ビューエル Lighting CityX XB9SX
ビューエル Lighting CityX XB9SX

ビューエル Lighting CityX XB9SX – 乗り手の感性を刺激するファンライドバイク

掲載日:2008年07月08日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ビューエル Lighting CityX XB9SXの試乗インプレッション

ビューエル Lighting CityX XB9SXの画像

ごく普通の街中すら楽しめる
操る楽しさを満喫できるバイク

797mmのシート高は高いものに感じられるかと思っていたが、スポンジが柔らかく幅が絞り込まれた形状のため、足つき性は思ったほど悪くない。国産スポーツバイクに匹敵する177kgという乾燥重量のおかげで、両足がベタっとつかなくても跨ったままの取り回しも問題なく可能だ。ただし、ハンドルの切れ角はあまりないため、狭い場所でのUターンでは切り返しが必要になることもあるだろう。ビューエルはどのモデルもマスの集中化がテーマのため、ライディングポジションもそれに合わせてコンパクトだ。ハンドルもステップもすべてが近いところにあり、体をグッとコンパクトに畳むような姿勢になる。XB12Rでは長時間乗るとそれが少し辛くなることがあった。しかし、XB9SXは辛い前傾姿勢を強いられることはない。ハンドルはモタード風のものが採用されているが、ポジションはオフロードバイクほど高くはなく、軽く前傾してハンドルを掴むポジション。ネイキッドバイクに近いものだと思えばいいだろう。

ビューエル Lighting CityX XB9SXの画像

スロットルを捻った際の加速感は以前、XB12Rで体感したほど荒々しいものではない。XB9SXでも力強さは充分に感じられるが、XB12Rに比べれば少し大人しいトルク感だ。それでも、Vツインエンジンならではのバイブレーションは存分に感じられ、スロットルを少し捻ってやるだけで、車の流れはリードできてしまう。高速巡航時の追い越しでも92馬力のパワーがあればストレスを感じることなどない。さらに、XB9SX は7000回転以上まで引っ張ることができるのだが、高速でも法定速度内であれば3000回転前後の低速トルクで充分な巡航スピードを確保できてしまったほど。ビューエルのエンジンはハーレーのスポーツスターのエンジンのベースとなっており、スポーツスターの1200と883シリーズのような「トルクで走る」1200と「回して走る」883のような違いをイメージしていたが、XB9SXが回さなくても充分に走れてしまうバイクなのはイメージと違ったところだ。日本国内で985ccモデルがXB9SXだけなのは、両者の個性の違いがスポーツスターほど明確ではないから、なのかもしれない。個人的にはXB12シリーズほどパワーがなくても充分だと思うので、ある程度回しながら太いトルクで走るXB9SXの方が好みだ。

250ccクラスのホイールベースと、軽量が特徴的のビューエルは、他のバイクでは感じたことがないほど軽快に力強く走ってくれる。21°とかなり立てられたキャスター角も軽快さを強調してくれるポイントだろう。それに加え、XB9SXの場合はポジションが快適なため、走るのが楽しくて仕方がない。それも、一般の街中ですら楽しいのだ。車の間を縫うように走ったり、クイックな車線変更を行ったり、わざわざ山に走りに行かなくてもXB9SXの魅力を引き出せる場所は都会にいくらでもある。ごく普通の交差点を曲がるときでさえ、極上のコーナーのように思えてくるほど。しかも、バイクが自然に曲がっていくような感覚ではなく、自分が車体を操って曲がる感覚があるのだ。それほどコーナーが得意ではない私ですら、存分に楽しめるのだから、技量を持ったオーナーが操れば、もっと深くコーナーに進入し、もっと深く寝かし込み、楽しさを何倍にも膨らませることができるだろう。

ビューエル Lighting CityX XB9SXのオススメポイントは次ページにて

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