【関東ツーリングスポット紹介　群馬・上毛三山】ワインディングをハシゴしてライド三昧!!

【この記事の目次】
■奇岩が織りなす山岳美「妙義山」
■ワインディングと景観が両方楽しめる「榛名山」
■石段街の散策が楽しい「伊香保温泉」
■日本三大うどんの一つ「水沢うどん　清水屋」
■ズラリと並んだ土器が壮観「上毛野はにわの里公園」
■日本百名山を爽快にライド「赤城山」
■眼下の夜景を見下ろせる「群馬県庁」

奇岩が織りなす山岳美「妙義山」

上信越自動車道を甘楽スマートICで降り、まず初めに訪れたのは妙義山です。今回は少し遠くから眺めただけなのですが、その山肌はギザギザで切り立っており、思わず息を呑むような威容を誇っています。数々の奇岩が織りなすその姿は日本三大奇景の一つとされているほど。そんな妙義山を愛車とともに写真におさめられるのが、安中市東上磯部にあるJAの碓氷安中カントリーエレベーター（穀物用の大型貯蔵施設）付近。このあたりは田園地帯で広々としており、その向こうに突然ニョッキリと屹立する妙義山が姿を表すその様は、異世界感たっぷりの不思議な光景です。

ちなみにこの付近から振り返り、妙義山の反対側を見渡すと、遠くには赤城山を望むこともできます。

今回は時間の都合で立ち寄れませんでしたが、近くには群馬県特産のこんにゃく料理を無料で試食できる「こんにゃくパーク」や、世界遺産にも選ばれた「富岡製糸場」などもあるので、ツーリングプランに組み込むのもアリでしょう。

JA碓氷安中カントリーエレベーター
住所：群馬県安中市東上磯部2054

ワインディングと景観が両方楽しめる「榛名山」

ここからは県道を走りつないで北上し、榛名山を目指します。榛名山という名はいくつもの峰を総称したものですが、その象徴となっているのは榛名富士と呼ばれる山と、そのすぐ脇にある榛名湖です。榛名山は古来から山岳信仰の場であり、南西麓には榛名神社が祀られています。県道33号線を榛名湖に向かって上っていくと途中にあるので、道中の安全を願いながらお参りして行きましょう。参道に入る目印は、赤い大きな鳥居です。ちなみに参道には多くの食堂や土産物店が並んでいて、お店を利用すればバイクや車を駐車できます。

境内は広く本殿までは10分ほど歩きますが、入口にある神仏習合の面影を残す随神門をはじめ、杉林や奇岩と調和した多くの社寺建築は見応えがあります。

榛名神社
住所：群馬県高崎市榛名山町849
開門：7:00～18:00（10月～3月は17:00まで）

榛名神社から先、道は杉木立を縫いながらクネクネとタイトなコーナーが続きます。見晴らしはあまり良くありませんが、バイクで走るととても楽しいルートです。今回は軽二輪スクーターのADV150なのでパワー不足ではありますが、十分爽快感を得ることができました。

勾配を上りきったところで、榛名湖の湖畔に到着です。眼の前には秀麗な榛名富士が姿を見せ、周囲には土産物店や食堂、ポート乗り場などがあるので、湖畔を見ながら休憩したり、愛車と写真を撮るにも最適です。

湖の東側にそびえる榛名富士にはロープウェイがあり、わずか3分ほどの乗車で山頂まで行くことができます。山頂からの眺めは絶景で、榛名湖をはじめ谷川連峰や浅間山、関東平野も遠望でき、晴れていれば富士山を望むこともできます。

山頂にある榛名富士山神社は縁結びや安産にご利益があり、山麓の駅で絵馬を買って山頂の神社で結ぶと願いが叶う、と言われているとか!?

榛名山ロープウェイ
住所：群馬県高崎市榛名湖町845-1
料金：大人往復950円（15分間隔で運行）
運行時間：【4～11月】9:00～17:00（のぼり最終16:30）
【12～3月】9:00～16:00（のぼり最終15:30）

ところで榛名山といえば、クルマで峠バトルを題材にアニメ化もされて大ヒットとなった『頭文字D』の舞台となったことでも知られています。ここから伊香保温泉に下っていく県道33号線は、主人公のホームコースのモデルとなった道と言われており、いくつものヘアピンカーブをはじめ、さまざまに表情の違うコーナーが連続していて、バイクで走っても飽きない道です。

訪れた際には偶然アニメそっくりの「ハチロク」が現れてびっくり。

コーナーの魅力以外にも、榛名富士脇の長い直線がメロディライン（路面加工により走ると音楽に聞こえる）になっていたり、峠の途中には見晴らしのいい「高根展望台」があるなど、観光道路としても楽しめるルートとなっています。

石段街の散策が楽しい「伊香保温泉」

峠を下ると伊香保温泉に行き当たります。400年を超える歴史ある温泉は石段街が有名で、365段もある階段の両脇には土産物店や飲食店、懐かしい射的屋や足湯などが並んでいます。ここはバイクを置いて観光客に徹し、食べ歩きをしながらブラブラと散策したり、日帰り入浴を楽しむのもいいでしょう。

