郡上八幡への道

掲載日:2006年06月27日 ツーリング情報局北陸エリア    

北陸ツーリングの王道
快走ルートをご紹介します

皆さんこんにちは。北陸ツーリング担当の祐太パパです。

今回はR156(通称イチコロ線)沿いに点在する『世界遺産』合掌集落を訪ね、ゴールの郡上八幡までの沿道にまつわる名所や見所などを紹介いたします。北陸ツーリングの王道とも言えるコースですね。今年の梅雨前線は北陸にも大量の雨を降らせ、北陸の山間部を走る主要国道は土砂崩れのため、相次いで通行止めとなり、今回の予定走行ルートR156小牧地内で落石のため通行止めの情報が…。情報収集し取材できると判断したのが、取材日前日の夜でした。

イメージ当初の予定では「砺波チューリップ公園」をスタートしR156を南に走る予定でしたが、R156小牧地内で落石通行止めのため「能越自動車道高岡北IC」をスタート地点に変更。今にも降り出しそうな雲の下を能越自動車道に乗り込み、途中「小矢部砺波ジャンクション」で東海北陸自動車道に乗り継ぎです。周りには、見渡す限り緑のジュータンを敷き詰めたような砺波平野が広がり、その中にポツリポツリと民家が点在する『散居村』が見受けられます。東海北陸道は「福光IC」まで利用し、料金所を出てすぐの信号を左折、R304に乗り込みます。そのまま標識どおりに五箇山方面に走ると、国道は峠道へと変化して行きます。峠道とは言っても道は完全に整備されています。道脇にはきれいな花が延々と植えられ、途中『国道304フラワーライン』パーキングから見下ろす砺波平野の『散居村』は一見の価値があります。

重く垂れ込めた雲の中、R304を『五箇山トンネル』へと入って行きます。1984年3月にトンネルが開通するまでは、通称『人食い谷』を通る山道を人々は往来していたとか…。たった一箇所のトンネルですが、歴史的背景を考えると、そこから見える景色も少しかわって見えるかもしれませんね。五箇山トンネルを抜けると国道は下りになり、連続する下りカーブの途中に『世界遺産相倉合掌造り集落』入り口が右手に見えてきます。集落の駐車場までは道がかなり狭いので充分気をつけて走行しましょう。駐車料金100円を支払い、徒歩で集落内を散策するも良し、茶屋でお茶など頂きながら遠めに合掌造りを眺めるのも良し、のオススメスポットです。

世界遺産を楽しみつつ
名産そばで舌鼓を打ちます

ここまで来たところでいつの間にか晴天となり、初夏の日差しが照りつけるほどになってきました。絶好のツーリング日和です! では次のスポットに向けて走りましょう。一旦、R304の交差点まで戻り、右折。そのまま道なりに進むと下梨地内でR156との交差点に出ますので右折してください。R156はゆるいカーブを描きながら庄川と平行して走ります。川の流れは私たちが来た道に向かってゆったりと流れています。下梨からR156を南へ14kmほど走ると右手国道下に『越中五箇山菅沼集落』が見えてきます。ここは駐車料無料で国道すぐ下の立地条件ですから、先を急ぐ方が『越中五箇山菅沼集落』を見学するには絶好のスポットでしょう。また、ここから1.5kmほど走ると「東海北陸自動車道五箇山IC」がありますので、時間を有効に使いたい方はここまでショートカットするのもいいでしょう。

イメージ「五箇山IC」を右に見ながら庄川沿いをさらに南下しましょう。すこし走ると岐阜県に入り、またすこし走ると富山県に戻り…を繰り返しながらR156は次なる 世界遺産『白川郷 萩町合掌造り集落』 に入ってゆきます。ここの駐車場は2ヶ所あり、萩町Pと庄川を挟んで対岸にあるせせらぎ公園横の大型駐車場、どちらに停められてもよいでしょう。ここは合掌造りの規模が大きく、観光地としても世界的に有名であり、太平洋側からのアクセス条件もよいことから、沢山の観光客が訪れていました。さっそく庄川に掛かる『であい橋』を渡り集落内を散策です。合掌造りの多くは民宿や売店に利用され、一見すると観光地一色のように見えますが、建物の周囲に目をやるとそこには地元の人々の生活の匂いを感じることができるでしょう。さて、一通り集落内を見学したら、次なるポイントへと向かいましょう。

