【関東ツーリングスポット紹介 東京都奥多摩】東京都内に残された秘境、奥多摩でジオスポット巡り

掲載日:2023年07月03日 フォトTOPICS    

取材・文/伊井 覚 写真/伊井 覚、野岸 泰之

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関東地方にはツーリングの定番スポットがいくつかあります。今回は東京都内とは思えない大自然にたくさん出会える奥多摩。さらにその中でもとっておきの「ジオスポット」を巡っていきましょう!

【この記事の目次】
■神秘の世界「日原鍾乳洞」
■惣岳渓谷を一望できる「しだくら吊り橋」
■「奥多摩 水と緑のふれあい館」
■一度は走りたい「奥多摩周遊道路」
■滝壺にも入れる「龍神の滝」
■奥多摩最強のジオスポット「神戸岩」

非日常の東京
ディープな奥多摩を満喫!

奥多摩は正確には東京都西多摩郡奥多摩町です。今回紹介するルートにはお隣の檜原村に入るスポットもありますが、ライダーの中には青梅、あきる野などを繋ぐ「圏央道よりも西部のエリア」をざっくり奥多摩と呼んでいる人が多いと思います。

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奥多摩湖を中心に東京都内とは思えない大自然が広がっており、奥多摩周遊道路など快適なワインディングが多いことから週末になるとたくさんのライダーが訪れます。おしゃれな飲食店や体験施設、温泉なども多いのですが、今回は特に非日常を感じられるようなジオスポット(地球や大地の成り立ちを感じることができる観光地)を中心に紹介していきます。

日本の鍾乳洞ベスト9に選ばれた
神秘の世界「日原鍾乳洞」

前回の秩父編でも鍾乳洞を紹介しましたが、今回紹介する「日原鍾乳洞」は、日本観光鍾乳洞協会から日本鍾乳洞9選に選ばれているくらい規模が大きい鍾乳洞です。奥多摩を走るライダーの多くは国道411号を走って奥多摩にアクセスしますが、走りやすい国道411号を敢えて逸れてまで、この日原鍾乳洞へ通じる都道204号に入ってくることはほとんどありません……。

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道幅が狭い都道を走って小さい集落を抜けた先の終点に日原鍾乳洞はあります。バイクと自転車が数台停められる駐輪場があるので、目の前までバイクで行くことができますよ。

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大人一人900円の入場料……ちょっと高く感じるかもしれませんが、中に入れば納得の広さ! 入口に近づくと洞窟の中から冷気が漂ってきます。

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入ってすぐに鍾乳洞内のルートマップがあります。え、めちゃくちゃ広くない?

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ライトアップされた神秘的かつ広大な空間や、急斜度の階段がたくさんあり、かなりアドベンチャー気分が味わえます。登り降りも多いので、ゆっくり歩いて全て見て回ると1時間くらいかかりますが、サクサク30分くらいで回ったらかなり疲れました。

都会の暑さに辟易しているライダーの皆さん、ぜひ涼みに行ってみてください。

惣岳渓谷を一望できる「しだくら吊り橋」

都道204号で奥多摩駅に戻り、再び国道411号を西へ。少し行ったところで左手に現れた脇道に入り、そのまま進むと「奥多摩むかしみち」という国道411号と並走する旧道になります。奥多摩駅から奥多摩湖まで、およそ9.4kmにわたって続く道で、ハイキングコースとしても人気があります。この道にはお地蔵様や吊り橋、神社などが点在していますが、今回の目的地はその中の一つ、「しだくら吊り橋」です。

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駐車場はなく、バイクや自転車ならかろうじて2〜3台置けるかな、という程度。でもあまり長時間停めておくと迷惑になっちゃいますね。

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この吊り橋は長さが67.15mあり、町内最長。吊り橋の手前には「危険なので同時に渡るのは二人まで」と書かれています。こわ。

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高所恐怖症の人にはおすすめしません!

ちなみに橋を渡って渓谷の対岸に行くと木々を伐採した跡があり、さらに奥に行くと火薬庫跡があります。トンネルやダムの建設などに用いられたものでしょうか。

小河内ダムカレーでちょっと一休み
「奥多摩 水と緑のふれあい館」

惣岳渓谷から更に国道411号を西へ行くと、小河内(おごうち)ダムに着きます。そしてダムの堰堤から続く駐車場横には「奥多摩 水と緑のふれあい館」があります。

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ここでは森や水の誕生について学ぶことができるほか、奥多摩の歴史や文化にも触れることもできます。

そして最上階にあるパノラマレストラン「カタクリの花」では奥多摩湖を眺めながら食事をすることができるんです。そこで一番人気のメニューがこちら。

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そう、ダムカレーです。小河内ダムだけでなく、全国にあるたくさんのダムに併設されたレストランにはそれぞれのダムカレーがありますが、この小河内ダムカレーはまた特徴的な形をしていますね。ライスがダムの堤防を表現しており、その上に刺さったハッシュポテトはエレベータ塔と展望塔を、ブロッコリーは奥多摩の針葉樹林を、カレーの湖に浮かんだニンジンとコーンはドラム缶橋を、ゆで卵は管理用船を表しています。ボリュームたっぷりで¥1,300(税込)。1日限定20食なので、絶対に食べたい、という方はお急ぎください!

