飛騨-松本の旅

掲載日:2006年11月27日 ツーリング情報局北陸エリア    

秋を感じる快走ルート
飛騨~松本を楽しむ旅

みなさんお元気ですか、北陸ツーリングレポート担当の祐太パパです。第7回北陸ツーリングは、北陸をスタートして 奥飛騨~木曽路~松本 というルートを選びました。道中、当初の予定と変更したルートもありましたが、結果的に奥深いツーリングとなりました。お天気は快晴! 絶好のツーリング日和です。愛車にまたがり出発しましょう。

イメージ冒頭から「りんりん」などと言い出すと変な感じですが、R41エリアのライダーが集合場所やプチツーリングの拠点に利用しているのが、R41細入地内『道の駅 細入』なのです。その中に物産センターがあり、そこの名称が「林林」と言うわけです。今回はここ、通称「りんりん」をスタート地点とし、R41を神通川沿いに南下しましょう。エメラルドグリーンの川の水面に朝日が金色に反射され、神が通るといわれる『神通川』にふさわしい情景を道行くライダーに惜しげもなく見せてくれます。まだ朝もやの残るR41、ゆったりと曲がるカーブの連続を楽しむうちに岐阜県に入ります。しばらく走ると、神岡町東茂住地内に辿り着くのですが、ここは「 スーパーカミオカンデ 」、「 ニュートリノ 」で有名な「東京大学 宇宙線研究所 神岡地下観測所」があるところなんです。国道を走っているだけでは、普通の小さな町のように思えますが、すごい施設があるんですね。R41をしばらく走り「神岡鉄道かみおかこうざんまえ」交差点からR471に入ります。神岡の町並みを右下に見ながら、5分ほど走ると「スカイドーム神岡」という道の駅が現れます。ここには、先ほど紹介しましたカミオカンデの小柴昌俊さんや、スペースシャトルの向千秋さんなどに関わる碑が飾られています。ここは城下町の古さと科学の最先端の接点を目で感じることができる場所です。ここの軽食コーナーにあるパン屋さんは毎朝焼きたての種類豊富なパンを出してくれますので、ほかほかの焼きたてパンを朝食やおやつにして、ツーリングに出発するのもよいでしょう。

安房トンネルを通り
北アルプスを横断します

イメージR471を高原川に沿って走りましょう。国道から見え隠れする清流は川底まできれいに見え、夏場であればバイクを止めて水遊びをしたくなるくらい透き通っています。走るにつれて、キャンプ場の看板があちこちに見え、目の前にそびえ立つ穂高の尾根が、行く手をさえぎるかのように立ちはだかります。そうです、ここは北アルプスのお膝元なんですね。道は整備されているものの、集落内は多少狭いところがあります。安全運転を心がけて走りましょう。R471は栃尾地内で右折となります。直進すれば新穂高ロープウェーやオートキャンプ場、露天風呂など大自然を満喫できるスポットがライダーを迎えてくれるでしょう。R471を右折し新平湯温泉街を通過、しばらく行くと安房トンネル入り口に出ます。このトンネルができるまで、バスや乗用車は安房峠を利用していました。大型のすれ違いなど不可能に思えるような峠道を通っていたことを考えれば、この安房トンネルの有難味が理解できると思います。

イメージ今回はありがたく、この安房トンネルを通って長野側に出ることにします。その前に料金所横の駐車場に愛車を止め景色を見てみますと、紅葉が少しすすんでいるようです。赤や黄色に染まった木々の葉がぬけるような青空に映え、運転で疲れた目をリフレッシュしてくれました。11月上旬あたりだと、紅葉もちょうど見ごろかも知れませんね。しばし休憩したら、全長4.3kmの安房トンネルで北アルプスを横断しR158へと入ってゆきましょう。トンネルを抜けると、いっそう紅葉がすすんだ景色が目に飛び込んできます。ここは温泉地帯だけあって、国道脇から大量に吹き上がる湯気を見ることができます。空の青、紅葉の赤や黄、湯気の純白、そして澄んだ空気がバイク乗りであることの幸せを感じさせてくれました。この辺りは上高地の入り口とあって、バスやタクシーが沢山往来していますので通行には充分気をつけてくださいね。トンネル出口から15kmほど走ると「奈川渡ダム 安曇発電所」に出ます。このダムは堤上が国道となっていて、車線右側に「梓湖」左側には155mの絶壁を見ることが出来ます。ただ走って通過するにはもったいないスポットなのです。

