掲載日:2017年12月26日 プロが造るカスタム
取材協力/ピストンブローククラブ
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2016』に掲載された内容を再編集したものです
カスタムは、1台のバイクを選び自分の好みに合わせていくこと。万人に合わせた市販車を、より速くより扱いやすく仕立てていく。短期的で明確な目標があれば完成という言葉が使えるが、その都度の最新事情やパーツを採り入れることで、進化を続けるという車両も存在する。
右ダクトから縦置きステアリングダンパーが覗くという、大きな特徴を持ったこのGSX750Sもそういった車両だ。16年前にピストンブローククラブに入庫、以来同店の中村さんが依頼に応じて手を入れて来た。その時点でリアに当時の最大幅となる200タイヤを履いたり、倒立フォーク化やそれにともなうフレーム加工等の第2ステージまでがなされ、2001年のザ・カスタムマシン16でも紹介されている。
独創のカウルは当時の同店オリジナル。車体姿勢に合わせてステーをカット/溶接してスクリーンを寝かせる。
ザ・カスタムマシン16で紹介された後、最近になって第3ステージに進んだのがこの姿だ。従前は意識していなかったという軽量化。動きの良いフォークへの換装。リアブレーキの変更。この3点が主目的で、オーナー持ち込みの64チタン製ステムシャフトやアクスルの組み込み(高効果だった)、倒立化にともなう切れ角確保やステアリングダンパーマウント、ハンドルロックの再製作等に加え、エキゾーストを新たなものへ換装。いったん完成したものを再構築したのだから、手間も相当だったようだ。
「元々無理難題をクリアしてるから、次の難題もそう思えない(笑)」と言う中村さんだが、1台にずっと手を入れていたからこそ分かる点、反省を兼ねて進化する点もあるという。しかも、他店に出されても整備しやすい状態まで狙っているというから、作り手の思想も強烈なわけだ。
オーナーからは既に第4ステージに向けた案も出ていて、次の姿も楽しみ。いい意味での「カスタムに終わりはない」を地でいく1台なのだ。
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