秩父・甲府 散策

掲載日:2008年04月27日 ツーリング情報局甲信越エリア    

四季を通した甲信越の
美しさをレポートします

皆さんはじめまして。この度甲信越のエリアを担当させて頂くことになりました信州在住のコジローです。よろしくお願いします。2ヶ月に1度、信州を中心に近県などのお勧めエリアをご紹介させていただきたいと思います。長野県は8つの県と接しており、平地でも標高は500m前後あります。山岳ルートでは標高2000m超の場所も珍しくなく、夏でも心地よい風と喉越しの良い蕎麦が歓迎してくれるエリアです。今は朝夕がまだ少し冷えるので、暖かい関東周辺を廻るコースをご紹介することにしましょう。スタート地点は佐久平にある国道142号線沿いの「道の駅 ほっとぱーく浅科」。ここから妙義荒船佐久高原国定公園、秩父多摩甲斐国立公園、八ヶ岳中信高原国定公園の一部を走るコースです。

イメージ国道142号は佐久平を東西に貫いている道。進行方向左手に浅間山から烏帽子岳に続く峰々を眺めながら、佐久市街地に入るまで田園の中を走ることができます。浅間山の裾野に広がる軽井沢の風景も垣間見ることのできる、真っ直ぐに続く快走路。この雄大な景色を楽しみながらいくつかの町を抜けしばらく走ると、国道254号(コスモス街道)に合流します。ここからは、群馬県まで一気に数百mを駆け降りるルート。奇岩奇石の切り立った荒船山の裾を走ります。妙義山や荒船山は、関東側から見ると天然の門のように見えるとか。「日本の屋根」と呼ばれる信州の、群馬側からの入口といったところでしょうか。程よいコーナーが続く道を一気に駆け下りて行くと、切り立った岩に囲まれた景色から次第に視界が広がりはじめ、のどかな山間の農村に出てきました。ここがこんにゃくやネギで有名な下仁田です。ここに至るまでの道には、高速道路では見られない風景がありますから、時間があれば下道で走ってみてください。

信州に負けない秩父の蕎麦
つい2軒ハシゴしちゃいました

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ここから桜の時期で渋滞が予想される長瀞付近を避け、鬼石経由で秩父方面に向かいました。しばらく走りますと国道140号(彩甲斐街道)に出ます。私が今回このコースを選んだのは「秩父で蕎麦を食べる」ためでした。信州にはそれぞれの地域に特徴を持った蕎麦の美味しい店が沢山あります。私はそれほどの蕎麦通ではありませんが、美味しい蕎麦かどうか、くらいはわかります(笑)。ここ秩父にも美味しい蕎麦が食べられる場所がたくさんあると聞き、訪れてみたくなったのです。秩父の蕎麦については「 秩父そばの会 のホームページ 」に詳しく紹介されていますので、ご覧ください。最初にご紹介致しますのは「はぎふく」、国道140号で秩父に入りすぐの場所にありました。入り口を入ると普通の食堂のような感じで、お客さんには地元の方が多いよう。愛想のいいおばさんが対応してくれ、私は野菜天ざるそばを注文しました。しばらく待ってでてきたのは、山菜のてんぷらの付いた田舎風のお蕎麦。挽きぐるみの蕎麦で、麺は中太ぐらいの感じ。風味もあって腰が強く、大変美味しかったのであっという間に完食でした。

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これだけで満足できる私ではありません。「はぎふく」を後にして、さらに数km走りますと、右手に「ちちぶ屋」という店が見えました。もう一軒寄っていくことにしましょう。店内は先程よりも広く、どちらかといえば観光客向けの造り。ここではくるみ蕎麦を注文しました。「はぎふく」の蕎麦よりやや白く細めの蕎麦ですが、それなりの腰や風味がありました。挽いたくるみの入ったつゆも香ばしく良く合います。秩父の蕎麦もとても美味しいものですね。生まれて初めて蕎麦屋のはしごをしてしまいました。皆さんも是非ご賞味下さい。ここからは国道140号を山梨方面へ。途中、以前から興味があった三峰神社に立ち寄ることにしました。三峰神社へは、一方通行の細いトンネルを抜け、秩父湖沿いに山頂へ向かうルートを取ります。さして広い道ではないので、観光バスなどの対向車にご注意下さい。