R156を再度南下し、数分走ると大きな岩山が行く手を塞ぎ、あたかも国道がそこで途切れているのではないかと思うくらいの景色に出くわします。日本で最初に作られたロックフィルダム『御母衣ダム』です。国道は御母衣ダムの直前で右に大きく弧を描き、上りのヘアピンカーブを伴い、堤高(ていこう)131mを駆け上がり御母衣湖全景を見せてくれます。湖面を渡る風は爽やかの一言。バイクで走る快感を再認識することでしょう。ただ、ここから先はトンネルに充分気をつけてください。トンネルの幅が狭いのと、トンネル出入り口がいきなり急カーブになっていますので、大型車両は必ずと言っていいほどセンターラインをオーバーしてきます。ここはゆとり運転に徹しましょう。左手に『荘川桜』を見て御母衣湖の対岸に渡れば御母衣湖ともお別れです。このあたりまで来ると庄川はかなり細くなってきます。R156は牧戸地内で右折しますが 今回はそのまま直進しR158に乗り込み「東海北陸自動車道荘川IC」付近にある道の駅『桜の里 荘川』に立ち寄り休憩を取ることに。そこでは大きな(とてつもなく大きい?)水車が旅人を出迎えてくれます。また、この地はそばの名産地でもあり、道の駅内で打ちたてのそばを食べさせてくれますのでオススメの休憩ポイントです。

長良川沿いに桜街道を南へ
郡上八幡で祭りを楽しみます

イメージすこし休憩したところで出発しましょうか。道の駅『桜の里庄川』を出てR158を高山方面に数十メートル走ると「東海北陸自動車道荘川IC」入り口です。ここから一区間だけ高速を利用します。「なぜ一区間だけ?」とお思いかもしれませんが、次の出口「高鷲IC」2km手前にある橋脚の高さ高さ118mの『鷲見橋』を渡ってみたいのと、「ひるがの高原SA」のソフトクリームが美味しいと聞いていたので食べてみたかったのです。快晴の「ひるがの高原」の中を走るハイウエーは快適そのもので、ついアクセルも開けがちになります。ここはゆっくりと高原の風を楽しんで走りましょう。「ひるがの高原SA」の気温は28度、日差しは少々強いのですが爽やか~な風が吹いていて気持ちいいSAです。そこで食べたソフトクリームは本来の牛乳の味そのもの! 甘すぎることもなく、いくらでも食べれる素朴な味でした。美味しいものを食べた後は元気いっぱい。次のポイント『鷲見橋』に向かいましょう。「ひるがの高原SA」から3.7kmの地点にその橋がかけられており、あたかも天空にかかる虹を渡っているようにも思えます。コンクリートのガードレール越しに見える谷の深さは想像を絶するものでした。「すばらしい!」の一言です。

「高鷲IC」で東海北陸自動車道を降りた後は、再びR156に入り、郡上八幡方面に向かいます。しばらく下り坂を走ると、道は長良川と並走しはじめます。今度はバイクの走る方向に川も流れています。そうです、分水嶺を越えたのです。ゆるやかに流れる長良川では鮎釣りに興じる人があちこちに見られ、気温は34度、真夏到来を肌で感じます。R156を北濃地内まで来るとR156に寄り添うように長良川鉄道が走り、あたかも昭和初期にタイムスリップしたような感覚に懐かしさを覚えてしまいます。この道は別名『桜街道』と呼ばれ、走っていると道沿いに延々と桜が植えてあることに気づきます。過去に、旧国鉄(現JR)バスの車掌であった佐藤良二さんという方が「名古屋~金沢間」を走るバス路線沿いに桜を植え始めたのだとか。佐藤さんは47歳で亡くなられましたが、その志は、同じバスの運転手や同僚などにより意志を継がれ、毎年みごとな桜を咲かせているそうです。

イメージさて、ここまでくればゴールの「郡上八幡」まではもうすぐです。車の量もすこしずつ増えてきているように思います。ゴールまで気を抜かないように走りましょう。白鳥から先は「国道」、「鉄道」、「長良川」、「高速」の4線が右に左に入れ替わりあたかも子犬がじゃれ合っているかのように見えてきます。そのような風景の中を白鳥から15kmほど走ると清流の街「郡上八幡」に到着です。今は『郡上おどり』の真っ最中。街の中にはあちこちから郡上おどりの唄が流れ、観光のお客さんがそぞろ歩いています。古民家風のお店の前には鉢植えの“ほおずき"がさりげなく置かれ、頭上には郡上おどりの大きな提灯が下げられてお祭りムード一色です。何度来ても見飽きない町並みの中で、無事今回のツーリングを終えた安堵感はまた格別のものでした。さぁて!今日はゆっくりお湯にでも浸かり、郡上おどりのお囃子を聴きながら冷たいビールでも飲みましょうか…。肴は長良川の鮎かアマゴの甘露煮で決まり! では また来月にお会いしましょう!

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

世界遺産「白川郷」

問合/白川村・白川村商工会

住所/岐阜県大野郡白川村鳩谷391-3

電話/05769-6-1708

URL/白川村・白川村商工会

道の駅「桜の里荘川」

住所/岐阜県大野郡荘川村猿丸82-1

電話/05769-2-2044

営業/9:00~17:00

休日/年末年始

URL/道の駅ガイド

祐太パパ
プロフィール
祐太パパ

49歳。2006年式ハーレーダビッドソンFLHTCUI所有。ちなみに奥さんも大型二輪免許を持っており、夫婦揃って北陸だけでなく、関西・中部などあちこちまでツーリングで足を伸ばし、全国各地に知人は多い。

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