掲載日:2019年11月08日 フォトTOPICS
取材協力/ホンダモーターサイクルジャパン 取材・写真・文/青木タカオ
10月12日(土)に開催されたイベント「Honda Motorcycle Homecoming(ホンダ モーターサイクル ホームカミング)」で、本田技研工業熊本製作所が1900名もの人で賑わった。この催しはホンダ2輪製品の生まれ故郷=マザー工場である熊本製作所に、年にいちど帰ってきてもらいたいという願いから企画されたもので、今年で2回を迎えた。
参加費無料で、ホンダ2輪ユーザー以外も大歓迎。実際、国内外を問わずさまざまなメーカーのバイクがパーキングスペースに並んでいる。プログラムは充実し、スーパーカブからゴールドウイングまでホンダ最新バイクを体感できる試乗会では、そのモデルの開発責任者もアテンド役や先導ライダーに混ざって参加者らの意見に耳を傾けていたのが印象的であった。熊本製作所ならではと言え、もしかすると参加ライダーの忌憚なき意見がニューモデル開発に反映されるのかもしれない。
屋外特設ステージは、元ホンダワークスライダー宮城 光氏とバイク女子として活躍中の大関さおりさんがMCを務めるトークショーで大盛況。CB1000 SUPERFOURを皮切りとした「PROJECT BIG‐1」生みの親、原 国隆氏(元本田技研工業・開発責任者)が登壇すると、「CBR1000Fのカウルを外したらエンジンの外観も良くて、これで行こうとなった……」など、開発秘話が次々と飛び出し、ファンにとっては聞き逃せない貴重なトークイベントとなった。
また、元MotoGPライダーの高橋裕紀選手(KYB MORIWAKI RACING)も駆けつけ、熊本製作所で組み立てられるRCV213V-Sに跨るなど、レースファンも満足のいく時間を過ごせた様子だった。
「CBと駆け抜けた60年展」では、ベンリイCB92スーパースポーツをはじめ、ドリームCB750FOUR、CBX1000、CB750Fなどファン垂涎の名車たちが集結。
さらにCB92、CB750 FOUR、CB1000 SUPERFOURのデモンストレーション走行も実施され、ベテランライダーには懐かしく、そうではないユーザーには憧れのマシンの実走シーンを目の当たりにする歓喜の瞬間となり、ギャラリーらはそのサウンドや堂々たる姿に酔いしれるばかりであった。
唯一、ホンダ2輪ユーザーでなければエントリーすることができないプログラムが、熊本製作所内の生産ラインなどに立ち入りできる工場見学。普段も予約すれば見学可能だが、イベント限定で立ち入り禁止エリアも一部開放されたからリピーターも目を輝かせた。今年は「エンジン分解実演」も3回、タップリ時間をかけておこなわれ、内部構造を知ることができた。
名物の「カツカレーうどん」も大好評。「金曜日のカレー」と業界内では知る人ぞ知る有名な味で、埼玉や浜松、鈴鹿、栃木など全国の社食で従業員たちのお腹を満たしている。普段は金曜日限定だが、その理由は白い作業着にヒミツが。カレーうどんの汁が跳ねても週末には洗濯できるからで、これを食べないと1週間が終わらないという声もあるほどだという。売店では各食堂の個性的なカレーうどんを再現したレトルトが大人気だった。
さて、こうした充実のプログラムをタップリ満喫できるホンダ モーターサイクル ホームカミングだが、朝の入場からライダーたちはすでに感動体験が味わえる。ゲートオープン前から従業員たちは2列になって並び、訪れるライダーを「おかえりなさい」と声をかけて出迎えるのだ。
ここから巣立っていったバイクたちにとって、熊本製作所は言わば生まれ故郷。オーナーたちは愛車の故郷へ1日だけ帰り、こうした暖かいおもてなしを受ける。このゲートインにこそ、ホンダ モーターサイクル ホームカミングの素晴らしさが集約されている。この感動を味わいに、きっと多くのライダーが来年もここへ戻ってくるはずだ。
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