ホンダ CBR250R(2014)
ホンダ CBR250R(2014)

ホンダ CBR250R(2014) – 日常域で操る楽しさを味わえるライトスポーツが進化熟成

掲載日:2014年09月18日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

ホンダ CBR250R(2014)の試乗インプレッション

ホンダ CBR250R(2014)の画像

従来の扱いやすさに加え
力強さとカッコ良さが増した

今回試乗したのは、ブラックカラーのABS無しバージョン。カラーリングのせいか、トリコロールよりも小さく引き締まって見える。個人的には大人っぽい雰囲気で好きだ。ライディングポジションは従来とさして変わらない感じだが、メーカーのリリースによるとシート前部の角が落とされているとのことで、たしかに足を地面に下ろしやすくなっている。雰囲気はフルカウルなので前傾イメージだが、実際はハンドル位置が高く、首や腕への負担が少ないことは従来と変わらぬメリット。街乗りでのストップ&ゴーでも苦にならないところがいい。

エンジンは極低速から粘りがあり、単気筒にありがちな「プスッ」というエンストは皆無。最近のF.I.は本当に良くできている。ハンドル切れ角も十二分にあるため、Uターンや渋滞路も何のそのだ。バックミラーもステーの取り付け角度や長さが改善されたが、それでもすり抜けはちょっと苦手だ。

ホンダ CBR250R(2014)の画像

2014年型となって最も変わったのは、エンジンの回転フィールだ。従来型はシングルエンジンらしい粗粒のビート感があり、いかにも低中速重視のパワーカーブであったのに対し、新型ではエンジン回転がよりスムーズになり、高回転域での伸び感が出てきた。ワインディングなどで、以前はコーナー立ち上がりで早めにシフトアップしないと苦しかったシーンでも、そのままのギアをホールドしたまま、もうひと伸び引っ張れる感じだ。2ps上乗せされたパワーとこの伸びしろによって、コーナー後半での2次旋回からの加速がより気持ちよくなった。これは公道では余裕に、サーキットではタイムにつながるはずだ。また、変速比の見直しにより5速と6速がクロスレシオとなったことで、ギアのつながりも良くなっている。もちろん、公道においてその恩恵を直接感じることは少ないが、パワーバンドをキープしながら走るサーキットなどにおいては大きなアドバンテージになるはずだ。

ホンダ CBR250R(2014)の画像

ハンドリングは基本的に軽快だが、いい意味で鋭くない。スリムでコンパクトな外観から想像するよりは意外と落ち着きがあって、特に高速域ではねっちりとした手応えさえ出てくる。楽なライディングポジションと扱いやすいエンジン特性も合わせて、この穏やかで分かりやすいハンドリングがCBR250Rの美点。荷物はたいして積めないが、フルカウルの利点も含めてツーリングでも疲れにくいだろう。

ホンダ CBR250R(2014)の画像

スタイリングはより精悍でスポーティになった。従来型のデザインも個性的で新しさもあったと思うが、CBRを名乗るのであれば、やはり“らしさ”は必要だ。ユーザーのそうした思いを受けてのデザインの路線変更だと思うが、これも正解だろう。ライバルとなるカワサキ ニンジャ250や、デビュー間近のヤマハYZF-R25などと否応なく比較される激戦区の250ccスポーツクラスにおいて、世界中でユーザーのハートを掴むには、上位機種とのイメージの連動は必須である。その意味で、どこから見ても“CBR顔”であることは、乗り手の気分高揚にもつながるはずだ。

このCBR250Rは、気軽にモータースポーツを楽しむにはぴったりの道具、そして、大人が乗ってもカッコつけられる本格的なニーゴー(250cc)である。

ホンダ CBR250R(2014)の詳細写真は次ページにて

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