美味鮎探求・滝ツーリング

掲載日:2008年10月27日 ツーリング情報局関東エリア    

隣合わせに2つの滝が楽しめる
オススメスポット不動滝、乙女滝

イメージ季節は巡り、さわやかな秋となりました。秋といえば食欲。何を食べようか…そうだ、鮎! 鮎美味探求ツーリングに行こう、そう思い立ちました。今年の夏から9月にかけて、日本列島はゲリラ豪雨という局地的豪雨に見舞われました。私の家のある町では、1時間に105mmという大(?)記録が打ち立てられています。雨が降れば、即ち川は大増水。「濁った川で鮎が捕れるのか?」などと心配しながらも、鮎の名所である奥久慈へ向かうツーリングを企画いたしました。さて、9月の土曜日、行楽シーズンですから、主なSAの朝はどこもみな大混雑。今回は混雑を避けるため、午前9時に常磐道「谷田部東PA」に親しい友人と集合です。そこから常磐道「高萩IC」までの約100km、風の音だけが聞こえるクルージング。至福の時です。ガソリンが高い昨今ですから、あまりスピードをあげず、のんびり走ります。風とバイク、そして体が一体になって…「ああ、バイクってすごいなあ、いいなあ」と実感。

イメージ日立を通過する常磐道はトンネルだらけですが、あっという間に高萩ICに到着。一般道に入ると交通量は少なく、国道461号線でのんびりと花貫渓谷へと向かいます。すると私のツーリングには漏れなく付いてくる「お約束」のダムが見えてきます。「花貫ダム」、なにやら優雅な名前ですね。水面に山々が映り、静謐さを体感できるダム湖です。しばらく先に進むと、花貫渓谷の看板が。そして不動滝、乙女滝の看板が。ゼッタイにここでバイクを降りて、渓流に足を向けてくださいね。道からすぐのところなのに、その水の清らかさ、透明感、そして優しい滝の風情。これまでツーリングで訪れた渓谷・渓流の中で一番ステキなところでした。小さい滝ですが、まさに隣合わせに2つの滝があるのです。間近に滝に接し、渓流の水に手を入れて触れてみる。まさに心も体も清らかに洗われ、清新なエネルギーで全身が満たされたような気持ち。今振り返ってみますと、ある種のパワースポットだったのかもしれません。

ただの観光地と思いきや
壮大な瀑布が楽しめる袋田の滝

渓流をエンジョイしてさらに西走し、県道33号線に突き当たったら左折してほんのちょっと南下。入り口は非常に見つけにくいのですが、右側に「武生林道入口」という表示があります。そこを入るとクネクネの細い林道です。特に林道入口あたりは、「こんなんでバイクで行けるのかねえ」と思わせる幅の細さと雰囲気の悪さ。でも、280kgを超える巨体のツアラーに乗っている私なのに、なぜか林道好き(もちろん舗装済み林道に限りますが)。浮き砂やら何やらのせいで派手に転倒した経験まであるのに、地図に「林道!」と書いてあるとそこを走らずにはいられないのです。これは一種の病気です。この病気を少しでも軽くするために、地元の道を管轄している常陸太田市の水府支所には既に電話済み。万一にも通行止めなどが無いか確認しているという用意周到さです。慎重に、そしてちょっとこわごわ走り、問題無し。ところが、途中で気が抜けて立ちゴケくらってしまいました。ああぁ~。

