

掲載日:2013年07月18日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 撮影/バイクブロス・マガジンズ編集部 衣装協力/HYOD
『125 DUKE』、『200 DUKE』 に続くライト級デュークシリーズ(スモール DUKE)の最終版として登場した 390 DUKE は、「軽さや扱いやすさはそのままに、オーバークラスのマシンを凌駕するパフォーマンスとライディングファン」を与えられた最新モデルである。
完全新設計エンジンは、基本レイアウトこそシリーズ共通の水冷4ストローク単気筒 DOHC 4バルブだが、新たに 375cc の排気量を与えられ、最高出力は 200 DUKE の7割増しに相当する 44ps/9,500rpm を発揮。オフロードコンペモデル譲りのコンパクト設計により、エンジン単体重量は 36kg に抑えつつ、ダブルオーバーヘッドカム、DLC コーティングのロッカーアーム、4バルブヘッド、鍛造ピストンとニカシルコーティングシリンダーなどが投入された本格的な仕様となっている。
車体は KTM の伝統である、超軽量トレリスフレームと高強度アルミダイキャスト製スイングアームの組み合わせることで、コンパクトかつ高い剛性バランスを持つシャーシを実現。大幅にパワーアップされた出力に合わせてフレームも一部強化されているが、それでも車重は 200 DUKE+9.5kg に抑えた 139kg(装備重量)で、燃料満タン時でも 150kg を下回る軽さを達成している。
足周りでは、前後サスペンションにはシリーズ共通の WP 製を採用するが、見た目は同じでも中味は 390 DUKE 仕様のスペシャルチューニングが施されているのがポイント。オフロードマシンを得意とする KTM らしく、ホイールトラベルには前後とも 150mm と余裕のストロークが与えられている点にも注目したい。ブレーキは前後ともブレンボの OEM である 『BYBRE』 製で、フロントにφ300mm ディスク+ラジアルマウントキャリパーを装備。加えてボッシュ製9MB 2チャンネル ABS を標準装備するなど強力なストッピングパワーと安全性を両立している。ブレーキやホイール周りの仕様については、2013モデルからマイナーチェンジにより強化されたスモール DUKE と共通だが、唯一タイヤは 390 DUKE 専用としてメッツラー・スポルテック M5 にアップグレードされている。
軽量コンパクトな車体に強力なエンジンと確実な足まわりを装備するなど、スポーツモデル作りの定石を体現したかのような 390 DUKE。価格も 200 DUKE のわずか3万円ちょっと増しの 54万9,000円というリーズナブル設定も魅力である。
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