
掲載日:2012年12月10日 タメになるショートコラム集 › バイク乗りの勘所
Text/Nobuya YOSHIMURA
筑波サーキットで行われたロードライダー誌のフェスタ “飛び出すロードライダー!” に、スタッフの一員として参加してきた。JD-STER ドラッグ走行会、BK Riding School の公開ライディングスクール、カスタムマシンのデモラン、カスタムバイクコンテスト、撮影会など、盛りだくさんのイベントの中で、とくに見ごたえがあったのは、NO LIMIT JAPAN の面々によるエクストリームショーで、ウイリー、ジャックナイフ、ドリフトなどの妙技に見とれていた。
彼らの走りを見ていて感じたのは、何かの “ワザ” の途中もその前後も、とにかくマシン+ライダーの動きがリズミカルで、かつ、無駄がないことだ。マシンコントロールの基本がスロットル+ブレーキ+ステアリング操作と体重移動だという点では、フツーの人が普通の道を走っているときと変わらないのだが、それに加え、今の操作によって生じるマシンのリアクションを、次の操作のきっかけにする、あるいは次の操作に利用しているのがわかる。
そういえば、世界 GP の 500cc クラスで 1990~1992年の3年連続チャンピオンを獲得したウェイン・レイニーが「サスのリアクションを積極的に使ってマシンを制御している」と話していたのを思い出す。リアクションを使うためには、マシンに逆らわないことが重要で、ショックが縮んでいる途中で伸ばそうとしたり、伸びている途中で縮めようとせず、縮んだあとの反発や、伸びたあとの戻りに合わせて操作すれば、安定性を損なわず、無駄なくコントロールできる。
普通に走っていて、最もわかりやすいのは “S字の切り返し” だ。リーンしているマシンを起して逆にリーンさせるとき、前後ショックは伸び~縮みの動作をする。このリズムを無視して、まだ伸びている途中で逆にリーンさせたり、伸びたあとで戻り(縮み)はじめてからリーンさせるよりも、ショックの伸縮のリズムに合わせてリーンさせたほうが、無駄なく安定してマシンを操縦できる。これを習得すれば、ライディングもセッティングも飛躍的に上達するはずだ。
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