ホンダ VTR
ホンダ VTR

ホンダ VTR – 充実のユーザビリティにも注目

掲載日:2009年03月19日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ホンダの伝統を受け継ぐ
名作Vツインスポーツが進化

今から遡ること27年前、ホンダから1台のバイクが発売された。当時は軽量でハイパワーな2サイクルエンジンを搭載したバイクが市場を席巻しており、4サイクルエンジンを得意とするホンダにとっては不利な状態。その状況を覆すべくホンダが提示した解答は、超高回転型の4サイクルV型2気筒エンジンを搭載した新型スポーツバイクだった。「400ccクラスの動力性能を実現すること」を念頭に開発されたこのモデルは、VT250Fとして世に送り出されて一躍大ヒット。ライバル打倒のために開発されたVツインエンジンの実力は高く、生産終了後も同型のエンジンを採用した新モデルが次々と発売され、長年に渡って熟成が進められていくことになった。今回試乗する「VTR」も、その水冷V型2気筒エンジンを受け継ぐ最新のモデル。先代VTRは排気ガス規制強化のあおりを受けて生産を終えたが、新たにフューエルインジェクション(PGM-FI)を採用することで規制をクリアし、各部をリファインしたニューモデルとして登場した。ルックスもよりスタイリッシュになった、2009年春の注目すべき1台だ。30年近い歴史の中で、ホンダが手塩にかけて育ててきたシリーズの最新作がどのような走りを披露してくれるのか、早速試乗インプレッションにて確認してみよう。

ホンダ VTRの特徴

ホンダ VTRの画像

さらに熟成されたVツインスポーツ
充実のユーザビリティにも注目

VTRは、バイクの基本を押さえたシンプルな構成を持つモデルだ。軽量化とコンパクト化に貢献する鋼管トレリスフレームに、PGM-FIを採用したホンダ伝統の水冷4サイクルV型2気筒エンジンを搭載。フレームは先代と同じタイプとなっているが、新たに補強を増やすとともに、クロスパイプの穴開けを行うなど、剛性バランスを徹底的に見直している。エンジンもリファインが施されており、演算処理用のコンピュータを高度化し、排気系にチューニングを加え燃焼効率を向上。排気ガス規制に適応させながら、ホンダVツインの特徴である俊敏なレスポンスと爽快な吹け上がりを継承している。足回りはコンベンショナルなものだが、こちらはしなやかな走りを実現できるようリセッティング。フレーム、エンジン、足回りともVTシリーズの良さを受け継ぎながら、より煮詰められている。

そして、今回注目したいのはユーザビリティ。VTRは小排気量スポーツモデルの中でも、「日常の使いやすさ」が重視されている。フラットなタンデムシートと4箇所の荷掛けフックにより、ツーリング時の積載性が大幅に向上し、さらに、シート下にも収納スペースを設置し、こちらにはグローブをはじめとした小物類を収納可能。いずれも日常生活において、便利に活用できる装備だ。もうひとつ注目したいのが、ヘッドライトの配光。ロービームは照射の幅がワイドになって左右の死角が少なく、ナイトランでも不安を感じない。ハイビームは、ワイド感はそのままに遠くまで明るく照らし出してくれるので非常に好印象だ。その他、メーターを操作するボタンがグローブのままでも扱いやすいなど、細かいポイントまで配慮されている。走行性能面だけでなく、利便性においても熟成がさらに進んでいると言えるだろう。

ホンダ VTRの試乗インプレッションは次ページにて

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