野麦峠で感傷にふけり
祭りで賑わう松本城へ

イメージダム湖の梓湖畔で、休憩しながら地図を見ていました。最初の計画ではこのままR158を松本方面に出てゴールするつもりでしたが、地図の中に「野麦峠」の文字を見つけてしまって。どうしても行きたいという衝動にかられたのです。ここ奈川渡ダムから野麦峠までは約30kmの道のり、そう遠回りにもならないはずです。早速ルート変更し、R158から県道26号を走ります。県道沿いの奈川村では新そば祭りの真っ最中で、いたるところにのぼり旗が立ち並び手招きをしているように見えます。そこで県道沿いにある『ながわ山彩館』で、とうじ蕎麦を頂くことに。熱い鶏のだしと新そばの香りが口いっぱいに広がり、幾らでも食べられそうです。少し早い昼食でしたがこれも縁があってのこと、美味しく頂きました。

イメージお腹が満たされれば野麦峠に向かって再び走りだします。県道26号をしばらく走り、県道39へ。清流奈川沿いの野麦街道は、すでに越冬準備が終わろうとしているかのよう。沿道の民家の前には薪が高く積まれ、これから来る冬の厳しさを語りかけてきます。道は進むにつれ細くなり、標高をあげてゆきます。決して飛ばせる道ではありません。ゆっくり走っていると、旧野麦街道を示す立て札が見えてきます。立て札はその先のあたかも獣道のような山道を示しています。旧街道が現役だった時代に思いをはせながら、新街道をゆっくり登りましょう。峠頂上近くになると、ますます道幅の狭いところがあり、対向車に神経を使いながら標高1,672mの峠のお助け小屋の駐車場に入ります。駐車場には映画『 あゝ、野麦峠 』の主人公である、みねさんとそのお兄さんの像が建てられています。女工であったみねさんの苦労もさることながら、病んだみねさんを迎えに行くため一人でこの野麦峠を越え、そしてみねさんを背負って同じ道を歩きとおしたお兄さんの精神力と妹を想う気持ち。これは現代に育った私の心に大きな感動を与えてくれました。このお兄さんが私をこの峠まで引き寄せたのでしょうか…観光客で賑わう峠に立つ像に心の中で感謝し、手を合わせてから野麦峠をあとにしました。先へ進めば高山方面に出られますが、県道26号まで12kmを戻ることにしましょう。

イメージ県道26号を木祖村方面に向かって走りましょう。沿道にはぽつぽつと蕎麦屋さんが点在し、やはり新そばの旗が並びます。道幅は大型バスが通るにも充分な道で、連なるカーブを楽しむことができるでしょう。8kmほど走ると下りヘアピンカーブが現れ、右手に木曽川の源流と言われる笹川が見えてきます。このあたりが木曽川源流の里「木祖村」です。何処からともなく木曽節が聞こえてきそうな、のどかな風景の中をR19に向かって走ります。標識どおりに進めば、最短距離で木曽路に入れるでしょう。R19に入ると松本方面へ向かいます。国道左手に奈良井川、JR中央本線、その向こう側に旧街道があります。国道には、それを案内する看板がいくつも立てられており気の向くままに旧街道を体験することもできますよ。今回は「道の駅 奈良井木曽の大橋」で休憩することに。しかし、駐車場は満杯状態。何とか愛車を隅に停めて、奈良井の新名所といわれる木曽の大橋を渡ることができました。木造りのアーチ型の橋を渡り、中央本線を横切って行くと旧街道宿場町の町並みを体感できます。宿場町の中をゆっくりと歩いて見られるのもよいかと思います。

道の駅 奈良井木曽の大橋を出発すればゴールの松本を目指しましょう。R19は交通量こそ多いですが車の流れはいたってスムーズで、20kmほど走れば塩尻市です。塩尻ICから長野自動車道を利用し松本ICで降ります。ICから松本市内に入るには一本道で約3kmです。たまたまこの日は、「第50回 国宝松本城お城祭り」の日で、沢山のお客さんが訪れていました。敷地内を散策する人やお城を見にやってきた人のそばで、火縄銃による古式砲術演武の銃声が轟き、おのずと観光気分が高まります。新しい町並みの中にも古き良き時代をしっかり残した松本の街で、今回のツーリングレポートのゴールを迎えることができました。今、原稿を書きながらも野麦峠のことを思い出していますが、旅をしていて感動を得たことは大きな収穫であると感謝しています。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

道の駅 スカイドーム神岡

住所/岐阜県飛騨市神岡町夕陽ヶ丘6番地

電話/0578-2-6777

休日/冬期間(12/1~2月末日)のみ、水曜日定休

URL/スカイドーム神岡

ながわ山彩館

住所/長野県松本市奈川2120-1

電話/0263-79-2815

営業/9:00~17:00(食堂は10:00~16:00)

休日/木曜日

URL/ながわ山彩館

祐太パパ
プロフィール
祐太パパ

49歳。2006年式ハーレーダビッドソンFLHTCUI所有。ちなみに奥さんも大型二輪免許を持っており、夫婦揃って北陸だけでなく、関西・中部などあちこちまでツーリングで足を伸ばし、全国各地に知人は多い。

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