ホンダ ゴールドウイング(2016-)

GOLDWING(2016-)
HONDA

ホンダ ゴールドウイング(2016-) – 比類なき居住性・走行性能の高さ!

掲載日:2017年05月22日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐賀山敏行  写真/井上 演

ホンダ ゴールドウイング(2016-) 試乗インプレッション

巨体と裏腹に走り出せば軽快!
高速道路もワインディングも楽しめる

ホンダ ゴールドウイング(2016-)の試乗インプレッション

ゴールドウイングに採用されるフレームは、エンジンもフレームの一部として組み込むアルミ製ツインチューブ。低く構えるエンジンを周りこむようにレイアウトし、シート高の低さにも一役買っている。実際、スペック上のシート高は740mmとなっている。大きすぎる車体の迫力に跨ることを一瞬躊躇するが「このシート高なら足つきはかなり良いはず!」と思い直して跨ってみる。座り心地の良いシートの奥にどっかりと座り、いざ足を下ろしてみると……つかない。ゴールドウイングは走行中のホールド感を重視するため、シートサイドの座面が盛り上がっていて、これが足を下ろす際に邪魔するのだ。そのため、足をつくためには座る位置を変える、つまりシート前方へ移動しなければならないのだ。ゴールドウイングがストップ&ゴーの多い街中を重視していないことは、その車体をひと目見ればわかるが、この割り切りには逆に感心してしまった。郊外や高速道路での長距離・長時間移動における快適性に、最大限注力していることがよくわかるディテールだ。

ホンダ ゴールドウイング(2016-)の試乗インプレッション

いざ走り出す。前述の通り、シート自体は低いのだが、独特な形状のおかげで信号待ちがつらい。その反面、走り出してしまえば快適そのもの。大きくて重い車体も、水冷水平対向6気筒、排気量1,832ccのエンジンが軽々と押し出してくれる。低重心かつ滑らかなエンジン特性のおかげで低速でも車体は安定し、ふらつくことがない。そのフォルムから、よく「4輪のようだ」と形容されるゴールドウイングだが、走行安定性の面からも、まるで4輪のようだといえる。それでいて、コーナリング時の軽やかさも特筆すべきポイントで、交差点など極低速で曲がるときも、安定感はそのままに狙い通りのラインをトレースできる。想像以上に小回りも効いて、Uターンも決して苦ではなかった。ちなみに、ゴールドウイングの最小回転半径は3.3mで、ホンダ・シャドウクラシック<400>と同じ。大きさにひるむことなく積極的にアクセルワークをこなせば、驚くほど素直に操ることができるのだ。

ホンダ ゴールドウイング(2016-)の試乗インプレッション

優れた操縦性は、じつはワインディングでこそ真価を発揮する。巨大で低重心の車体からは想像もできないほど軽やかで、パワフルなエンジンはコントロール性も良く、右に左に、自在にカーブを曲がっていく。その大きさゆえ、下りのタイトコーナーでは恐怖心が出てくるが、これは乗り手の心理的な問題。マシン自体は非常に安定していて、しっかりと速度を落としせば、ふらつくこともなくクリアすることができた。大陸での長距離移動をコンセプトに設計されているが、日本のツーリングシーンでも十分に楽しめるのである。

ホンダ ゴールドウイング(2016-)の試乗インプレッション

当然ながら、その本領は高速道路にある。高い風防効果によって、制限速度内であれば、身体にほとんど走行風は当たらない。また、スクリーン自体にエアダクトを装備し、大型スクリーンにありがちな負圧(背中を押される感覚)もほとんどなく、じつに快適。滑らかなエンジンやベストセッティングのサスペンションも相まって、静寂に包まれて高速で移動する様は、まるで別次元の乗り物に乗っているようだ。もちろん、モーターサイクル特有のスポーツ感はしっかり保っているので、4輪の快適性ともまた違う……まさに「ゴールドウイングならでは」だ。

ホンダ ゴールドウイング(2016-)の試乗インプレッション

ゴールドウイングは、走り出してしまえば快適そのもので、高速道路や幹線道路は言うに及ばず、ワインディングだって十分に楽しむことができる。ヒーターやワイパーによって、季節や天候を必要以上に気にすることもない。なにより、タンデムツーリングでもソロと同様の運動性能や快適性を維持しながら走ることができるのは、長距離を走るツーリングライダーには嬉しい限り。日本全国を快適に、安全に旅したい……そんなライダーにぴったりの1台だ。

ゴールドウイング(2016-)の詳細写真は次のページにて

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