晩秋の北信濃ツー

掲載日:2008年10月27日 ツーリング情報局甲信越エリア    

寒さが厳しくなってきた
北信濃を走ります

イメージ皆さんこんにちは、甲信越レポーターのコジローです。こちらは朝夕がかなり寒くなって来ましたが、今回は秋の風情溢れる晩秋の北信濃ルートをご紹介いたします。スタート地点は上信越自動車道「須坂長野東インター」。ここを降りると国道403号に出ますのでここを右折して須坂市方面に向かいましょう。少し走りますと、信号を左折して菅平高原方面に向かう県道58号に入ってください。そのまま国道403号を走れば最初の目的地の小布施町に行くことができますが、須坂市街地を避け、桜の名所でありカンガルーのハッチで有名な臥竜公園を通り須坂広域農道(北信濃くだもの街道)を抜けるルートがお勧めです。この季節は道路の両側に赤く実ったりんご園の中を快走できますよ。

イメージ県道66号を通り県道358号を走ると小布施町に入ります。高井鴻山記念館横の銀行の駐車場にバイクを止めさせて頂き、しばし休憩と小布施の町を散策してみました。驚いたのは、古い土蔵などが残る町並みに合わせて町全体が作られていて、栗の木が敷かれた小道など非常に風情のある町並みが広がっていること。銀行も瓦屋根でした(笑)。また、駐車場のおじさんがヘルメットを預かってくれ、ついでに(?)高井鴻山が晩年の葛飾北斎を招いたことや、陽明学者だった鴻山と佐久間象山・吉田松陰などとの親交の話などを10分以上熱く語っていただき、駐車場で小布施の歴史を堪能できました。

日本古来の逸話が残る
戸隠の地を訪れる

イメージ
歴史情緒の溢れる小布施町を後にして、国道403号から県道29号に出て、豊野町経由で野尻湖を目指しましょう。千曲川を渡り蟹沢トンネルを抜けると、通称「北信五岳道路」に出ます。北信五岳とは北信濃の「飯縄山」、「戸隠山」、「黒姫山」、「妙高山」、「斑尾山」の五山です。この雄大な五岳を一望しながら走れる快走路ですので、皆さんも是非走ってみてください。国道18号に出て、しばらく走ると野尻湖に到着です。野尻湖にはナウマン象博物館などがあり、興味のある方は立ち寄ってみても良いかもしれません。野尻湖で少し休憩し、ここからは県道36号で戸隠を目指しましょう。このルートは程よいコーナーが続く快走路で、紅葉を楽しみながらゆっくり走ることができます。

イメージ途中、「鏡池入口」の看板があますので、ここから鏡池に向かいます。しばらく狭路が続きますが、ゆっくり走れば問題ありません。すると突然視界が開け、右手に鏡池が現れます。正面に見える険しい戸隠山と紅葉の雄大な景色、それを映す鏡池にしばし見惚れながら休憩です。この戸隠山には古の言い伝えがあります。記紀(古事記・日本書紀)によれば、弟スサノオの尊の乱行に嫌気がさした姉の天照大神が天ノ岩戸に籠ったため地上が暗闇に包まれ、それに困った神々が話し合い一計を案じました。ある日、天照大神の籠る天ノ岩戸の前で神々が皆で飲めや歌えやの宴会を開きました。外があまりに賑やかなので不審に思い、岩戸の戸を少し開いた所を待ち構えていた怪力の神、天手力雄命(アメノタヂカラオノミコト)が岩戸の戸を開き、地上に投げ飛ばしたのが戸隠山との伝説です。神話の世界もなかなか人間的ですね。(笑)ここから再び県道36号に戻り、戸隠神社中社を目指しましょう。戸隠神社中社に着きここで参拝。この周辺は戸隠そばの有名店も多く、この季節は新蕎麦を食べさせてくれますよ。

現代の日本とは思えない
鬼無里の山村を楽しむ

イメージ
県道36号を走り、鬼無里に向かいましょう。このルートは、この季節には路肩に落ち葉が積もり滑りやすいことと、乗用車同士のすれ違いができないところがある狭路ですので、十分注意して下さいね。日本昔話のような山村の鬼無里の中心地に入ると、「旅の駅・鬼無里」があります。ここで昼食にしました。ここにはそば粉十割の蕎麦屋や、おやき屋があります。季節の天ぷらを添えた新蕎麦を頂き、隣の「いろは堂」のおやき(北信濃の名物で、旬の野菜などを詰めて囲炉裏などで焼いた饅頭)を食べました。ここの蕎麦とおやきは本当に旨い。持ち帰りもできますので是非立ち寄ってみて下さい。私の妻も「鬼無里を走ってくる」と言えば、ここのおやきのお土産を楽しみに待っていますよ(笑)。時間があれば、ここから国道406号で白馬方面に向かいますと、5月頃に水芭蕉の群生が見られる奥裾花自然園があり、この時期の渓谷に映える紅葉も見事です。そのまま白馬へ向かい、安曇野方面に向かうルートも良いかもしれません。私は今回、小川村経由で長野市に戻りました。途中に見える山村と紅葉。そして彼方に見える薄らと冠雪した北アルプス連邦を眺めながら、棚田などがあり情緒溢れる昔話のような山村のルートを、皆さんも是非走ってみて下さい。

さて、もう少しで私が担当する甲信越はオフシーズンに入ります。2ヶ月に1回担当してきたこのレポートも、さすがに次回の1月以降は走ることができません。そのため、今回が甲信越レポートの最終回となります。甲信越に住む皆さん、甲信越に走りにやってくる皆さん、あと1ヶ月そこそこでオフシーズンになる甲信越をぜひ見納めに走りにきてください。そして、来春のシーズンにもう一度走りにきてみてください。寒さが厳しい分、季節の彩りがハッキリとしているので、まったく印象が違う甲信越が楽しめると思いますよ。では、皆さん、これまでありがとうございました。

スポット紹介

小布施町

小布施町観光総合ポータルサイト「e-小布施.com」

戸隠神社中社

ウェブサイト

いろは堂

住所/長野県長野市鬼無里1687-1

電話/0120-168-041

営業/8:30~18:00

定休/火曜(5・8・12月は無休)

コジロー
プロフィール
コジロー

長野県在住の43歳、職業は会社経営。バイク歴25年のベテランライダーで中型、大型の国産バイク、BMWなどを乗り継ぎ、現在の愛車はハーレーFLSTFとFLHX。忙しい職場で日々過ごしつつ、週末はどこを走るか、に心を躍らせる日々。

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