『バイク乗りの勘所』

ピースサインを実践してみた

掲載日:2012年05月21日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

このコラムの3月26日版に 『ピースサイン復活に向けて』という一文を書いた。その後、5月7日版に書いた 『下道+フェリーの旅』の道中で実践した。実は私もリターンライダーの一員で、1990年代の約10年間まったくバイクに乗らず、復帰したのは2000年。復帰してから10年以上、自分から進んでピースサインを出したことはなかったのに、あれを書いた張本人がしないわけにはいかぬ…とばかり、昔を思い出したり、あれこれ試行錯誤しながらやってみた。

やってみた…とは言っても、バイクと見れば、だれかれかまわずピースサインを出していたわけではない。つまり、最初に “出す/出さない” の見極めをしていたのだ。しかし、これが実に難しい。旧車會系とバカスク系には出したくないが、旧車愛好家と正統ビクスクには出したい…となると、かなり近づかないと見分けがつかないからだ。もちろん、音も判断基準に加えたが、いずれにしても、速度を落とさないと判断~行動の間の時間が足りないのである。

返礼する側にしても、最初にピースサインを出してくれた相手の速度が高すぎると、応えても見えないんじゃないかと思うだろうし、実際、応えてくれても見えない可能性大である。そんんなわけで、前回のツーリングでは、対向してくるバイクを見つければスロットルを戻し、見極め~判断~行動までの時間と、それを相手が見つけ、返礼してくれたのを見届ける時間を稼げるようにした。走ったルートが、飛ばして楽しい道ではなかったのもラッキーだった。

3月26日版には “(返してもらえなかったときの)ヤな気分も、5人に1人が返してくれれば解消する” と書いたが、結果は8割程度が返礼してくれ、その多さに驚き、喜んだ。しかも、その多くが “間髪を入れず” と言っていいほどのタイミングなのだ。自分から進んで出す気はなくとも応える準備はしていたのだと思いたい。心の中で “アカンベー” をしてやった相手もなくはなかったが、まあ、そいつとすれ違うことは二度とないだろうから、気にすることはない。

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