ライダーハウス宮島 / CBX750F カスタム写真
ライダーハウス宮島 / CBX750F カスタム写真

ホンダ CBX750F

掲載日:2011年09月02日 プロが造るカスタム    

足まわりのモディファイのみで
ナナハンの実力をフルに味わう

1990年代後半まで20年超と長らく続いてきた国内メーカーの排気量上限自主規制。ナナハン=750ccまでのモデルのみを国内市場に供給するという規制だ。リッタークラスモデルを手に入れたい向きは逆輸入車を期待するしかなかったが、それも今よりはずっと難しく、かつ高価でもあった。今のバイク界を見れば昔話的な感じもするが、メリットもあった。

 

今よりも大きく熱のあった当時の国内市場でのフラッグシップとして送り込まれるわけだから、各モデルはハイメカや各部の作りなど、それにふさわしい構成を受け、高いクォリティを持っていた。これが幸いしてか、今見てもバイクとしての良さ=芯のある作りのためにコントロール性がいいとか、取り回しが良いなど=を持ったモデルが多いのだ。

 

そこでこの'83年型CBX750Fだ。これはライダーハウス宮島代表・宮島さんがかつて街乗り用として使っていたもの。入手した当時の実走行距離が3000kmと非常に少なかったことやコンディションの良さから、エンジンには手を入れていない。ただ足まわりは別で、純正流用カスタムによって前後17インチ化を図った。凝ったのはリヤサスまわりだ。

 

「16/18インチと前後17インチの足まわりではリンク設定も違ってくるということで、アッパーマウント、ボトム側リンクとも新たに製作し直しました。リヤショックは当初スズキGSX-Rの純正品を付けていましたが、撮影時点ではWP製に変更しています」と宮島さん。

 

足まわりは、フロントがヤマハFZR1000(フォーク、ホイールなど)、リヤはスイングアームとブレーキが'96~スズキRGV-Γ250SP、ホイールが'97~ホンダVTR1000F純正だ。基本的には街乗りをメインとするが、ごくたまにサーキット走行もしていて、これがノーマルエンジンながら、なかなかの速さを見せてくれるらしい。

 

「峠でもそうですけど、結局バイクを手足のように扱えるようでないと、速く走ることって難しいと思うんですよ。この年代のナナハンは、全部手の内にある感じがして、それがいいんですよね。ミラーについては、本当はホンダVT250Fの I 型純正が似合うんですけど、問い合わせてみたらメーカー欠品……。ちょっと残念でしたね」と宮島さんは笑う。

 

冒頭の言に照らし合わせれば、油圧式タペットクリアランス調整機構という希なメカを持ったフラッグシップだったCBX-F。今、そのパワーフィールを素のままに良好な車体を味わうというのも、逆に新鮮な気がする。しかも今はその環境が整ってもいるのだ。

ホンダ CBX750Fの詳細写真は次のページにて

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