『バイク乗りの勘所』

中途半端な車間距離は危険

掲載日:2013年02月18日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

2つ前のコラムに『信号待ちは車線の端で』と題して、防衛運転について書いた。また、うんと前、2011年9月には『車間距離こそ安全運転の要』と題しても書いている。どちらも車間距離に関する話ではあるが、では、車間距離を長めにすればいいかというと、これがなかなか難しい。前車に続いて直進しているときの中途半端な車間距離は、対向右折車の無理な突っ込みを誘い、かえって危険なことがあるからだ。これをお読みのみなさんにも、おそらく心当たりがあるはずだ。

車間距離について考えるとき、相手の立場に立ってみると、よくわかる。自分が、上に書いた対向右折車のドライバーになってみるのである。そして、交差点内で右折待ち、つまり、対向の直進車が途切れるのを待っている場面を想定してみよう。そのとき、おそらく、対向車が数珠(じゅず)繋ぎの間は曲がろうとせず、あきらめモードで止まっているが、対向車がまばらになる、あるいは数珠繋ぎの間に1箇所、長めの車間を見つければ、そこで曲がろうとするのではないか。

←車車車車車…と、延々と対向車が続いている中に、←車車 車車…と、わずかな隙間を見つけたとき、そこに突っ込みたくなるのは、ドライバーとして自然な心理という他ない。だから、そうした対向車の“突っ込みたくなる気持ち”を誘わないためには、長すぎない車間距離、あるいは、突っ込んで来られても余裕でやり過ごせる、うんと長めの車間距離が望ましい。バイクの場合、クルマよりうんと車幅が狭く、相手には隙間が広めに見えるということも知っておきたい。

さらに言うと、前車に続いて交差点内を直進するときは、なるべく右に寄って走るのが安全だ。そのほうが対向車からアナタが見えやすく、アナタから対向車が見えやすいからだ。これまた、対向車の立場に立ってみればわかりやすい。クルマが途切れたので右折しようとしたら、やりすごした対向車の影にバイクがいた!…という例だ。こうした“相手の立場に立つ”のと合わせて“相手は焦っている”ということを念頭に置き、走り方の改善に取り組みたいものである。

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