

掲載日:2013年05月23日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真・動画/MOTOCOM 衣装協力/HYOD
今回試乗したのは、VTR に新設計のハーフカウルを装着したモデル、『VTR-F』 である。このシリーズで特徴的なのは、何と言ってもエンジンだろう。水冷4ストロークV型2気筒エンジンは、初代 VT250F 以来、実に 31 年にわたり使われ続けている。その一方で、時代の要請により吸排気系は進化。2009年より PGM-FI (電子制御燃料噴射装置)が採用された現行モデルでは、ECU とクランク角度センサーにより緻密な制御を行うことで、リニアなスロットルレスポンスと滑らかな加速、低燃費を実現。排気系はチャンバーレス構造 2 into 1 のレイアウトに O2 センサーと2つの触媒装置(キャタライザー)を装備するなど、優れた環境性能も備えている。
今回 VTR-F をタイプ追加したことを機に、ベースモデルの VTR ともども PGM-FI のセッティングのさらなる熟成が図られている点がまずポイント。具体的には市街地で常用する低回転域のスロットルリニアリティを向上させることで、街中での扱いやすさを向上させている。また、前後のサスペンションのセッティングを変更し、シート高や軽快感はそのままに、ツーリングや街中での快適な走行と安心感のある乗り心地をさらに高めているのが特徴だ。
VTR-F は、ハーフカウルを装着することで高速道路などでより快適な走行を目指している。ヘッドライトには最近のホンダ車のアイコンであるY字デザインのマルチリフレクタータイプを採用。フロントマスクに精悍さを与えるとともに、メーターには専用設計の多機能液晶ディスプレイを備えるなど、所有感も高めた装備としている。
カラーバリエーションは写真のパールサンビームホワイトと、パールコスミックブラックの2色を用意。初期型を彷彿させる赤いフレームとブラックアウトされたエンジンが精悍なイメージを醸し出している。なお、VTR、VTR-F ともに ABS 設定はない。
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