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秩父湖が眼下に見えるまで駆け上ると三峰神社の駐車場に出ます。辺りを見渡すと、山また山の大自然。さすが、山岳信仰の霊場「三峰神社」です。ここでバイクを降り、本殿まで15分ほど歩くことにしましょう。しばらく歩くと巨木の間から、きらびやかで威厳のある本殿が見えてきます。ここでお参りしつつ神社の起源などを見ていると、御祭神は「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉册尊(いざなみのみこと)」です。この二柱の神様は夫婦神で、神話上では日本の国を造り、多くの神様を生んだとされています。興味のある方は手を合わせてみたら御利益があるかも知れませんよ。

秩父から甲府へ
武田信玄ゆかりの道を走る

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三峰神社を後にして、上ってきたルートを国道140号まで戻りましょう。国道140号を山梨方面に向かうと、奥秩父の山間部を縫うように走る快走路が続き、谷間に掛かる橋や、巨大なループ橋、ダム湖など、絶景が広がっていました。そのまま走り、全長7kmほどの「雁坂トンネル」を抜ければ山梨側に入ります。そのまま甲州市方面に下りると甲府盆地が見えてきました。この辺りまで来ると、甲州名物の“ほうとう”や武田信玄公で有名な“風林火山・孫子の旗”があちこちに見えます。ここで少し寄り道をすることに。国道140号から少しそれて「恵林寺」に足を運んでみました。ここは臨済宗の名刹で、武田信玄公の菩提寺であり、快川国師と僧百余人が織田軍に焼き打ちに遭ったお寺です。散りかかって足元に広がる桜の花びらを見ながら境内を散策、武田信玄公宝物館に入ってみました。中には本物の孫子の旗や諏訪法性の軍旗、有名な武田二十四将の絵など沢山展示されています。境内にある茶店で休憩し、戦国の頃の武田軍団に思いを馳せるのも良いかも知れません。

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再び国道140号に出て、途中から西関東道路に入ります。このルートからは甲府盆地を一望でき、山側には一面の桃の花が咲いており、気持よく走ることができるでしょう。遠くに垣間見える富士山に、峠道で少し疲れた体が癒された気がします。西関東道路を終点まで走り、そのまま国道20号へ。甲府の市街地を抜けて韮崎方面に向かいましょう。国道20号から国道141号(清里ライン)に入り、清里方面へ。左側に八ヶ岳の雄姿を見ながらの快走ルートです。国道141号からは八ヶ岳高原ラインや国道299号(メルヘン街道)、ビーナスラインなどの1000m~2000mほどの標高を走る高原ルートがたくさんあります。夏季には清里あたりのペンションか、諏訪湖周辺の温泉にでも宿をとり、走ってみるのも良いでしょう。清里を過ぎ、夏には一面レタスに覆われる野辺山から千曲川の源流と沿って下りますと出発した佐久へ戻ってきて、再び雄大な浅間山が迎えてくれます。今回の走行距離は330kmほど、日帰りのツーリングにはちょうどいい距離でしょう。甲信越の人はもちろん、関東から走ってくるにも気持ちいいコースだと思います。高原ルートなどを組み合わせながら、ぜひ一度走ってみてください。

スポット紹介

はぎふく

住所/埼玉県秩父市黒谷503-1

電話/0494-22-8535

営業/11:00~18:00

定休/火曜

そば処 ちちぶ屋

住所/埼玉県秩父市中宮地町25-22

電話/0494-22-3741

営業/平日 11:00~16:00 土日祝 17:00~19:30

定休/木曜

三峰神社

住所/埼玉県秩父市三峰298-1

電話/0494-55-0241

恵林寺

住所/山梨県甲州市塩山小屋敷2280

電話/0553-33-3011

コジロー
プロフィール
コジロー

長野県在住の43歳、職業は会社経営。バイク歴25年のベテランライダーで中型、大型の国産バイク、BMWなどを乗り継ぎ、現在の愛車はハーレーFLSTFとFLHX。忙しい職場で日々過ごしつつ、週末はどこを走るか、に心を躍らせる日々。

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