『バイク乗りの勘所』

進路前方の障害物

掲載日:2014年03月31日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

本コラム『優先車妨害をしていないか』(2014年1月20日掲載)の続編というか、関連する話として、どうしても書いておきたいのは、進路の前方に障害物があった場合の運転についてである。障害物というのは、例えば駐車車両だったり、道路工事箇所だったり、場合によっては歩行者だったり自転車だったりする。で、そうした場面で障害物を避けて走行するときに“前のクルマが行ったから、自分も続いて…”と、付和雷同している運転者の、あまりの多さに閉口する。

対向車がいなければ、それでもいい。しかし、対向車がいる場合は対向車が優先だ。前のクルマに続いて進んだアナタが、対向車を待たせたり避けさせたりしてはいけないのである。仮に対向車が譲ってくれたとしても、これ幸いと進むのではなく、障害物の手前で止まって譲り返すくらいの気持ちの余裕と尊法心を持ちたいものである。対向車が譲ってくれて、前車が進んだとしても、対向車が譲った相手は前車であってアナタではない…という事例も多々あるので要注意。

ここまでの話は、どちらかというとクルマの運転をイメージしつつ“前車=たまたま前にいたクルマ”を想定していた。しかし、場面設定がオートバイの運転で“前車=いっしょにツーリング中の仲間”だとしても同じことである。前車が、たまたま前にいたクルマの場合よりも、いっしょにツーリング中の仲間の場合のほうが“続いて行きたい”気持ちが、より大きくなると思うが、そんなことは、優先車妨害という違反行為において、何の言い訳にもならないと心得るべし。

“固いことを言うな”とか“少しくらいかまわないじゃないか…”と言う人もいるだろう。だが、譲り合いというのは、譲る側が譲るかどうかを決めるものであり、譲ってもらう側が言い出すのは筋違いもはなはだしい。“譲り合いに関して自分とは考えの異なる運転者が存在することを忘れず、自分が譲るべき場面では例え相手が譲ってくれても先に進まない。この2点に留意した安全運転を心がけたい”…と、以前のコラムで書いたが、進路の前方に障害物がある場合も同様である。

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