溝部分は汚れが溜まりやすい。スポンジを使って入念に磨こう。洗い終わった後も水垢が残りやすいので確認すること。

フレームのネックも汚れが溜まりやすい箇所だ。スポンジで入念に洗おう。手が届かないところは馬毛ブラシを使って磨くと良い。

ETCなどが搭載されている場合、透明のビニール袋にかぶせタイラップや輪ゴムで縛ってから洗う。スーパーの袋は破れてしまうので注意。

水で洗い流し終わったらセームタオルで拭いていく。拭き残しがないように注意しよう。セームタオルは、カー用品店などでも購入可能だ。

今回はマフラーの洗車はしなかった。マットブラックのマフラーは跡が残るので一般的な洗剤は使わない。洗うときは専用の耐熱ワックスを用意しよう。

セルフ洗車テクニックのビフォー・アフター!

埃や砂まみれだったリムがピカピカになった。メッキ素材はスチールウールを使えば汚れが取れるので、諦めている人は試す価値アリ!

砂汚れや油汚れまみれだったエンジンカバーに輝きが戻った。エンジン形式番号がしっかり見えることがわかる。エンジン周りには特に馬毛ブラシが有効だ。

サスペンションのサビもスチールウールと中性洗剤で取り除けた。ほんの少し手間を加えるだけでこれだけの違いが生まれる。

水垢汚れがあったフレームのネックもピカピカになった。ちなみにフロントフォークはスチールウールで磨き、サビ汚れを取り除いた。

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取材協力/ユーメディア湘南
 (電話/0467-83-9000)
記事提供/スマイルバイク編集部
写真/小川 伸晃
文/浜瀬 将樹

※この記事は雑誌『スマイルバイク』に
掲載された内容を再編集したものです

※記事の内容は雑誌掲載当時のものです
(スマイルバイク vol.17
 2016年7月21日発売)