ホンダ CBR250R
ホンダ CBR250R

ホンダ CBR250R – 世界標準を目指す本格的スポーツクォーター

掲載日:2011年05月12日 試乗インプレ・レビュー    

ホンダ CBR250Rの試乗インプレッション

ホンダ CBR250Rの画像

スペック主義では語れない
現代にフィットした走りが魅力

今の若者から見れば新鮮であり、我々のような 80年代のバイクブーマー世代からすると少し懐かしい感じがする 250cc スポーツモデルが登場した。かつてホンダには CBR250RR というモデルがあったが、それは同じ 250cc でも4気筒で 20,000rpm 近い回転数から 45ps のピークパワーを絞り出す強烈なレプリカマシンだった。20年以上の時を経て、Rがひとつ少ない CBR は単気筒となり、今風のデザインを身に纏って目の前に現れた。かつてのレプリカマシンとは似て非なるもの、というのが第一印象だ。“性能こそすべて” だった昔とは明らかに異なる “新しい価値観” が、今の時代には求められているのだ。

最高出力 27ps/8,500rpm というスペックだけ見て、あまり期待していなかったというのが正直なところだが、実際に乗ってみると意外や意外、けっこう走るではないか。同じホンダの 250cc スポーツ、VTR と比べても遜色ない走りだ。もちろん、VTR は2気筒だから、ピークパワーでは負ける(といっても3ps の差)。ただ、中速レンジは CBR のほうが元気がいいのでは、と思えるほどで、5,000~8,000rpm 辺りの常用域ではなかなかガッツのある加速を見せてくれる。さらにレッドゾーンが刻まれる 10,000rpm を超えるあたりまで、一気に回り切ろうとするエンジンはさすが現代テクノロジーの賜物。ローラーロッカーアームやオフセットシリンダーといった新技術による低フリクション化が効いているようだ。

ホンダ CBR250Rの画像

ハンドリングは軽快感の中にもしっとりとした安定感があり、一瞬もっと大きな排気量のバイクに乗っているような不思議な感覚があった。交差点を曲がるようなターンでは単気筒らしく 125cc クラス並みに軽いのだが、速度レンジが上がるにつれ車体の動きに粘りが出てくるのだ。例えば、高速道路のレーンチェンジなどは意外とまったりしていて、変な神経質さがないので逆に安心できる。これは察するに、トラス構造のスチールフレームの効果ではないかと思う。なんとなく、鋼管トレリスフレームを採用するドゥカティとちょっと似ている感じがしないでもない。

今回試乗したモデルはコンバインド ABS 付きで、これがなかなか秀逸。リア側だけ操作すればフロントブレーキもやんわりと効いてくれて、普段の街乗りなら事足りてしまう。一方、フロント側はシングルディスクでも十分強力で、握り込んだときの効き加減も分かりやすい。それでいて、敢えてガツンとかけてみるとスムーズに ABS が作動した。

ホンダ CBR250Rの画像

サスペンションは前後とも基本的にソフトだが、気持ちよくワインディングを流す程度なら問題ないはずだ。さらに上の次元でスポーツライディングを求めるのであれば、調整機構付きのサスペンションが欲しくなるだろうが、それはまた別の話だ。

ハンドル切れ角も豊富で、軽量コンパクトな車体は取り回しやUターンでもストレスフリーだし、このクラスでもタンデム装備が充実している点はさすがグローバルモデル。見た目もクラス以上のグレード感があるし、幅広い使い勝手を考えれば十分リーズナブル・プライスと言えるのではないだろうか。女性ライダーやセカンドバイク目的にもおすすめできそうな1台だ。

ちなみに 250cc 以下のマシンが参加できる、入門向け耐久レースの「オープンもて耐」にも、今年は「CBR クラス」が新設されたようで、どんな走りを見せてくれるか今から楽しみである。とまあ、やっぱり 80年代オヤジはそっちに興味が向いてしまうのだ。

ホンダ CBR250Rの詳細写真は次ページにて

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