『バイク乗りの勘所』

配線の延長や分岐は確実に

掲載日:2014年03月10日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

電装系トラブルには、電装品は何ともないのに、配線に原因がある例が多い。製造後、長くて20年、早ければ5年ほど経過したあたりから、配線類の被覆(シース)の硬化やひび割れ、ギボシ端子やアース金具の錆による導通不良などが生じやすくなる。こうしたトラブルに見舞われたとき、よくやるのが“バイパス”である。不具合の生じた配線はそのままに、別の新しい配線を追加し、そちらに電気が流れるようにするわけだ。この場合、どこかで元の線と接続しなければならない。

トラブル対策ではなく、電装品を追加したときもまた、新しく配線を追加(多くの場合、給電ラインとアースライン)することが多い。この場合は、どこかで電源ラインに分岐を設け、そこから給電ラインを引く。アースのほうは、追加した電装品の近くで車体に落とすこともあれば、既存のアースラインに割り込ませることもある。後者の場合は、やはりどこかに分岐を設ける必要がある。こうした接続や分岐を施工するとき、電圧が12Vだからといってナメてかかってはいけない。

気をつけないと、トラブル対策のはずが二次トラブルを招いたり、新しい電装品のための配線が従来の配線をダメにしたりする。そうならないためには、次のことがらを守って施工したい。1)銅線を絡めるだけの接続はしない。2)分岐時は従来線を切らず、被覆だけ剥がして支線を接続する。3)接続箇所は、必ずカシメるかハンダづけをし、少々引っ張っても外れないようにする。4)絶縁には、安物のビニールテープを使わず、熱収縮チューブかハーネス用ビニールテープを使う。

1)は乾電池と豆電球で遊んでいる子供じゃないんだから当然として、2)は、特殊な例を除き、従来線のほうが大切なはずだから、追加線が死んでも従来線は生き残るようにしておくため。3)には、ギボシターミナルなどのカシメ部分だけを切り取って使うという手もある。4)は、安物のビニールテープに多い接着剤の液状化とそれによるズレを防ぐのが主旨。縦割りの樹脂ホースを被せ、タイラップというのもありだし、分岐箇所には二股の熱収縮ブーツといった便利な物もある。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索