BMW Motorrad K 1300 GT
BMW Motorrad K 1300 GT

BMW Motorrad K 1300 S – 『BMW史上最速』を標榜するフラッグシップ・モデル

掲載日:2009年10月15日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

『BMW史上最速』を標榜するフラッグシップ・モデル
優れたパフォーマンスはあらゆるライダーを魅了する

K 1200 Sからの進化版となるK 1300 Sは、2009年にリニューアルされた最新K1300シリーズ3兄弟の中で長男的な存在。グラン・ツーリズモのGTやパワー・ネイキッドのRは、Sをベースとした派生モデルという位置づけだ。『縦K』から『横K』へと生まれ変わった2004年も、まず最初に登場したのは『S』だった。RシリーズのGSやRTなど、ツーリング指向のモデル群とは対極に位置するスポーツ・モデルとして、K 1300 Sのパワーとトルクには最高の数値が与えられている。

いわゆる“メガ・スポーツ・マシン”の類に属し、BMWとしては稀なモデルと言える。先代が登場したときは「こんなオーバースペックのマシンをいったいどこで乗れと言うんだ !?」と囁かれたものだが、決して扱いが困難なマシンではない。そこには“ライダー優先”の造り込みがなされており、1200(1,157cc)から1300(1,293cc)への排気量アップにしても、それに伴う最高出力175ps / 9,250rpmや最大トルク140Nm / 8,250rpm、わずか2.8秒で100k/hに到達するパフォーマンスは、使い切らなければならないものではなく、ライダーに走ることの愉しさを約束し、余裕やゆとりを生み出すための進化なのだ。

BMW Motorrad K 1300 S 特徴

進化・熟成が見られるパフォーマンスと
“まとまった感”のあるスタイリング

BMW Motorrad K 1300 S 写真
BMW Motorrad K 1300 S 写真
BMW Motorrad K 1300 S 写真 BMW Motorrad K 1300 S 写真

K 1300 Sの進化は、まずK1300シリーズ全てに共通する部分が多い。その特徴的な例を挙げると、アクセル開閉時のギクシャク感をいなす新型2ステージドライブシャフト、材質の変更とスプリング、ダンパー設定の見直しによってハンドリングが軽くなったデュオレバーサスペンション、イニシャルのみならずスプリングレートまで調整可能な第2世代の電子調整式サスペンションESAⅡ、クラッチ操作不要でシフトチェンジを可能とするギアシフトアシスト(S/Rのみ工場オプション)、環境性能に配慮したエキゾーストフラップの装備など、細部を除いても変更箇所は多く見られる。さらにエンジン内部に至っては、ボア×ストロークのボリュームアップ、バルブタイミングの最適化、ピストン形状、ギアボックス、クラッチの変更など、各構成パーツの材質や設計の見直しにより、最適化と軽量化が図られているのだ。ここに挙げたのはメーカー公表によるものだが、全てではない。またそれ以外にも、おそらく細部にわたって緻密な見直しがなされていることは想像に容易い。

以上の変更によって得られるパフォーマンスは驚くほど顕著に現れ、先代K1200シリーズと比較すると、ライダーが体感する“乗り味”の面でもその差を知ることが出来る。

マシン性能面では影響がないものの、既存のBMWを知るユーザーにとって、もっとも衝撃的(?)な変更と思われるのはウィンカースイッチだろうか。歴代BMWモデルは左右分割式だったものが(シングルFシリーズを除く)、左手のスイッチボックスに配置されるワンボタン式となった(いわゆる世界標準のスイッチ)。

デザイン面ではグラフィックの変更以外にも、エアインテークをデザインに取り入れることでサイドトリムの形状が一新、LEDを採用したクリアテールレンズ、メーターパネル、インテリアトリム、そして六角断面のショートサイレンサー(R共通)など、先代との互換性は皆無。車体のシルエットだけを見れば先代との違いを見つけるのは難しいかもしれないが、デザインは踏襲しつつ最新のテクノロジーを、というのが実はBMWのデザイン・コンセプトであり、ほんの一瞬視界に入っただけでそれとわかるよう配慮されているのだ。…この記事の続きをバージン・BMWで読む

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SPECIFICATIONS - BMW Motorrad K 1300 S

BMW Motorrad K 1300 S 写真

価格(消費税込み) =
201万7,000円(Active Line)
224万8,000円(Hi Line)
242万6,500円(Premium Line)

2009年にリニューアルされ、さらなるパフォーマンスを実現したK1300シリーズ。フラッグシップのスポーツ・モデル『S』には優れた性能が凝縮されている。

■サイズ(空車時、ミラー含む) = 全長2,196×全幅905×全高1,221 mm
■シート高(空車時) = 790mm
■車両重量(走行可能状態) = 254kg
■エンジン = 水冷4ストローク直列4気筒
■総排気量 = 1,293cc
■気化器 = 電子制御式(BMS-K)、燃料カットオフ機能付
■クラッチ = 湿式多板
■ミッション = 6速
■最高出力 = 129kW(175ps) / 9,250rpm
■最大トルク = 140Nm / 8,250rpm
■駆動方式 = ドライブシャフト式
■Fタイヤサイズ = 120/70 ZR17 チューブレス
■Rタイヤサイズ = 190/55 ZR17 チューブレス

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