タイムアタックを終えた約200台のマシンが、ゴール地点から一斉に山を下り、街の中心を抜けてパドックへと向かう。
クラシックバイクによるヒルクライムレースそれが「Auerberg Klassik」
「Auerberg Klassik/アウアーベルグ・クラシック」は、ドイツ・ミュンヘンからクルマで約2時間、オーストリアとの国境に近いBernbeuren/ベルンボイレンで開催される、舗装された山道で開催されるヒルクライムレース。1967年から1987年までのあいだ、毎年9月の第3日曜日に開催されていた、アルプスの麓にあるAuerberg (アウアーベルグ)の山道を使ったヒルクライムレースの復刻版として2017年に復活した。以来、2年毎の開催を目指し、今年で復活2回目の開催となる。
封鎖された約2kmの山道のタイムアタックに参加できるのは、1979年までに生産されたビンテージバイクとサイドカーのみ。約200台が年代や排気量により、6つのクラスに分けられた。そこには、普段は博物館に展示されているような往年のファクトリーレーサーから、多くのライダーをレースの世界に引き込んだ70年代のプロダクションレーサーまで、じつに個性豊かなマシンが集まり、また85歳のベテランライダーや多くの女性ライダーなど、参加者のバラエティもじつに豊かだった。
ランチタイムには、フォーミュラーカーやツーリングカー、ラリーカーなどビンテージカーのデモランも行われたほか、クラシカルな衣装で来場した人を対象としたベストドレッサーコンテストなども開催された。次回開催は2021年9月が予定されている。
タイムアタックのコースとなるAuerberg (アウアーベルグ)の山道。普段は地元住民が使う、緩やかなアップダウンが続く一般道。前半は緩やかなコーナーが続き、終盤はテクニカルなヘアピンコーナーが連続する。
パドックからスタート地点には一般道を含めての移動となるため、その時間のみ一般道を封鎖し、約200台が一斉に移動する。その姿は圧巻。
スタート前にくつろぐライダーたち。家族で参加しているチームも多い。
クラシックな衣装で来場すると入場料が割引されるほか、ベストドレッサーコンテストも開催されている。観客も含め、クラシックバイク&カーのイベントを楽しんでいる様子。
メイン会場にある広場にはフードやドリンクのケータリングサービスが出ている。もちろんビールも販売されている。
スタート地点に移動するライダー&マシンを待ち、手を振る観客たち。
スタート地点手前の道路がスタート前のピットとなる。観客たちと出場者の距離が近く、マシンについて質問すると気軽に応えてくれる。
ヤマハ TA。空冷2ストローク2気筒125ccエンジンを抱くレーシングマシン。
カワサキ400S3A。日本では 「MACH=マッハ」で知られる。ライディングしているのは女性ライダーだった。
ホンダCB450Super Sports。軽快なホンダ・ツインサウンドを残してワインディングを駆け上がっていった。
アメリカやヨーロッパ市場向けにリリースされた、空冷2ストローク2気筒350ccエンジンを搭載したヤマハR5。
近代的な足周りがセットされたスズキGS1000。
ホンダCB750ベースのマシン。OHC−CBの人気は依然として高い。
各コーナーでアンダーカウルを擦りながら疾走していたスズキGS1000。
美しいボディラインを持つEckert HONDA F2。CB750のエンジンをオリジナルフレームにセット。外装類もオリジナルでデザインされている。Eckertはホンダエンジンを使用し、他のオリジナルモデルを製作および販売している。
ホンダCBX1000。
4気筒エンジンを抱くホンダCB350 Four。
ジム・レッドマンが駆ったことでも知られる340ccDOHC4気筒GPマシン/RC171のレプリカマシン。
おそらくスズキGS1000用エンジンを搭載したオリジナルのサイドカー。まさにエンジンを抱えて走るイメージ。
ホンダCB550Fourを暖機する女性。彼女のダンナさんがライダーで、ツナギなどを着ている最中、彼女が暖機していた。
ヤマハTZ350を暖機するこの男性は、BMW Motorradの車両開発者。彼自身が、かつてレースに使っていた車両だそうだ。今回はメカニックに徹し、ライダーは友人が務めた。