イメージ林道から国道461号線に戻り、快走します。「ああ、鮎はまだかいなあ~」と空腹を感じながら、次は紅葉や冬の凍った滝で有名な袋田の滝へと向かいます。有名な観光地ですから、紅葉の最盛期には渋滞がありそう。できれば避けた方が良さそうな雰囲気です。土産物屋や食堂の呼び込みさんが「無料駐車場あります」と声をかけてきて、世俗的観光地の臭いがプンプン。呼び込まれるままに、奥にある食堂の前にバイクを停め、歩いて滝を巡る遊歩道へ。お腹も空いていますから「どうせまあ大したことないんだろう」と速足で滝へと続く隧道へ入り、「滝を見るために自然を壊してこんなトンネルまで作っちゃって、ちょっとどうかねえ」みたいな気持ちでトコトコ歩いてまいりますと、突然目の前の視界が開け、巨大な滝が! 思わず「うひゃひゃ~、こりゃスゴイワ」なんて声が出ちゃいます。「いかにも観光地って感じで馬鹿にしていたけれど、すごい迫力。やっぱりこれは来て良かった!」素直にそう思います。水の落ちる音。轟音ですが、なぜか耳には心地いいのです。水煙で空気がたっぷり湿っています。そして、息を吸うと、その空気というか含まれている水分というか、それの臭いがするのです。高さはナント120m。私たちから見るとほとんど垂直の壁。そこを大量の水が落下してきているのですが、実は岩場が4段になっていて、滝も連続した4段なのだそうです。ですから「四度の滝」と呼ばれるのだそう。幅も70mと言いますし、水量も誠に豊富なので、圧倒的な迫力です。さすがは日本三瀑の一つ。私たちが通ってきたトンネルは観瀑のためのもので、300円の料金がかかります。支払う時はちょっと高いと思いましたが、この観瀑台に立った瞬間300円は忘れてしまいます。茨城県大子町を訪れたバイカーの皆さん、停まるのを面倒くさがって袋田の滝を素通りしてはいけません。はずせないスポットです。

袋田の滝で満腹
その後、国道118号を満喫する

イメージ大瀑布の壮観に感激しても、人間悲しいことに腹が減ります。人一倍腹が減りやすく、血糖値が下がると判断能力が著しく低下する私は、改めて空腹を感じつつ、滝を見てから揺れる吊橋を渡り、バイクを停めた店へ。店名はナント「よりたや」! 名前どおり、寄らないわけにはいきませんよね。そのお店では、炭火で鮎の塩焼きを焼いているんです。山椒味噌をつけた餅も! ちょっとのぞいて見ると、なんとまあほどよく焼けて香ばしくてうまそう! 着席して、即、お蕎麦と鮎の塩焼きを注文。「頭ははずしてあとは全部まるごと食べられますよ」というオネエサマのご指示通り、あっという間に鮎完食、蕎麦完食。さらに、山椒味噌の付いた餅を追加。全部うまい! 満腹です。袋田の滝の後回る予定だった久慈川の鮎のやな場に行く前にお腹はすっかりできあがってしまいました。

イメージお腹が満たされれば、あとはもう国道118号線を南下するばかり。久慈川に沿って優美にカーブを描いて走るこの道路は、流れに任せて走るとても気持ちの良い道です。久慈川の右になり左になり、交差するところの橋に停めて下を見ると、鮎を狙っている釣り人がたくさん見えます。すると同じく久慈川に沿って走っている水郡線の電車が。「鉄ちゃん」なら狂喜乱舞するような写真が撮れました。次の機会は是非やな場で鮎のつかみ取りかなあ、なんてことを考えながら常磐道「那珂IC」に到着。これに乗ってしまえばあっという間に帰宅の途に。9時に「谷田部東PA」というのんびりスタートにもかかわらず、15時頃にはもう常磐道ですから、意外とスムーズなツーリングルートです。皆様も是非。

スポット紹介

袋田の滝
(茨城県太子町Webサイトより)

URL/茨城県太子町Webサイト

やな漁について
(グリーンふる里振興機構Webサイトより)

URL/グリーンふる里振興機構Webサイト

WRT
プロフィール
WRT

32年のブランクを経てバイクの世界に戻ってきたリターンライダー。ツーリングで走るエリアは非常に広範囲で、関東を飛び出し甲信越や東北の一部まで達することも。愛車はロングツーリングに最適なモデルBMW R1200RT。

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