ライダーなら一度は走ってみたい
「奥多摩周遊道路」

お腹がいっぱいになったところで、「奥多摩周遊道路」へ。国道411号を更に西へ走り、深山橋(みやまばし)の信号を左折して国道139号へ。橋を渡ったらまたすぐに交差点を左折して都道206号へ入ります。

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こちらは国道411号の途中にある峰谷橋(みねだにはし)。奥多摩にはこんな旅情あふれる素敵な橋がたくさんあります。

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ようこそ、奥多摩周遊道路!

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この奥多摩周遊道路は全長19.7kmあり、開通した昭和48年当初は有料道路だったものが、平成2年に無料化。車にとってもバイクにとっても気持ちの良いワインディングが続く一方で、スピードの出し過ぎなどによる事故も多く、一方通行規制されていた時もありましたが、現在は特に制限なくどちら側からも通行することができます。

途中にいくつか展望駐車場が設けられており、天気の良い日には浅間尾根駐車場から新宿の高層ビル群や東京スカイツリーを見ることができます。また、風張峠(かざはりとうげ)駐車場は標高1,146mで東京都道最高地点になっています。

道中にある都民の森にはレストランや休憩所が設けられ、様々な展示や体験コーナー、いくつものハイキングコースがあり、ライダーの休憩所としても定番になっています。取材日は残念ながら定休日でした。

ちょっと休憩ついでにリフレッシュ
滝壺にも入れる「龍神の滝」

奥多摩周遊道路を抜け、そのまま都道206号を檜原村方向に進むと、蛇の湯と数馬の湯がある小さい温泉街に出ます。温泉に立ち寄りたいのも山々ですが、この周辺にはたくさんの滝があるんです。いつもは走るのに夢中で通り過ぎてしまうのですが、今回はその中の一つ「龍神の滝」を訪れることにしました。

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道の脇に駐車スペースがあり、小さな看板が……。これは気持ちよく走っていたら見逃してしまっても仕方ないですね。

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こんな細い階段を降って少し行くと、

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すぐに滝が見えます。道路からのアクセスの良さはピカイチ。あまり時間がなくてもちょっと寄り道してマイナスイオンを浴びることができます。

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この滝は誰でも滝壺まで入ることができちゃいます。なお、近隣のお寺の中には滝行体験をやっているところも多いようです。

奥多摩最強のジオスポット
岩壁を歩いて渡る「神戸岩」

最後に紹介するのは奥多摩の中でも一番のジオスポット「神戸岩(かのといわ)」です。ここは奥多摩に何度もツーリングにきている僕も、今回初めて訪れました。何故かというと、主だった道から大きく外れており、行き止まりになっているため存在すら知らなかったからです。

かつては神戸林道という林道で奥多摩駅の近くへ抜けることができたらしいのですが、現在は頑丈なゲートで通行止めになっていました。

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神戸岩の麓には駐車場とトイレがあります。ただし近くには「ツキノワグマ出没注意」の看板も……。なお、平日の午後5時には人の気配が全くありませんでした。道沿いにある手掘りのトンネルを潜るとすぐに神戸林道の通行止めに当たります。このトンネルがまた……。途中でカーブしているため真ん中には光が入らず真っ暗で、天井からは絶えず水が滴ってくる恐ろしいトンネルでした。

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そしてこの神戸岩。道から眺めるだけでなく、歩いて踏破することができるんです。看板のあった場所から細い脇道に入っていくと、すぐにこんな道が出現します。道なのか、これは……?

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さらに進むとこんな感じで岩に杭が打ち付けてあり、その杭をチェーンで繋いでいる道に出ます。ところどころ足場の岩が崩れており、そこには金網が置かれていたりします。足元も滑りやすく、非常にデンジャラス。まるでロッククライミングのような体験ができるスポットでした。

なお、この道を抜けると先ほどのトンネルの反対側に出るため、あの怖いトンネルを歩いて戻って来ることになります。もちろんこの神戸岩を引き返しても良いのですが、この道で誰かとすれ違うのも怖いので、トンネルを選びました!

さて、今回の奥多摩ツーリングはこれにて終了です。東京都内とは思えないほどの大自然が体感でき、日帰りで非日常を味わうにはもってこいの場所です。もちろん今回紹介できなかった美味しいお店や観光スポットなど、まだまだたくさんありますので、ぜひ自分のバイクで訪れてみてください。

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