RETRO / RZ250 カスタム写真
RETRO / RZ250 カスタム写真

ヤマハ RZ250

掲載日:2011年02月16日 プロが造るカスタム    

流用パーツとオリジナルパーツを
バランスよく融合させたカスタム

ある程度の年式を経た車両にとって、他機種からパーツを流用するというのは、非常に有効なカスタム手法と言える。スペシャルパーツを購入する場合と比べてパーツ単体で見た場合はコストを下げることができるし、純正パーツということで、供給も安定している。

 

このパーツ供給の安定というのは意外に重要なことで、例えばツーリング先でトラブルが起きた場合でも、パーツさえ入手できれば問題を克服できる可能性がグッと高まる。さらに、これは特にホイールなどがそうなのだが、公道使用を前提に作られているので、レース用パーツに比べて耐久性にも優れている。だからパーツに対するきちんとした知識さえあれば、これほどお得なカスタム方法はないと言える。

 

ただ注意したいのは、しっかりと着くこと、きっちりした仕上がりを得ることを前提とした場合に、加工工程が必要なことが少なからずあること。この場合は加工工賃も含めてて費用を検討することになる。また流用すべき元の車両の生産が終了した場合には、当然ながら先のメリットだった供給のことも考慮しなければいけない。専用パーツが増えてきた今でこそ流用カスタムの割合は減ってきてはいるが、うまく使いこなせれば、またうまく使える流用パーツがあれば、それを活用すればいいわけだ。

 

レトロが製作したこのRZ250も、そうした手法をうまく採り入れた1台だ。純正パーツを流用しているのは、主にRZ(1980年~)の弱点と言われる足まわり。ここには同じヤマハの2ストローク並列2気筒モデル、R1-Z(1990~1993年)のものを使用する。RZに流用するヤマハ系の足まわりパーツというと、FZR400用などが比較的ポピュラーだが、極端なリム幅のワイド化を避けて、あえて細めのR1-Z用をチョイスしている。R1-Z自体、RZ250の直系と言っていいモデルでもあり、この辺に違和感は感じられない。

 

同様に、エンジンもシャシーとのマッチングを考え、スープアップは軽いヘッド面研とボアアップ程度にとどめている。また、ボアアップに使用しているのもRZ350用の純正ピストン、つまり純正流用でありかつ、RZ250/350の関係をそのまま生かしたものでもある(RZ350のエンジンは250のφ54mmから10mmボアを拡大。シリンダー/ピストンまわり以外はほぼ共通)。

 

さらにこの車両で目を引くのは、各部にバランスよく配されたオリジナルパーツだ。具体的にはステップキット、ステンレス製チャンバー、純正のトラス形状をリファインしたアルミスイングアーム、サイドカバー、そしてリヤブレーキのキャリパーサポートなどで、それらはすべてレトロが自社工場で手がけたものだ。多くのRZを手がけてきただけあって、パーツの質感、機能性とも非常に高いレベルで仕上げられている。流用パーツとオリジナルパーツがうまくバランスした、キレのある1台と言える。

レトロ RZ250の詳細写真は次のページにて

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