『バイク乗りの勘所』

信号待ちは車線の端で

掲載日:2013年01月28日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

先日、職業ドライバー(トラック運転手兼運行管理者)の方と話す機会があった。クルマ好きの彼はメカニズムに詳しく、乗ってはいないが、バイクの構造や走りにも精通している。そんな彼が、仕事でトラックを運転中、最も気を使う場面のひとつが、スポーツバイクの後ろを走っているときだそうだ。「ブレーキ性能が全然違いますからね。目の前でフルブレーキングされたら、突っ込むしかありませんわ」とのことだ。だから当然、車間距離は長めに保っているという。

「突っ込むしかありません」は冗談だとしても、もともとスポーツバイクと比べれば制動距離が長めなのに加え、宅配便やコンビニの納品など小口配送業務のトラックドライバーは “急発進・急ブレーキ・急ハンドル” をしないよう、徹底した教育と管理(加減速&揺動センサーつきドライブレコーダーによるチェックなど)をされているから、上に書いた “長めの車間距離” をはじめ、急ブレーキや急ハンドルを避ける(商品を守るための)運転を心がけているのだそうだ。

その彼に、スポーツバイクのライダーへの要望を聞いてみたところ、2つの答えが返ってきた。ひとつは、すり抜けや追い越しでトラックの前に入ったときは、急に速度を落とさず、できるだけ後ろとの間隔を開け、できればさらに前に行ってほしいとのこと。もうひとつは、信号待ちや一時停止などをするときは、片側1車線の道では左端、片側2車線以上の道では、左でも右でもいいから車線の端で止まってほしいということだった。いずれも、追突の危険を避けるためだ。

前車との車間調整や、前車に追突しないように運転をするのは、本来、後車がすべきことであり、そんなの知ったことか…と、傍若無人の運転をするバイク乗りが(私も含めて)多いが、追突事故の可能性を減らすだけでなく、同じ道を走る “運転者” として、お互い気持ちよく運転できるように、トラック、中でも小口配送中の中型貨物車を見たら、併走せず、直前を走らず、追いついたときは速やかに前に出たあと、できるだけ離れるなどの “防衛運転” を心がけたい。

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