伊香保温泉石段街
住所：群馬県渋川市伊香保町伊香保94-2付近

バイク駐車可能な公共駐車場
徳冨蘆花記念文学館駐車場(P1)
料金：バイクは2時間まで100円

日本三大うどんの一つ「水沢うどん　清水屋」

さて、遅めの昼食はご当地名物である水沢うどんを食べることにします。水沢うどんは秋田の稲庭、香川の讃岐と並んで日本三大うどんの一つに挙げられているんです。伊香保温泉から県道15号線を下ると、1.5kmほどの間に十数軒のうどん屋が密集したエリアがあり「水沢うどん街道」と呼ばれています。

お店ごとに麺やつけだれにこだわりがあって迷いますが、今回は創業400年を超えるという一番の老舗「清水屋」さんに入りました。

こちらではうどんを中国から伝来した際の「饂飩(うむどん)」という名で呼び、水沢の湧水を使った手打ちの麺やごまだれにこだわり、老舗の味を守っているとのこと。

注文したのは「ざるうむどん（1100円）」。ツヤツヤの麺はしっかりとコシがあるのに喉ごしがよく、ごまの風味豊かなつけだれとマッチして美味しく、あっという間に完食してしまいました。時間があればほかの店をハシゴするのも楽しそうです。

手打ちうむどん始祖 清水屋
住所：群馬県渋川市伊香保町水沢204
営業時間：10：30～15：00
定休日：木曜日

うどん街道を下っていくと……トトロのバス停があったので、思わず記念撮影！

ズラリと並んだ土器が壮観「上毛野はにわの里公園」

この後は赤城山エリアに向かうことにしますが、途中でちょっと面白い施設を見つけました。それが、「上毛野（かみつけの）はにわの里公園」です。ここは3基の前方後円墳がある保渡田古墳群を保存してある歴史公園で、博物館や文学館なども併設されています。特に目を引くのが1500年前の姿を復元した八幡塚古墳で、周囲をはにわや土器がズラリと取り囲んだ古墳を散策したり、王の石棺の実物を見学できるようになっています。

古墳やはにわをこれだけダイナミックに感じ、触れ合える施設はかなり貴重ではないでしょうか。

上毛野はにわの里公園
住所：群馬県高崎市保渡田町2000-1

日本百名山を爽快にライド「赤城山」

いよいよ上毛三山の3つ目である赤城山へとマシンを向けます。関越自動車道や利根川を横切り、前橋市内を突っ切って県道4号線をひたすら上がっていくことにしました。赤城山は標高1,828ｍの黒檜山（くろびさん）を主峰として駒ケ岳や地蔵岳などいくつかの峰からなっており、日本百名山にも選ばれています。県道は市街地から徐々に標高を上げていきますが、最初のうちは直線が多かったものの、上に行くにつれ、連続するヘアピンカーブや深めのコーナーが増えていきます。榛名山よりも標高が高く距離も長めなので、なかなか走り甲斐がありますね。訪れた時はちょうど紅葉の時期で、道の両脇には紅色や黄色に色づいた木々が出迎えてくれました。道を上っていると赤城駒ケ岳でしょうか、時おり麗しい山体がコーナーの前にどんと姿を見せるなど、走りだけでなく自然豊かな景色も楽しめるルートだと感じます。

山頂には火山活動でできたカルデラ湖である赤城大沼があり、周囲には旅館や食堂、土産物店などが点在する観光地となっています。残念ながら日没を迎えてしまったので散策はかなわず、湖畔のフォトスポットでかろうじて写真を撮るだけになってしまいましたが、いずれまたツーリングに訪れたいと思います。

赤城大沼 AKAGIフォトスポット
住所：群馬県前橋市富士見町赤城山3

眼下の夜景を見下ろせる「群馬県庁」

周囲はすっかり暗くなってしまいましたが、実はあえて日没後にもう1カ所寄りたい場所がありました。赤城山を一気に駆け下りて向かったのは、前橋市の中心部にある群馬県庁です。建物は33階建て153.8mで、道府県庁舎としては日本一の高さだとか。

ここの32階が展望ホールになっていて、誰でも無料で入ることができるんです。昼間は榛名山や赤城山、浅間山などの景色を楽しめますが、夜景もまた格別です。

ホールにはカフェもあるので、美味しいコーヒーを飲みながら前橋市内の煌びやかな夜景を眺め、旅の締めくくりとしました。

群馬県庁32階展望ホール
住所：群馬県前橋市大手町1-1-1
利用時間：平日8:30～22:00／土日祝日9:00～22:00時　バイク無料駐輪場あり

1日で回るにはちょっと慌ただしいルートでしたが、走りを楽しめる峠がいくつもあり、グルメや温泉もあって、上毛三山はバランスの取れたツーリングを楽しめるエリアだと思います。冬期は路面凍結に注意が必要ですが、降雪さえなければ寒い時期でも走れるので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。