掲載日:2009年06月09日 名車ライブラリ
特徴的なエアロフォルムを纏い、歴代空冷Z最強のパワーと大排気量で、同シリーズの「有終の美」を飾ったのがGPz1100である。エンジンは1089ccまで拡大され、dfi(デジタル・フューエル・インジェクション)との組み合わせにより、最高出力は120馬力を発揮。空力に優れたカウリング効果によって、当時としては驚異的な230km/hを超える最高速を実現した。まさにフラッグシップと呼ぶに相応しいパフォーマンスを与えられたモデルだった。
新時代の旗手として、カワサキがいかにGPz1100に期待を込めていたか、それはマシンの各装備からも窺い知ることができる。タンク上部にマウントされた液晶メーター、フロントフォークのアンチノーズダイブ機構、ユニトラックサスペンションの採用など、当時の最新テクノロジーが惜しみなく投入されていたのである。GPz1100は、空冷マシンの新時代を切り拓く存在アとなったはずだ。
しかし、時代の流れはもはや「水冷新時代」を告げるフラッグシップモデル、GPz900Rニンジャへと移行していった。海外市場で主力商品となったGPz900Rに引導を渡される形で、結果的にGPz1100はJ系エンジン最後のフラッグシップとして、その短い歴史に幕を降ろすことになったのである。
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